神奈川県鎌倉市にある巨福山 建長寺。
1253年に鎌倉幕府五代執権の北条時頼公が、宋の高僧蘭渓道隆を迎えて創建した、日本で最初の禅宗寺院です。
創建当初は伽藍が一直線状にならんでいましたが、1293年に発生した鎌倉大地震により倒壊、火災により焼失してしまいます。
1325年と1326年には建長寺の再建のために、中国(元)に貿易船を派遣しました。
江戸時代には徳川家の支援により新築、他所からの移築が行われ伽藍が整えられました。
現在でも境内には、鎌倉時代に造られ国宝に指定されている梵鐘や江戸時代に建築された三門、仏殿、法堂、唐門などがあり、見どころとなっています。
建長寺・基本情報、アクセス
所在地:〒247-8525 神奈川県鎌倉市山ノ内8
宗 派:臨済宗 建長寺派
御本尊:地蔵菩薩
拝観時間:8:30~16:30
拝観料:大人500円(高校生以上)、小人200円(小中学生)
ウェブサイト:巨福山 建長寺
建長寺・駐車場
建長寺の総門前に「建長寺専用駐車場」があります。
20台停められる広さの有料駐車場で、トイレは境内にあります。
【建長寺専用駐車場】
利用時間:8:30~16:30
料 金:乗用車600円(最初の1時間支払い、以降30分毎に加算あり)
建長寺・境内
総門
建長寺の入口には総門があります。
総門は1783年に京都の般舟三昧院で建立されたものが、昭和15年に移築されたものです。
大きな屋根が載っている薬医門形式で、軒丸瓦には三つ鱗紋が装飾されています。
三門(国重要文化財)
総門の先に三門があります。
三門は1775年に万拙碩誼和尚により再建された楼門で、大きな建長興國禅寺の扁額が特徴的です。
三解脱門と云い、空、無相、無作を表し、門をくぐる事で執着から解き放たれる事を意味しています。
上層内部には釈迦如来、十六羅漢、五百羅漢が安置されています。
非常に大きな三門で銅板葺の屋根、唐破風の下に掲げられている扁額など迫力があり、見どころです。
梵鐘(国宝)
三門の右手には梵鐘があります。
1255年に北条時頼公の発願により関東の鋳物師である物部重光により鋳造されました。
梵鐘には開山大覚禅師(蘭渓道隆)の銘文が刻まれており、国宝に指定されています。
鎌倉時代に鋳造された貴重な梵鐘は大変貴重で、見どころです。
仏殿(国重要文化財)
三門の奥には仏殿があります。
仏殿は東京の増上寺にあった徳川二代将軍秀忠の正室である、お江の方の霊屋を移築したものとなっています。
内部には御本尊の地蔵菩薩が安置され、格天井には鳥の絵が描かれ荘厳な雰囲気で息をのみます。
江戸時代に建てられた仏殿には鎌倉時代に造られた地蔵菩薩があり、建物と共に見どころとなっています。
法堂(国重要文化財)
仏殿の奥には法堂があります。
法堂は1817年に再建されたもので、住持が僧侶に説法をする場所でした。
内部には千手観音が安置され、天井には小泉淳作画の雲龍図が描かれています。
江戸時代に建てられた仏殿と法堂が直線状に並ぶ様子は圧巻で、見どころです。
唐門(国重要文化財)
法堂の奥、方丈の手前には唐門があります。
唐門は1628年に東京の増上寺で二代将軍徳川秀忠の正室である、お江の方の霊屋の門として建立されました。
1647年に仏殿と共に移築され、方丈の正門として使用されました。
遠くからでも目を惹く金色に装飾された唐門は近くで見ると装飾が細やかな事が分かり、見どころです。
庭園(国史跡、名勝)
唐門の奥には方丈(龍王殿)があり、庭園が隣接しています。
方丈は1732年に建立されたもので、総門と共に京都の般舟三昧院から移築されました。
庭園は開山大覚禅師(蘭渓道隆)が作庭したもので、方丈の見学通路に椅子があるので、ゆっくりと鑑賞する事ができます。
半僧坊
境内奥の山の中腹には半僧坊があります。
1890年に貫道禅師が静岡県の方広寺から勧請しており、祀られている半僧坊権現は火除けや招福の御利益があります。
半僧坊には多数の天狗の像が立っていて、独特な雰囲気となっているので、建長寺に訪れたら見ておきたい場所です。
まとめ
【建長寺の見どころ】
・江戸時代に再建され、建長寺で一際大きく目立つ立派な三門
・鎌倉時代に鋳造され、夏目漱石が俳句を詠んだ国宝の梵鐘
・江戸時代に建てられ、直線状に並ぶ荘厳な内部の仏殿と説法が行われていた法堂
・江戸時代に建てられ、増上寺から移築された金の装飾が目を惹く唐門
ウェブサイト:巨福山 建長寺
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