京都府木津川市にある鹿背山城。
築城年代は不明ですが、1479年に興福寺の学侶や木津執行が入城、1485年には古市氏が入城している記録が残されています。
興福寺が領有する城で、南都の北方防備の拠点として機能していました。
1559年に松永久秀が信貴山城を拠点として大和に進出すると、1561年に多聞山城を築城しますが、この頃に興福寺は松永氏に屈し、鹿背山城も松永氏が領有する事になります。
「多聞院日記」には1574年にカツ山ノ城が落ちたと記載されていて、鹿背山城が落城したとも考えられています。
現在でも城跡には主郭跡や竪堀、畝状竪堀群、堀切、土塁などが良好に残され見どころとなっています。
鹿背山城・基本情報、アクセス
所在地:〒619‐0211 京都府木津川市鹿背山鹿曲田
城 主:興福寺、松永久秀
形 式:山城
文化財史跡:ー
日本100名城スタンプ:該当なし
鹿背山城・駐車場

鹿背山城に専用駐車場はありません。
鹿背山城から北西に1㎞程の所にある「京都府立山城資料館」の駐車場を借りると良いでしょう。
資料館には南山城の古代から江戸時代までの歴史、民俗に関する資料が展示されています。
資料館から鹿背山城の登山口までは2㎞程あり、歩いて30分程掛かります。
【京都府立山城資料館(ふるさとミュージアム山城)】
所在地:〒619‐0204 京都府木津川市山城町上狛千両岩
開館時間:9:00~16:30
入館料:大人200円、小・中学生50円
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始(12月28日~1月4日)
ウェブサイト:京都府立山城郷土資料館
鹿背山城・縄張り図

鹿背山城は木津川南東側の、通称城山に築かれた山城です。
城の南側谷部に大手口があり、標高135mの最も高い位置に主郭があります。
主郭から南東尾根上に曲輪Ⅱ、曲輪Ⅲがあり南側や北側に延びる尾根上には段上の小さな曲輪が築かれています。
城の東側と西側に畝状竪堀群を築く事により、防御城の弱点を補強しています。
鹿背山城・登山口
登山口

鹿背山城の南西側にある「鹿背山会館」の近くに三叉路があるので、西念寺方向への道を進みます。
近くに案内板で「西念寺・鹿背山城跡」の表示があるので分かり易いです。

西念寺に鹿背山城への登山口があります。
登山口には縄張り図付きの説明板があり、隣のポストに氏名を記入して案内図を頂くことが出来ます。
登山口から主郭までは20~30分程で行くことが出来ます。
登山道

登山道は比較的整備された道となっていますが、軽登山の装備で行くと良いと思います。
また、登山道はメインコースとサブコースがあり、サブコースはお城好きが行くための細かな遺構が確認できるルートとなっています。
鹿背山城・主郭
竪堀

大手道の谷部を進んで行くと、左手斜面に竪堀が見えて来ます。
竪堀は主郭の南西尾根の斜面に築かれていて、1~2m程の深さで10m以上の長さがあります。
大手道から見える竪堀は良好に残されていて、全国的に見てもハッキリと確認が出来て見どころです。
畝状竪堀群①

鹿背山城の西側には畝状竪堀群が築かれています。
斜面に3条の竪堀が連続して築かれていて、少しだけ離れた場所にも1条の竪堀があります。
それぞれの竪堀の深さは1~2m程で、長さは20~25m程あり、斜面がうねうねしている様子が分かります。
鹿背山城西側の畝状竪堀群は良好に残されていて見どころです。
虎口跡

主郭の南側に虎口跡があります。
虎口は斜面を曲がりながら主郭内部へ誘導され、登り切った先は桝形の空間が形成されています。
主郭内部

主郭は標高135mと最も城内で高い場所にあり、東西に長い長方形となっています。
東側には土塁が残されていて、土塁の上には櫓が築かれていたと推定されています。
畝状竪堀群②

主郭の西側斜面にも畝状竪堀群が築かれています。
大きく2条の竪堀が築かれていて、こちらも深さは1~2m程となっています。
主郭からも見下ろす事ができ、鹿背山城から見える景色と合わせて壮観です。
櫓台跡

主郭の西側に櫓台跡があります。
櫓台はやや土が高まっていて、鹿背山城の西側一帯を一望するには絶好の場所に位置しています。
竪土塁

主郭北西側の斜面には竪土塁が築かれています。
竪土塁は斜面に垂直に築かれた土塁で、土塁により両側が竪堀となっている様子が分かります。
土橋

主郭側の尾根には土橋があります。
土橋の両側は空堀となっていて、人がひとり通れる程の幅の道となっています。
土橋は実際に渡ることが出来て、両側が谷となっているのでハラハラします。
堀切

主郭北西側の尾根には堀切が築かれています。
堀切は幅が5m程でこちらも中央部に、土橋のような遺構が見受けられます。
水の手

主郭の北東側の谷部に水の手があります。
水の手がある谷部に降りるとジメジメしていて、地面が湿っている事が分かります。
城内の貴重な水源であった事が想像出来ます。
鹿背山城・曲輪Ⅱ
竪堀

主郭と曲輪Ⅱの間には堀切により区切られています。
また、土塁により通路が曲げられていて虎口のような形状になっています。
堀切の北西側は竪堀となって斜面を落ちて行く様子も分かります。
曲輪Ⅱ内部

曲輪Ⅱは主郭と曲輪Ⅲの間にあり、二の丸に相当するような曲輪となっています。
曲輪Ⅱの標高は133mで主郭の半分位の広さとなっています。
鹿背山城・曲輪Ⅲ
堀切

曲輪Ⅱと曲輪Ⅲの間には堀切が築かれています。
鹿背山城は曲輪跡や空堀、土塁などが良好に残されていて良い山城だなぁと感じ入ります。
竪堀

曲輪Ⅱと曲輪Ⅲの堀切の北側は2条の竪堀が築かれています。
堀切の両端が竪堀となっている事は多々ありますが、2条連続で築かれているのは珍しいです。
曲輪Ⅲ内部

曲輪Ⅲは曲輪Ⅱの東側にあり鹿背山城で最も東端に位置しています。
標高は132mと曲輪Ⅱより1m低いですが、曲輪Ⅱよりも一回り広い曲輪となっています。
堀切

曲輪Ⅲの南側には尾根が続いていて、堀切が築かれています。
堀切は深さが3~4m、幅は5~6m程あり、現在でも勾配が急で良好に残されています。
畝状竪堀群

曲輪Ⅲの東側には畝状竪堀群が築かれています。
4条程の竪堀が連続して築かれていますが、現在はだいぶ埋もれてしまっていて、写真だと分かり辛いです。
まとめ

【鹿背山城の見どころ】
・大手道の途中で見える大きく真っ直ぐ斜面を落ちる竪堀
・主郭西側斜面に築かれた3条一つひとつが良好に残された畝状竪堀群
・主郭から見る畝状竪堀群と木津川市の景色
・主郭北西側の尾根に築かれている堀切と土橋
ウェブサイト:鹿背山城|木津の文化財と緑を守る会

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