愛知県蒲郡市にある上ノ郷城。
初めて築城された時期はハッキリとは分かっていませんが、戦国時代に今川氏の家臣である鵜殿氏の居城でした。
1560年に桶狭間の戦いで今川義元が織田信長に討たれ、松平元康(後の徳川家康)が今川家から独立すると周辺の諸将は松平家に付きました。
今川義元の妹の子である鵜殿長照は寝返る事はなく、今川家に仕えました。
1562年に松平元康が上ノ郷城を攻めますが、自然の要害を利用した堅城である為、中々落とせずにいました。
松平元康は甲賀忍者を使い城内に火を放ち混乱した所を攻めると、鵜殿長照は自刃し、子の氏長と氏次は捕らえられました。
松平元康は今川家の人質となっていた正室の瀬名姫と嫡男竹千代、長女の亀姫を鵜殿氏長、氏次を人質交換しました。
その後、上ノ郷城は久松俊勝や松平康元の城となり、徳川家康が関東に移封されると廃城となります。
現在城跡は大部分がミカン畑となっていますが、主郭などの郭跡、土塁などが残され見どころとなっています。
上ノ郷城・基本情報、アクセス
所在地:〒443‐0007 愛知県蒲郡市神ノ郷町
城主:鵜殿氏
形 式:平山城
文化財史跡:市指定史跡
日本100名城スタンプ:該当なし
上ノ郷城・御城印(蒲郡市博物館)
蒲郡市博物館

上ノ郷城 御城印 1枚300円
上ノ郷城御城印が販売されています。
御城印は蒲郡市博物館の受付で、1枚300円で購入する事ができます。
御城印の表面を擦るとミカンの香りがする特徴的な御城印となっています。
【蒲郡市博物館】
所在地:〒443‐0035 愛知県蒲郡市栄町10-22
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:無料
休館日:月曜日・第3火曜日(祝日の場合は開館)・年末年始(12月28日~1月3日)
竹谷松平家大手門

蒲郡市博物館には竹谷松平家大手門が移築されています。
竹谷松平家大手門は、1612年に蒲形城(旧下ノ郷城)に居を構えた竹谷松平家屋敷の大手門でした。
大手門は1818年に建造された高麗門形式で、1991年にこの場所に移築復元されました。
上ノ郷城・駐車場

上ノ郷城の南東に赤日子神社があり、神社の西側に駐車場があります。
5台程停められる広さの駐車場で、トイレは神社の境内にあります。
ただし、赤日子神社の行事等が行われる際は関係者用が最優先で使用するので注意が必要です。
上ノ郷城・縄張り図

上ノ郷城は南に三河湾を望む丘陵地に築城された平山城です。
主郭を中心に周囲には北郭、東郭、南郭が配置され、東側には兼京川が流れている自然地形を利用しています。
南側には熊ヶ池は上ノ郷城の堀の跡と言われています。
上ノ郷城・登城口
登城道

赤日子神社の駐車場から上ノ郷城までは歩いて5分程で行く事ができます。
駐車場には上ノ郷城の縄張り図付きの説明板が設置されています。

上ノ郷城までの登城道には案内板が設置されているので、迷う事はありません。
登城口

石垣の道を右に行くと上ノ郷城の南側に着きます。
案内板が設置されていて分かり易いです。
上ノ郷城・南郭
土塁

南郭には土塁が残されていて、上には上ノ郷城の石碑が立てられています。
立派な石碑で土塁の上、石碑まで登り道が付いているので近くで見る事ができます。

南郭の土塁は高さが高さが2~3m、長さは10m以上あり、上ノ郷で最も良好に残されている遺構です。
土塁は上ノ郷城の数少ない遺構で、見どころです。
郭内部

南郭は大部分が私有地の畑となっています。
南郭は主郭の南側にあり、恐らく大手口と思われるので重要な郭であったと考えられます。
上ノ郷城・東郭

南郭の先に進むと東郭があります。
東郭は主郭の東側に位置する郭で、ここも畑となっています。
発掘調査により東郭には深さ2.5mのV字の堀が検出されました。
上ノ郷城・主郭
虎口跡

主郭の南側に虎口跡があります。
左側に石垣が築かれていますが、恐らく近代に積まれたものかと思われます。
郭内部

主郭は上ノ郷城の最も高い場所に位置しています。
発掘調査により主郭からは火縄銃の弾丸や金銅製金具、砥石、小皿などが検出されました。
また、柱穴跡から主郭には7~8棟の掘立柱建物があったと考えられています。
景色

主郭の南側は眺望が良く蒲郡の町並みを一望する事ができます。
小高い丘の上に築かれている為、景色が良いです。鵜殿長照も見ていたのでしょうか。
まとめ

上ノ郷城は南郭の土塁、主郭の郭跡が見どころです。
徳川家康が今川家から独立し、自身の妻子を取り戻すキッカケとなった歴史深いお城となっています。
上ノ郷城ウェブサイト:https://www.city.gamagori.lg.jp/site/museum/kaminogo-index.html
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