神奈川県足柄上郡山北町にある河村城です。
平安時代末期に河村秀高によって築かれたといわれています。
南北朝時代になると河村氏は南朝方につき新田氏に協力しました。
1352年に河村秀国、河村秀経は河村城に籠城し、北朝方の足利軍と戦い守り抜きました。
戦国時代になると北条氏の支配する所となり、武田氏に備える為に城の改修を行いました。
1590年の豊臣秀吉の小田原征伐の際に落城し、廃城となりました。
現在では河村城址歴史公園として整備され、茶臼郭、小郭の障子堀や、本城郭と蔵郭の堀切に架かる木橋などがあり見どころとなっています。
河村城・基本情報、アクセス
所在地：〒258‐0113 神奈川県足柄上郡山北町山北
城 主：河村氏、畠山氏、上杉氏、大森氏、北条氏
形 式：山城
文化財史跡：県指定史跡
日本100名城スタンプ：該当なし
河村城・駐車場
河村城の北側に河村城址駐車場があります。
5台ほど止められる無料駐車場でトイレも完備しています。
また、河村城の東側にも駐車場があります。
河村城・茶臼郭
郭内部
茶臼郭は河村城の最も北側にある郭です。
茶臼郭には案内板が設置されていますが、かなり読みづらいです。
障子堀
茶臼郭と小郭の間には堀切が築かれており、更に堀切の底には障子堀が築かれています。
堀切の深さは7～8ｍ、幅は10ｍ程はあるかと思われ圧巻の光景となっています。
障子堀は畝を造り四角い空間にすることで、敵の移動を制限する目的があります。
障子堀や畝堀は北条氏の築城技術の特徴で、山中城が大変有名です。
障子堀の畝の高さは1ｍ以上にもなり、かなり身動きしづらい事が分かります。
堀切と障子堀の合わせ技は圧巻で、河村城一番の見どころです。
河村城・本城郭
入口
本城郭の東側の入口には簡易的な門と柵が建てられていて、お城の雰囲気があります。
郭内部
本城郭は北側には小郭、茶臼郭、西側には西郭、東側には蔵郭、南側には馬出郭があり、河村城の中心に位置しています。
説明板や石碑などが設置されています。
堀切
本城郭と小郭の間には堀切が築かれています。
こちらの堀切の底にも畝があり、障子堀となっています。
河村城・蔵郭
堀切と木橋
本城郭と蔵郭の間には堀切が築かれています。
堀切の深さは8ｍ、幅は20ｍもあり、発掘調査により5回も堀り直し、4カ所の柱穴跡が確認されています。
この事から現在では木橋が復元されていて、当時の様子が再現されています。
郭内部
本城郭の東側に蔵郭があります。
蔵郭では発掘調査により中国産の青磁の皿や椀、かわらけ、炭化したイネなどが見つかっています。
また、建物の柱穴跡も見つかっており、穀物を貯蔵していた蔵があったのかも知れません。
河村城・近藤郭
障子堀
蔵郭と近藤郭の間には堀切が築かれています。
こちらの堀切は深さが12ｍ、幅が25ｍもあり河村城で最大級となっています。
堀底には障子堀が築かれていて厳重な構えとなっています。
これでもかと徹底された防備で、北条氏の築城技術を堪能する事ができます。
郭内部
近藤郭は蔵郭と大庭郭の間にある郭です。
近藤郭の縁石ベンチは空堀と竪堀があった場所を表しています。
竪堀と空堀で敵の侵入を防ぐ工夫がされていた事が分かります。
河村城・大庭郭
展望台
近藤郭の東側に大庭郭があります。
大庭郭には展望台が設置されており、河村城を見下ろす事ができます。
景色
大庭郭の東側からは足柄平野や相模湾を見る事ができます。
河村城の北には甲斐、西には駿河と北条氏にとって防衛上重要な位置にあることが分かります。
河村城・馬出郭
本城郭の南側には馬出郭があります。
馬出郭は現在林となっており、北西には西郭、北郭と続いています。
まとめ
河村城は茶臼郭や小郭、近藤郭に築かれている障子堀が見どころです。
北条氏特有の築城技術なので必見です。
また、山北町観光案内所では河村城の御城印が販売されています。
河村城ウェブサイト
http://www.town.yamakita.kanagawa.jp/0000001056.html
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