神奈川県横浜市にある小机城。
築城時期は不明ですが、12世紀以降、15世紀までには築城されていたと考えられています。
1478年に山内上杉氏の家臣である長尾景春が反乱を起こし、景春に味方した矢野兵庫助が小机城に籠城しました。
上杉方の太田道灌は亀之甲山に布陣し、小机城を攻め落としました。
この戦いの時に太田道灌は味方の士気を高める為に「小机はまず手習いの初めにて いろはにほへとちりぢりに」と詩を読んだと云われています。
小机城を支配していた上杉氏は北条早雲に追われ、40年間程利用されていませんでした。
1524年に北条氏尭の城となり、城代として笠原信為を置きました。
1590年に豊臣秀吉による小田原征伐により北条氏が滅亡し、徳川家康が関東に入ると廃城となります。
現在では小机城址市民の森として整備され、本丸(西郭)、二の丸(東郭)があり、規模の大きい空堀、土塁、櫓台などが残され見どころとなっています。
小机城・基本情報、アクセス
所在地:〒222‐0036 神奈川県横浜市港北区小机町789
城 主:笠原氏、北条氏
形 式:平山城(丘城)
文化財史跡:ー
続日本100名城スタンプ:横浜市城郷小机地区センター
小机城・駐車場
小机城に専用駐車場はありませが、小机城の南東側に「アットパーク小机日産スタジアム コインパーキング」があります。
18台程停められる有料駐車場で、8:00~22:00の間は30分200円となっています。
駐車場にトイレはないので、小机城の登城口か横浜市城郷小机地区センターを利用すると良いでしょう。
登城口までは歩いて7~8分程で行くことが出来ます。
小机城・御城印
小机城 御城印 1枚300円
小机城の御城印が販売されています。
横浜市歴史博物館で1枚300円で購入する事が出来ます。
横浜市歴史博物館では横浜市の原始から近代までの歴史を知ることが出来ます。
駐車場も博物館の横に19台分あるので、車で訪れる事も出来ます。(利用料金:30分100円)
【横浜市歴史博物館】
所在地:〒224‐0003 神奈川県横浜市都筑区中川中央1丁目18‐1
開館時間:9:00~17:00(券売は16:30まで)
入館料:一般400円・高校生、大学生200円・小学生、中学生100円
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
ウェブサイト:横浜市歴史博物館
小机城・続日本100名城スタンプ
小机城の南東に「横浜市城郷小机地区センター」があります。
こちらに続日本100名城のスタンプが設置されています。
また、2階では小机城に関する資料も展示されているので、小机城に訪れるなら必見です。
【横浜市城郷小机地区センター】
所在地:〒222‐0036 神奈川県横浜市港北市小机町2484‐4
開館時間:平日、土曜日 9:00~21:00・日曜日、祝日 9:00~17:00
入館料:無料
休館日:毎月第4月曜日(祝日にあたる場合は翌日に休館)・年末年始(12月28日~1月4日)
ウェブサイト:横浜市城郷小机地区センター
小机城・縄張り図
小机城は鶴見川を北側に望む丘陵に築かれている平山城です。
大きく分けて本丸(西郭)と二の丸(東郭)が配置され、それぞれの郭は大きな空堀と土塁で囲まれています。
南側には出城の持つ郭も配置されています。神奈川湊と鶴見川、鎌倉街道が交差する交通の要衝に位置しています。
小机城・登城口
小机城の南側に登城口があります。
登城口を登って行くと根古屋広場があり、トイレも完備しています。
小机城・本丸(西郭)
空堀(南側)
本丸の南側には空堀が築かれてます。
空堀は深さが10m、幅は20m程はあるかと思われる巨大なものとなっています。
横浜の街中にこれだけ規模が大きく、良好に残されている空堀はあるとは驚きで見どころです。
土橋
本丸の南側には土橋があります。
空堀を造る際に一部を堀残りして土の橋としているとものと思われ、本丸に続く道は少し屈曲しています。
土橋から見る空堀は大きく壮観です。
本丸内部
本丸の入口には冠木門が建てられています。
冠木門は史実に基づくものではなく、お城の雰囲気を伝えるための模擬門となっています。
この場所が本丸と云われていますが、確定はしていないようです。
土塁
本丸の南側には土塁が一部残されています。
土塁の高さは1~2m程で空堀に沿う形で築かれています。
空堀(東側)
本丸と二の丸間にも巨大な空堀が築かれています。
空堀は規模が大きすぎてどの位の大きさか分らない位で、周りには中国原産の孟宗竹が生えています。
巨大な空堀と竹林の組み合わせは小机城ならではの景色で、見どころです。
小机城・二の丸(東郭)
二の丸内部
本丸の東側に二の丸があります。
二の丸は本丸と同等の広さの郭で、こちらも本丸と同様に二の丸と断定されていません。
櫓台(天倉台)
二の丸の西側には櫓台が残されています。
櫓台は二の丸の西側に築かれていた土塁に連続する形で築かれていましたが、現在土塁は取り壊されています。
櫓台に登ると空堀の眼下を望むことができ、重要な防衛拠点であることが分かります。
土塁
本丸と二の丸の間にはつなぎ曲輪があります。
文字通り本丸と二の丸を繋いでいる小規模な曲輪で、土塁が築かれています。
土塁の高さは2m、基底部の幅は5m、上底部の幅は2.5m程となっている小机城では比較的大きな土塁です。
櫓台
つなぎ曲輪の南側には櫓台があります。
現在の櫓台は特別高くなっているわけではありませんが、東、南、西側は空堀で囲まれていて、小机城の南側の重要な場所となっています。
櫓台から空堀を望むと高低差が凄く、絶好の防衛地点であることが分かります。
土橋
本丸とつなぎ曲輪の間には土橋が築かれています。
土橋は人がひとり通れる程の幅で、両側は空堀が築かれています。
空堀
土橋から南側を見ると大きな空堀とつなぎ曲輪の櫓台を見る事が出来ます。
やはり写真や動画で見るのとは違い、実際に目の当たりにすると大きさや迫力が全然違います。
良好に残されている土橋から見る巨大な空堀は見どころです。
白山社
小机城の西側には出城跡があります。
小机城の西側は第三京浜道路で分断されてしまっていますが、トンネルを通り行くことが出来ます。
出跡には白山社の石碑があり、当時の小机城は現在よりももっと大きかった事を実感します。
まとめ
【小机城の見どころ】
・本丸南側の圧倒される巨大な空堀
・本丸と二の丸の間の竹林となっている巨大な空堀
・二の丸西側とつなぎ曲輪に残されている絶妙な位置にある櫓台
・本丸とつなぎ曲輪を繋ぐ土橋とそこから見える空堀
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