群馬県吾妻郡にある岩櫃城(いわびつじょう)。
南北朝時代に吾妻氏により築城されたと云われています。
城主の吾妻太郎行盛は南朝方の里見氏に攻められ自害し城を奪われますが、行盛の子の斎藤憲行が北朝方の上杉憲顕氏の支援を受けて城を奪還します。
1563年に武田信玄は家臣の真田幸隆に岩櫃城攻略を命じ、城主の斎藤憲広は奮闘しますが、落城します。
1574年に真田幸隆が亡くなると子の信綱が岩櫃城主となりますが、長篠の戦いで戦死すると真田昌幸が継承します。
その後、岩櫃城は昌幸の子の信幸が城主となり、1590年に北条氏が滅亡すると沼田は真田氏の支配下になり沼田城に居を移し、岩櫃城は沼田城の支城となります。
1600年の関ヶ原の戦いでは昌幸、信繁は西軍、信幸は東軍に分かれ戦い、岩櫃城には矢沢頼綱が城代となります。
1615年に徳川家康の一国一城令により岩櫃城は廃城となります。
現在では国の史跡に指定され、本丸の空堀、中城の竪堀、武田勝頼を迎えようと築いた潜龍院跡の石垣などが残され見どころとなっています。
岩櫃城・基本情報、アクセス
所在地:〒377‐0801 群馬県吾妻郡東吾妻町原町1965‐2
城 主:斎藤氏、真田氏
形 式:山城
文化財史跡:国指定史跡
続日本100名城スタンプ:平沢登山口観光案内所(4月~11月)
東吾妻町観光協会(12月~3月)
岩櫃城・続日本100名城スタンプ・御城印
岩櫃城 御城印 500円(岩櫃城、密岩神社、金剛院とセット)
岩櫃城の御城印が販売されています。
岩櫃城の北側にある「平沢登山口 観光案内所」で岩櫃城、密岩神社、金剛院のセットで500円で購入する事が出来ます。
続日本100名城のスタンプもこちらに設置されています。
12月~3月の間は「平沢登山口 観光案内所」が休業しているので、群馬町原駅の東吾妻町観光協会でスタンプを押す事が出来ます。
【平沢登山口 観光案内所】
岩櫃城・駐車場
岩櫃城の北側に「岩櫃山平沢登山口駐車場」があります。
60台程停められる広さの無料駐車場です。トイレは「平沢登山口 観光案内所」に設置されています。
岩櫃城の本丸に一番近い駐車場となっています。
岩櫃城の南側に「古谷登山口駐車場」があります。
15台程停められる広さの無料駐車場です。トイレは向かいの古谷集会所に設置されています。
こちらからも岩櫃城に行くことが出来ますが「平沢登山口 観光案内所」よりは遠くなります。
しかし、潜龍院跡に行くには近い場所となっています。
岩櫃城・縄張り図
岩櫃城は標高802mの岩櫃山の中腹に築かれている山城です。
山頂から200m程低い場所に帯曲輪を持つ細長い本丸があります。
本丸の東側に二の丸、更に東側に中城が配置され、各曲輪の周りには横堀や竪堀が巡らされ、堅城となっています。
岩櫃城・登山口
「平沢登山口 観光案内所」の横に岩櫃城への登山口があります。
この平沢登山口から岩櫃城の本丸までは歩いて、25~30分程で行くことが出来ます。
道は整備されているので、登り易い山城となっています。
岩櫃城・中城
中城跡
最初に見えて来るのが中城と云われている曲輪です。
中城は三の丸の南東側にある緩い傾斜地にある曲輪で、岩櫃城でもかなり大きな面積があります。
竪堀
中城の西側に竪堀が築かれています。
竪堀はV字型の薬研堀状となっていて、深さは2~3m程あり、一直線に斜面を落ちて行っています。
竪堀の長さは全長100m以上にも及び、圧巻の遺構で見どころとなっています。
岩櫃城・二の丸
空堀
二の丸に向かう途中に本丸下の空堀を見る事が出来ます。
この空堀は本丸と二の丸の間の堀切、竪堀が繋がったもので、本丸下の横堀となっています。
二の丸跡
本丸の東側に二の丸跡があります。
二の丸は本丸の一段下側にある小さな曲輪となっています。
岩櫃城・本丸
竪堀
本丸と二の丸の間には竪堀が築かれています。
竪堀は深さが2~3m程あり、屈曲しながら落ちて行き、本丸下の横堀へと繋がっています。
本丸と二の丸の間に築かれている竪堀は技巧的で規模が大きく見応えがあり、見どころです。
本丸跡
本丸は標高593mに位置し、東西140m、南北35mの広さがあります。
本丸には25m×15m程の土台跡があり、展望台や指揮台として利用されていたと考えられています。
北桝形虎口跡
本丸には北と南側に桝形虎口が築かれていました。
北側の桝形虎口は現在でも跡があり、四角い桝形の形状を確認する事が出来ます。
岩殿城・潜龍院跡
石垣
岩櫃城の南側には潜龍院跡があります。
1582年に武田家は織田、徳川軍に攻められていて、真田昌幸は武田勝頼を岩櫃城に迎える為に、岩櫃山の麓に御殿を建てました。
しかし、勝頼は天目山で自刃した為、岩櫃城に来ることはなかったですが、現在でも石垣が残されています。
潜龍院跡の石垣は戦国時代の歴史ロマンを感じる事が出来て、見どころです。
石垣と岩殿山
潜龍院跡からも岩櫃山を見ることが出来て、岩櫃城ならではの景観を楽しむ事が出来ます。
古谷登山口の駐車場から歩いて10~15分程で来ることが出来るので、岩櫃城に訪れたら見ておきたい場所です。
まとめ
【岩櫃城の見どころ】
・本丸と二の丸の間に築かれている折れを伴う長大な竪堀
・中城の西側に築かれている長さ100mにも及ぶ一直線に延びる竪堀
・真田昌幸が武田勝頼を迎え入れようと築いた潜龍院跡の石垣
ウェブサイト:岩櫃~大河ドラマ「真田丸」東吾妻町公式ホームページ
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