静岡県清水区にある清見寺。
奈良時代に創建され、平安時代は清見関に置かれる天台宗の寺院でした。
鎌倉時代には禅寺として復興し、足利尊氏や今川義元の庇護を受けて栄えました。
徳川家康が幼少期に今川氏の人質として駿府に置かれた時には、当寺の太原雪斎に師事し清見寺で勉学に励みました。
江戸時代には徳川氏の庇護を受け、朝鮮通信使や琉球使の接待が行われました。
駿河湾を目の前にする清見寺では、徳川家康公手習の間が保存されている大方丈や玉座の間がある書院、国の名勝である庭園が見どころとなっています。
清見寺・基本情報、アクセス
所在地:〒424‐0206 静岡県清水区興津清見寺町418‐1
宗 派:臨済宗
御本尊:釈迦如来
拝観料:大人300円・中高生200円・小学生100円
清見寺・駐車場
清見寺の南側に専用駐車場があります。
50台止められる大きさの無料駐車場です。トイレは境内にあります。
清見寺・境内
総門
最初に見えて来るのが総門です。
総門には「東海名區」と書かれた扁額が掲げられています。
清見寺では江戸時代に朝鮮通信使の宿泊や供応が行われており、朝鮮人錦谷居士が書いた扁額となっています。
山門
境内の入口に建てられているのが山門です。
山門は1651年に建築され当時は檜皮葺でしたが、1889年に現在見られる瓦葺きに改築されました。
薬医門形式の堂々とした立派な門で、歴史を感じます。
鐘楼
境内の右手には鐘楼があります。
鐘楼は1863年に改築されたもので、梵鐘は1314年に鋳造されました。
梵鐘は1590年、豊臣秀吉の伊豆韮山城攻略の際に陣鐘として利用されたと伝わっています。
大方丈
境内の中心にあるのが大方丈です。
大方丈は1825年に改築され、内部には十一面観世音菩薩の坐像が安置されています。
大方丈の右手の入口にある受付で拝観料を払うと大方丈や庭園、書院を見学する事ができます。
大玄関・血天井
大方丈の左側には大玄関があります。
1616年に徳川家康の三女である正清院の寄進で建築されました。
大玄関は唐破風造りで、徳川家の家紋が輝いています。
大玄関の天井は血天井と云われています。
1200年に梶原景時の一族が鎌倉から出奔し、清見関に差し掛かった時に戦いが行われました。
その時の戦いにより絶命した者の血痕が付いた床板、縁板を供養のために天井に使用しています。
家康公手習いの間
大方丈の内部には家康公の手習いの間があります。
小さな部屋ですが、天下統一を成し遂げる徳川家康が幼い頃部屋で勉学に励んでいたと思うと、感慨深いです。
大方丈には徳川家康公陣中所用の輿も展示されています。
庭園(国の名勝)
大方丈の奥側に庭園があります。
庭園は築山池泉廻遊鑑賞園で、江戸時代初期に山本道斉が作庭しました。
また、徳川家康が清見寺に訪れた際に庭園に五木三石を配置したと伝えられています。
きれいに手入れされており、落ち着いた静かな時間が流れています。
書院
庭園の奥には書院があります。
書院は1876年に建築されました。木曽の檜材を使用し上段8畳は格式高い格天井、東側に床及違棚があります。
明治天皇が東京へ遷都の為赴く際に、この書院の上段の間で休息されました。
現在は市指定文化財となっています。
仏殿
大方丈の左手には仏殿があります。
仏殿は1842年に再建され、正面には釈迦如来の坐像が安置されています。
まとめ
清見寺は徳川家康ゆかりのお寺で、徳川家康公手習いの間や所用の輿が見どころです。
また、名勝の庭園、玉座が保存されている書院、歴史を伝える血天井など多数の見どころがあります。
清見寺ウェブサイト
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