広島県福山市の福山城です。
1622年に徳川家康の縁者である水野勝成が福山城を築城しました。
西国を監視する為のお城で、交通の要所を押さえた場所にあります。
1698年に水野氏の継嗣がいなかった為、1700年に山形藩の松平氏が城主となります。
しかし、1710年に松平氏は伊勢桑名藩へ移封となった為、阿部氏が宇都宮藩より入封します。
1868年に徳川家の譜代である阿部氏の居城である福山城は、新政府軍に朝敵と見なし攻撃されます。
本格的な戦闘が行われる前に、福山藩の重臣達が新政府軍に掛け合い、恭順を許される事になりました。
現在でも京都の伏見城から移築された三重の伏見櫓や、筋金御門が現存していて再建の天守閣と合わせて見どころとなっています。
当時の天守は五重六階地下一階の天守は北側の壁面に鉄板が貼り付けられていて、異様な姿をしていました。
2022年現在、天守閣は耐震改修、外壁や瓦の補修、北側壁面の鉄板張りの復元の為、工事が行われています。
福山城・基本情報、アクセス
所在地:〒720-0061 広島県福山市丸之内1-8
城 主:水野氏、松平氏、阿部氏
形 式:平山城
文化財史跡:国指定史跡、重要文化財2件(伏見櫓、筋鉄御門)
日本100名城スタンプ場所:福山城天守閣内
福山城・駐車場
福山城公園に隣接する、広島県立歴史博物館の駐車場を利用すると良いかと思います。
また、福山駅が直ぐ近くなので、コインパーキングが周辺に点在しています。
福山駅の直ぐそばにあるので、駅の目の前に石垣が見えます。
駅のホームから伏見櫓、天守閣を見ることが出来ます。
駅から登城してみます。
福山城・二の丸
石垣と土塀
駅から徒歩1分の場所です。
打込接ぎの石垣が綺麗に積まれています。
石垣上の狭間が切ってある土塀も、お城の雰囲気がして良いです。
伏見櫓(重要文化財)
階段を登りきると、伏見櫓が見えて来ます。
伏見櫓は京都の伏見城から移築された、現存の櫓です。
三重三階で白漆喰総塗籠で柱と長押が表に見ているのが特徴的です。
本丸の南西に建てられていて、南側からの来る敵に対して防衛上重要な櫓です。
かなりの大きさがあり、存在感があります。これは必見です。
御湯殿と月見櫓
伏見櫓から少し東に行くと、御湯殿と月見櫓があります。
御湯殿も、伏見城から移築されたものですが、1945年に戦火により焼失してしまいます。
現在の御湯殿は、1966年に復元されたものになります。
石垣から建物が飛び出していて、懸け造りになっているのが珍しいです。
福山城・本丸
筋鉄御門(重要文化財)
本丸へ入り口に筋金御門があります。
筋金御門も伏見城から移築された、現存の櫓門です。
名前の通り門扉に筋金を打ち付けてあり、非常に重厚感がある櫓門です。
筋金御門の向かいには伏見櫓があるので、双方から攻撃出来るようになっています。
本丸への入口なので、防備が徹底されていますね。
伏見櫓(本丸側)
筋金御門を通過し、本丸側から伏見櫓を見てみます。
伏見櫓は通常内部は公開していませんが、文化の日に特別公開しています。
安土桃山時代の伏見城にあった貴重な櫓なので、是非内部公開している時に見学するのが良いかと思います。
鐘櫓(福山市重要文化財)
伏見櫓の近くには鐘櫓があります。
当時は城下町に時刻を伝える鐘が、打ち鳴らされていました。
江戸時代には武士を緊急招集する為の太鼓もありました。
このような櫓は全国的にも見かけない珍しい櫓ですね。ちょっと変わった形の櫓です。
御湯殿(本丸側)
本丸側から見た御湯殿です。
当時はまだ入浴という文化はなく、蒸し風呂として利用されていたようです。
現在は、貸会場になっています。
月見櫓(本丸側)
本丸側から見た月見櫓です。
外観復元された櫓です。
月見という名前ですが、本丸の南東隅に建てられていて、藩主等の到着を見る着見の役目を果たしていたようです。
現在は、御湯殿同様貸会場になっています。
鏡櫓
月見櫓の北側に鏡櫓があります。
本丸の東側にある外観復元された二重櫓です。
現在は文書館になっています。
天守閣(福山城博物館)
本丸の北側に天守閣があります。
五重六階地下一階の層塔型天守に、二重三階の付櫓が付随した複合式天守です。
当時の天守は戦火により焼失しているので、現在の天守閣は1966年に鉄筋コンクリートで復元されたものになります。
内部は博物館になっていて、福山城の模型や甲冑、江戸時代の文書などが展示されています。
【福山城博物館】
所在地:〒720-0061 広島県福山市丸之内一丁目8
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
ウェブサイト:https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyamajo/
景色
天守閣最上階は展望台になっていて、福山市を見渡すことが出来ます。
天守閣より高い建物がなく、とても景色が良いです。
天守閣を出て二の丸の東側へ向かいます。
天守閣(東側)
二の丸東側から見た天守閣です。
ここからも付櫓と天守閣が両方見えるので、格好いいですね。
天守閣(北側)
二の丸北側から見た天守閣です。
当時に建てられた天守は、この北面側の壁一面に鉄板が張られていました。
搦手側の防御力を高める為に付けられたようです。
このような事例は大変珍しいので、見てみたかったですね。
旧内藤家長屋門(福山市指定重要文化財)
お城の北西には旧内藤家長屋門が移築されています。
この長屋門は福山城の外堀に面した、内藤家武家屋敷にあったものです。
戦火を免れた貴重な建物です。
また、福山城の西側には広島県立歴史博物館やふくやま美術館があるので、時間に余裕があれば見学するのも良いと思います。
まとめ
福山城は西国を見張るための重要な拠点であり、徳川家康の縁者である水野勝成を初め、譜代大名が城主を務めて行きました。
そのため、伏見城の貴重な伏見櫓、筋鉄御門が移築され現在まで残されています。
これらの建物を見るだけでも大変価値がある良いお城です。
福山城ウェブサイト
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyamajo/
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