愛知県豊田市にある大桑城(おおくわじょう)。
15~16世紀に巴川と大桑川の合流地点の高所に築城された山城で、城主は河合弥十郎と伝えられています。
城主は平時には麓の居館に過ごし、戦時にはこの城で指揮を執っていたと思われます。
戦国時代に大桑城の周辺は甲斐の武田氏が三河や遠江に進出する為に、城郭の攻防が行われていました。
「東照軍鑑」には1550年に駿河の今川義元に従わない者の中に、河合弥十郎の名前が記述されています。
1565年に徳川家康が大沼、田代へ出陣した際に河合弥十郎を引き付けて帰陣したとあります。
1571年に武田氏が25000の軍勢で足助城や大沼城、田代城を攻め落としたとされ、この際に大桑城も落城したと考えられています。
現在では主郭の虎口、土橋、空堀、土塁が残され見どころとなっています。
大桑城・基本情報、アクセス
所在地:〒444-3207 愛知県豊田市神殿町
城 主:河合弥十郎
形 式:山城
文化財史跡:市指定史跡
日本100名城スタンプ:該当なし
大桑城・駐車場
大桑城の東側の登城口の横に駐車場があります。
5台ほど止められる広さの無料駐車場です。トイレはないので注意が必要です。
大桑城・登城口
駐車場の横に大桑城への登城口があります。
登城口の横には大桑城の説明板があり、主郭までは歩いて5分程掛かります。
登城道は綺麗に整備された道なので歩きやすいです。
道の途中にはドラえもんらしき絵が描かれています。
近くに小学校があるので、子供達が書いたのでしょうか。
大桑城・主郭
土橋
主郭の入口には縄張り図付きの大桑城の説明板があります。
主郭の南側に土橋があり、両側は堀切で隔てられています。
土橋の先、主郭側には土塁が築かれています。
土橋は主郭の中央に築かれていて幅は2m程あり、主郭側が高くなっているので坂道になっています。
城の重要な場所である虎口に築かれている、土橋と堀切が良好に残されているので見どころです。
堀切
主郭の南側の堀切は深さは土橋の近くで5m程、浅い場所では2m程となっています。
堀切の幅は4~8mと広く敵の侵入を防いでいます。
土塁
主郭の南側には土塁が築かれています。
土塁は高さが2~3m、幅が2m、長さは26mにも及んでいて、主郭の唯一の入口がある南側の防備を担っています。
主郭南側の土塁は良好に残されているので、見どころです。
主郭内部
主郭は標高440mに位置し、麓からの高低差は40mあります。
主郭は三角の形になっていて、周囲130m、870㎡の広さがあります。
二の曲輪や三の曲輪はなく、主郭の一段下に帯曲輪が備えられた簡易的な縄張りとなっています。
主郭の西、北、東側は大桑川と巴川に流れていて、後ろ堅固な縄張りです。
主郭の中央には仏像と祠が建てられて、大桑城を守っているかのようです。
大桑城・帯曲輪
主郭の西と東側の一段下がった場所に帯曲輪があります。
帯曲輪は主要な郭の側面に付随する細長い曲輪で、兵士が移動する通路や主要な曲輪に近づく敵を退ける防衛拠点の機能があります。
まとめ
大桑城は主郭の南側の虎口跡に残された土橋、堀切、土塁が見どころです。
駐車場が完備していて、登城道や城内も比較的整備されているので、見学しやすい山城です。
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