岐阜県恵那市の岩村城です。
1504年頃に遠山氏が標高717mの山地に築城した事が始まりです。
1571年に遠山景任が病死すると、織田信長は5男である坊丸を遠山氏の養子とし、後見人に叔母(おつやの方)を女城主としました。
1572年に武田信玄は遠江に侵攻すると秋山信友に岩村城を攻撃させました。
信長は救援に間に合わず、おつやの方は秋山信友と婚姻するという条件で岩村城は降伏しました。
1575年に織田信忠を総大将として岩村城を攻撃し、5ヶ月に渡る攻防の末岩村城は落城、秋山信友とおつやの方は長良川で処刑されました。
その後、河尻秀隆が城主となりますが、本能寺の変が起こると森氏が城主となり城の改修が行われます。
1599年に田丸氏が城主となりますが、1600年に遠山氏が攻めますが撃退され、田丸氏が改易されると松平家乗が城主となります。
現在でも、山頂の主要な曲輪には多数の石垣が残され、日本三大山城(岩村城、備中松山城、高取城)
の一つに数えられています。
また、山麓には居館跡があり門や櫓が復元され、風情のある城下町が残されています。
岩村城・基本情報、アクセス
所在地:〒509-7403 岐阜県恵那市岩村町字城山
城 主:遠山氏、秋山氏、河尻氏、森氏、各務氏、田丸氏、松平氏
形 式:山城
文化財史跡:県指定史跡
日本100名城スタンプ場所:岩村城歴史資料館受付窓口
岩村城・駐車場
岩村城の麓に岩村城歴史資料館があるので、こちらの駐車場を利用するのが良いでしょう。
山道を極力歩きたくないという方は、本丸直下にも車で登る事ができる道と駐車場があります。
岩村城の魅力を最大限に楽しみたい方は、資料館側から歩いて登るのがオススメです。
岩村城・居館部
太鼓櫓、表御門、平櫓
岩村歴史資料館の手前には太鼓櫓、表御門、平重櫓が復元されています。
この場所には藩主邸があった場所で、当時の建物は明治に焼失してしまいました。
現在の建物は1990年に復元されたものです。門の横に形式の違う櫓があり、風情があります。
岩村城の本丸へ向かう前に、岩村城歴史資料館で予習しておくと良いでしょう。
【岩村歴史資料館】
所在地:〒509-7403 岐阜県恵那市岩村町98
開館時間:4月~11月 9:00~17:00・13月~3月 9:00~16:00
入館料:一般300円・65歳以上200円・高校生以下無料
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始(12月28日~1月4日)
ウェブサイト:https://www.city.ena.lg.jp/soshikiichiran/kyoikuiinkai/shogaigakushuka/8/1/2027.html
岩村城・大手口
登城道
資料館横に本丸への登山道があります。
本丸までは1㎞弱あり坂道が続くので1時間は掛かります。
遺構を見ながらゆっくり歩いて行くと、1時間半くらいは掛かります。
動きやすい服装、飲み物を準備しておくと良いです。
一の門跡
登山道を登り最初にある一の門跡です。
石垣が両脇にあり中央には櫓門が建てられていました。
櫓門の横には一重の櫓が付随していたようです。
すでにこれだけの石垣が残されているのは驚きです。登山道も石畳になっていて趣があります。
石垣を見ながら歩けば、山登りの苦にならないです。
土岐門跡
登って行くと第二の門である、土岐門跡があります。
ここも両脇に石垣が築かれています。綺麗に四角形に積まれているのが面白いです。
昔、城主の遠山氏が土岐氏を打ち破り、城門を移築したと伝わります。
追手門跡、三重櫓跡、畳橋跡
さらに登って行くと第三の門である、追手門跡があります。
当時は追手門の手前の堀切に畳橋が掛けられていました。敵が迫った際に橋をとしてしまえば、門に近付く事すら出来なくなる為、とても厳重な虎口になっていました。
さらに、追手門の横には天守代用の三重櫓が建てられていました。山奥にこれだけの高石垣が積まれていると圧巻です。
岩村城・三の丸
八幡曲輪の石垣
追手門を越えると両側が石垣に挟まれた道があります。
両側には八幡曲輪を初めとし曲輪が連なっています。
この道を登ってくる敵に両側から攻撃出来るような縄張りになっています。
右側の石垣の反りが90°を越えているのがすごいです。
霧ヶ井
城主の霊泉である、霧ヶ井です。
蛇骨を井戸に入れると霧が出てきてお城を包み込み、敵を追い払ったとの逸話があります。
このことから、岩村城は別名霧ヶ城とも呼ばれています。
八幡宮跡
霧ヶ井の向い側には八幡宮跡があります。
石垣で曲輪が2段に連なり、奥側が八幡宮跡です。
少し紅葉している所があり、石垣と合わせて綺麗です。
岩村城・本丸
六段壁
本丸下段の東曲輪の入口に六段壁の石垣があります。ここが岩村城一番の見所です。
石垣が六段に積まれていて、かなりの高さがあり、圧巻です。
石垣を崩れないように補強として築かれたようです。隙間なく綺麗に積まれています。
石垣が綺麗な段々になっています。
打込接ぎや、一部石を加工し隙間が一切なく積む、切込接ぎの技法も見受けられます。
手前の紅葉の木が良いです。秋の紅葉シーズンに訪れるとより一層綺麗に見えることでしょう。
表門跡
本丸手前には本丸表門跡があります。
写真は内側から見た所です。
門跡の両脇に四角く積まれた石垣があり、櫓が建てられていたと思われます。
パズルのように綺麗に組み合わさっていて、見飽きないです。
虎口
本丸への虎口です。
道の中央に門があったとされ、石垣上には櫓や土塀があり、直進して左に折れているので、側面攻撃、背後からの攻撃ができるようになっています。
本丸への入口だけあって、厳重な造りです。
景色
本丸からの景色です。
標高717mもあるせいか日が暑い気がします。
遠くの山が見え、このような山頂にお城を築いてしまのは驚きです。
ベンチがあるので、景色を見ながら休憩出来ます。
埋門跡
二の丸から本丸へ入る為の本丸埋門跡です。
先ほどの虎口と同様に石垣で形成され、左に折れています。
こちらも厳重な虎口になっていて、抜かりはないです。
野面積み、打込接ぎ、切込接ぎと様々な積み方の石垣を見ることが出来ます。
本丸埋門跡を通った先には小さな埋門跡があります。
人ひとり通れる位の幅です。石垣が両側に迫り圧迫感があります。
迷路みたいで面白いです。
岩村城・帯曲輪
高石垣
本丸下段の帯曲輪の高石垣です。
一部切込接ぎで積まれた高石垣が、二段になって積まれています。
当時の石垣の上には二重櫓、西多聞櫓、納戸櫓が建てられていました。
まとめ
岩村城の麓には江戸時代の建物が残っていて、とても情緒があるので、ゆっくり散策するのにオススメです。
岐阜の山奥の山頂に石垣が残る姿は、ミニマチュピチュのようで壮観です。
竹田城が天空の城として有名ですが、岩村城は穴場的なお城で落ち着いて見学出来るので、石垣を堪能する事が出来ます。
岩村城ウェブサイト
http://onna-jyoushu.iwamura.jp/
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