山梨県韮崎市にある白山城。
甲斐源氏逸見源太清光の子信義は、武田庄に分封され元服し武田太郎と名乗りました。
八幡宮の南の山に城を築き、後世に麓の白山社にちなみ白山城と呼ばれるようになりました。
武田信義の後は、武川衆の青木氏、山寺氏が守りましたが、江戸時代初期寛文年間(1661~1673年)に廃城となりました。
現在でも標高573mの尾根上に城跡があり、本丸の桝形虎口跡、本丸と三の丸を繋ぐ虎口に築かれた土橋、空堀などが残され見どころとなっています。
白山城・基本情報、アクセス
所在地:〒407‐0043 山梨県韮崎市神山町鍋山 字城山
城 主:武田氏
形 式:山城・連郭式
文化財史跡:国指定史跡
日本100名城スタンプ:該当なし
白山城・駐車場
白山城の北側に武田八幡宮の駐車場があります。
15台程停められる無料駐車場です。トイレは武田八幡宮境内にあります。
白山城の南側ある白山神社にも駐車場がありますが、こちらも方が利用しやすいかと思います。
白山城・縄張り図
白山城は甲府本地の北西に位置する巨摩山地、甘利山地に属する標高573mの尾根上に築かれています。
縄張りは尾根上に築かれている為連郭式で、北側から三の丸、本丸、二の丸と配置されています。
それぞれの郭は堀切や空堀で区切られ、側面の斜面には竪堀を複数築き強固な防備としています。
白山城・武田八幡宮
随神門(楼門)
随神門は1841年に再建された楼門です。
入口の左右には武官の装束を着て剣と弓を持つ像が安置されています。
武骨で堂々とした楼門は迫力があり、カッコ良いです。
拝殿
随神門奥の階段を登った先に拝殿があります。
拝殿は祭祀や拝礼を行う場所で武田菱の家紋がカッコ良く、武田家ゆかりの神社と云うことが分かります。
本殿(国重要文化財)
拝殿の後ろに本殿があります。
本殿は戦国時代に武田信虎が再建を行い、1541年に武田信玄が当主となると本殿の再建を引き継ぎ完成させました。
武田勝頼の代になると勝頼夫人が戦勝を祈念し、願文を奉納しました。
白山城・登城口
登城口までの道①
本殿の左手に為朝神社への看板があります。
熊避けのフェンス内には入らず左側の道を進んで行きます。
為朝神社
先へ進むと為朝神社が右手に見えて来ます。
為朝神社は武田信義が鎮西八郎源為朝を祀る為に建立しました。
為朝神社を右手に奥へと進みます。
登城口までの道②
為朝神社の先へ進むと熊避けのフェンスが見えて来ます。
フェンスのフックを2ヵ所外して中に入り、扉を閉めてフックを元に戻します。
中に入ったら川沿いの川下方向に少し進みます。
登城口までの道③
川下方向に少し進むとコンクリートの橋が架かった場所があるので、この橋を渡ります。
橋の奥に白山城の道案内の紙が貼られた木があるので目印にすると良いです。
登城口
橋を渡った先に白山城の登城口が見えて来ます。
登城口にも白山城の案内している紙が掲示されているので分かり易いです。
登城口から本丸までは20分程で行くことができます。
景色
登城道は比較的整備されていますが、一部足場が悪い場所もあるので注意が必要です。
登城道の途中では視界が開けている場所があるので、景色を見ながら一休みすると良いです。
白山城・三の丸
堀切
三の丸の虎口跡には堀切が築かれています。
山登りをして城郭の遺構が見えて来ると嬉しいです。
堀切は深さが2m程あり尾根の両端まで築かれていて、良好に残されています。
堀切はそのまま斜面を下って行き竪堀となっています。
三の丸の堀切は良好に残されていて見どころです。
三の丸内部
三の丸は白山城の北端に位置する曲輪です。
三の丸内部には空堀で窪んだ場所があり、窪みは尾根側面の横堀へと繋がっています。
横堀
三の丸の側面には横堀が築かれています。
横堀は深い所で2mはあり、三の丸の側面全体に渡り築かれています。
横堀の端部は堀切へと繋がっていて、強力な防御体制となっています。
白山城・本丸
土橋と堀切
三の丸の先へ進むと本丸の土橋と堀切が見えて来ます。
本丸の北側の土橋は尾根の中心部にあり、両側は鋭い堀切で遮断されています。
本丸の土橋と堀切は規模が大きく良好に残されているおり、白山城一番の見どころです。
本側が一段高くなっているので土橋も傾斜があり、本側には土塁も築かれています。
高低差もある事で圧巻の迫力で、白山城がここまで遺構が残されていることに驚きます。
土橋横の堀切は深さは本丸側の高い所で3~5m、三の丸側でも2~3mはありかなりの深さです。
堀切の端部はやはり斜面を落ちて行って竪堀となっていて、かつ横堀と繋がっています。
白山城は中世の土造りの城郭の遺構が良好に残されていて、玄蕃尾城のような印象を受けます。
土造りのうねうねした縄張りは面白いです。
桝形虎口
本丸の東側に虎口跡があります。
虎口は桝形虎口となっていて右、左と折れるようになっています。
現在でも四角い空間が形造られている様子が分かり、本丸に力を入れて築城されていることが分かります。
本丸の桝形虎口は白山城の見どころの一つとなっています。
本丸内部
本丸は三の丸と二の丸の間に位置していて、白山城で最も広い郭となっています。
本丸内部には白山城の説明板と略図があります。
土塁
本丸の外周部には土塁が残されています。
土塁は高さが1~2m程あり、良好に残されています。
二の丸や三の丸ではほとんど土塁は残されていなかったので、やはり本丸は厳重に造られている事が分かります。
白山城・二の丸
二の丸内部
本丸の南側に二の丸があります。
二の丸は本丸より一段低い場所にあり、三の丸と同じ位の広さとなっています。
空堀
二の丸の北西側には空堀が築かれています。
空堀の深さは2~3m程あり本丸側が高くなっています。
空堀は良好に残されていて二の丸の見どころです。
堀切
二の丸の西側には尾根が続いていて、堀切が築かれています。
堀切は深さが5~6m、幅が10m以上はあるかと思われ迫力があり、見どころです。
見応えがある遺構なので見逃さないようにしましょう。
先ほどの堀切の先の尾根に進んで行くと、更に堀切が築かれています。
規模は小さな堀切ですが、二の丸西側に続く尾根から迫る敵を防ぐ為に徹底されていることが分かります。
虎口
二の丸の東側に虎口跡があります。
虎口は左に折れていて、この虎口に至る前までの通路は二の丸から横矢が掛けられるように工夫されています。
堀切
白山神社からの登城口の途中には堀切が築かれています。
堀切は深くはないですが、通路上には土塁が築かれ虎口のようになっています。
竪堀
白山神社からの登城口の横には竪堀が築かれています。
竪堀は深さが1m程ですが、登城口から敵が横移動できないようにされています。
まとめ
白山城は本丸北側の土橋と堀切が良好に残されていて圧巻です。
他にも三の丸の堀切や二の丸の空堀、堀切などの遺構が良好に残されていて、土造りの城郭の魅力が詰まった山城となっています。
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