兵庫県丹波市にある黒井城(保月城)。
1335年に赤松貞範が山頂に砦を築いた事に始まります。
1554年に赤井直正が城主で叔父である萩野秋清を暗殺し城主となり、城の改修を行います。
1576年に織田信長の命を受けた明智光秀が黒井城を攻めますが、赤井直正は波多野氏と協力し撃退します。
1578年に赤井直正が病死すると周囲の城が明智光秀に次々と落とされ、1579年に孤立無援となった黒井城も落城します。
黒井城は明智光秀の家臣である斎藤利三が管理する所となりますが、山崎の戦いで明智光秀が討たれると、丹波国から逃れます。
その後、羽柴秀吉の家臣である堀尾吉晴が城主となりますが、1584年の小牧長久手の戦いの際に赤井直正の弟である時直が黒井城に立て籠もります。
1600年の関ヶ原の戦い後に川勝秀氏が城主となりますが、旗本に取り立てられると黒井城は廃城となります。
現在城跡は国の史跡に指定され、山頂部に本丸、二の丸、三の丸、東曲輪等があり、野面積みの石垣、山頂部からの眺望が良く、見どころとなっています。
黒井城・駐車場

黒井城の南側(興禅寺南側)に「黒井城跡 春日局駐車場」があります。
20台停められる広さの無料駐車場で、トイレも完備しています。
春日局庵という休憩所には、ちょっとした資料も展示されています。

登山口の横には「黒井城跡 無料駐車場」があります。
6~7台程停められる広さの無料駐車場です。トイレも完備しています。
登山口に一番近い駐車場となっています。
黒井城・御城印

黒井城 御城印 1枚300円
黒井城の御城印が販売されています。
「道の駅 丹波おばあちゃんの里」の中にある観光情報センターで、1枚300円で購入する事が出来ます。
観光情報センターでは黒井城のパンフレットや、黒井城を紹介する映像も流れています。
【丹波おばあちゃんの里】
黒井城・続100名城スタンプ

続日本100名城のスタンプは「春日住民センター」に設置されています。
スタンプ設置場所には、ちょっとした資料も展示されています。
【丹波市春日住民センター】
所在地:〒669‐4141 兵庫県丹波市春日町黒井496‐2
開館時間:8:30~22:00
入館料:無料
TEL:0795-74-0225
ウェブサイト:続日本100名城スタンプ「黒井城」の設置場所のご案内

春日住民センターの近くには「春日歴史民俗資料館」があります。
春日市の歴史に関する資料があり、黒井城に関する資料もあります。
【丹波市立春日歴史民俗資料館】
所在地:〒兵庫県丹波市
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:大人210円・中学生100円・小学生50円
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始(12月29日~1月3日)
ウェブサイト:丹波市立春日歴史民俗資料館
黒井城・興禅寺

黒井城の麓には興禅寺があります。
明智光秀が丹波を平定した後、家臣である斎藤利三を黒井城主としました。
斎藤利三は黒井城の麓の下館(興禅寺)に居館を構え、妻子を呼びよせました。

2代将軍徳川秀忠の嫡子である徳川家光の乳母となったお福(春日局)は、この場所で産まれました。
春日局は江戸城大奥の礎を築いた人物で、興禅寺にはお福が初湯に使った産湯の井戸や、腰掛け石となどが残されています。
黒井城・登山口

黒井城の南側に登山口があります。
登山道は「なだらかコース」と「急坂コース」があり、どちらも本丸までは30~40分程掛かります。
「なだらかコース」がオススメですが、「急坂コース」では三段曲輪や太鼓の段などの曲輪跡を経由して本丸に行くことが出来ます。

登り始めると獣避けのフェンスがあるので、自分で開けて中に入り閉めます。
このようなフェンスが主要部の入口にも設置されています。
黒井城・石踏の段

しばらく登山道を登ると赤門が見えて来ます。
赤門のある場所は石踏の段と呼ばれている曲輪跡で、ここまで来れば本丸まで道のりは半分以下となります。
赤門は四阿のような形となっていて景色を見ながら休憩する事が出来ます。
黒井城・東曲輪

黒井城主要部の東側に東曲輪跡があります。
東曲輪は三の丸の手前にある小さな曲輪で、三の丸隅の石垣を見る事が出来ます。
この石垣の上に櫓が建てられていたと考えられていて、野面積みの荒々しい迫力ある石垣となっていて見どころです。
黒井城・三の丸

東曲輪の一段上に三の丸があります。
三の丸は南北28m×東西23m程の広さの曲輪で、二の丸の石垣を見る事が出来ます。
黒井城・二の丸
二の丸内部

二の丸は三の丸の一段上にある細長い曲輪です。
南北40m、東西19m程の広さがあり、当時は南側に櫓が建てられていたと考えられています。
空堀

本丸と二の丸の間には空堀が築かれています。
空堀の本丸側には石垣が残されていて、良く遺構が残されています。
空堀により本丸へは直進出来ないようになっていて、空堀の左側から本丸への虎口に行くように工夫されています。
石垣

二の丸から本丸に行くための虎口は四角い空間が造られていて、側面に石垣が築かれています。
本丸や二の丸などの主郭部を取り囲むように帯曲輪が築かれていて、帯曲輪からこの石垣を見る事が出来ます。
石垣はネットで保護されていますが、高さが3~4m程あり見応えがあります。
黒井城・本丸
虎口跡

二の丸の北西側に本丸の虎口跡があります。
虎口の横には石垣が築かれていて、本丸側から横矢が掛けられるように工夫されています。
本丸に上がる場所には石段が残されていて、当時の虎口の様子が分かります。
本丸内部

本丸は標高356mの猪ノ口山の山頂部に築かれていて、縦48m、横22m程の広さの曲輪となっています。
本丸や二の丸からは軒丸瓦や軒平瓦、鯱瓦などが見つかっていて、斎藤利三や堀尾吉晴時代には瓦葺きの建物があったと推定されています。
景色

黒井城の本丸、二の丸、三の丸などの主要部は周囲の木々がなく、360°景色を見渡す事が出来ます。
大変見晴らしが良く爽快感が有り、黒井城の見どころの一つとなっています。
石垣

帯曲輪からは本丸西側の石垣を見る事が出来ます。
石垣は頂部の2、3段しか残されていませんが、山頂部に石垣が築かれている光景は壮観です。
まとめ

【黒井城の見どころ】
・三の丸南側櫓台の自然の石を使用して築かれた野面積みの石垣
・本丸虎口横に残されている高さ3~4m程の石垣
・本丸、二の丸、三の丸などの主郭部から見渡す事が出来る眺望
ウェブサイト:黒井城跡/丹波市ホームページ
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