岩手県二戸市にある九戸城(福岡城)。
明応年間(1492~1501年)に九戸光政が築城したと云われています。
九戸政実は南部信直と南部家宗家の跡目争いになりますが、豊臣秀吉により信直が所領を安著されます。
豊臣秀吉の奥州仕置き後に不満を持つ九戸政実は九戸城で蜂起し、豊臣秀次を総大将とした鎮圧軍と戦います。
九戸政実は6万を超える大軍を相手に戦いますが、降伏し九戸城は落城します。
九戸城は蒲生氏郷により改修され、南部信直に引き渡されて南部氏の本拠地とし福岡城と改名します。
1597年に南部信直、嫡男の信利は盛岡城を築城し完成すると本拠地を移し、1636年に九戸城は廃城となります。
現在城跡は国の史跡に指定、整備され、本丸の堀や石垣、虎口跡、広大な二の丸などが残され見どころとなっています。
九戸城・基本情報、アクセス
所在地:〒028‐6101 岩手県二戸市福岡城ノ内
城 主:九戸氏、南部信直
形 式:平山城・梯郭式
文化財史跡:国指定史跡
続日本100名城スタンプ:九戸城跡ガイドハウス
九戸城・駐車場

九戸城の西側に三の丸跡があり、「九戸城跡ガイドハウス」と「九戸城跡駐車場」があります。
15台程停められる広さの無料駐車場で、トイレも完備しています。
「九戸城跡ガイドハウス」では九戸城に関しる資料やパンフレット、続日本100名城のスタンプが設置されています。
九戸城の御城印は「二戸市埋蔵文化センター」でのみ販売しているので、注意が必要です。
【九戸城跡ガイドハウス】
所在地:〒028‐6101 岩手県二戸市福岡城ノ内
開館時間:4月上旬~11月30日・10:00~15:00
入館料:無料
休館日:冬季休館
ウェブサイト:九戸城跡|いわてのてっぺん「japanの郷 にのへ」
九戸城・御城印
九戸城の御城印が販売されています。
「二戸市埋蔵文化センター」で1枚300円で購入する事が出来ます。
九戸城に関する資料や、縄文時代から江戸時代までの展示もされています。
【二戸市埋蔵文化センター】
所在地:〒028‐6101 岩手県二戸市福岡八幡11‐1
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般50円・小、中学生20円・小学生未満無料
休館日:月曜日・祝日の翌日・年末年始(12月29日~1月3日)
ウェブサイト:二戸市埋蔵文化センター
九戸城・縄張り図

九戸城は西側に馬淵川、北側に白鳥川、東側に猫渕川が流れている丘陵地に築かれた平山城です。
本丸をL字に囲むように二の丸があり、二の丸の北側に石沢館、東側に若狭館、南側に松の丸が配置された梯郭式の縄張りとなっています。また、本丸の西側に三の丸があります。
本丸や二の丸は福岡城へと改修される際に築かれた郭で、本丸南側の堀部や南虎口部には石垣が築かれています。
九戸城・二の丸
切岸

二の丸は城内でも規模が大きい曲輪で、南側は切岸により絶壁となっています。
堀跡からの高さは15m以上はあるかと思われ、いきなり圧倒されます。
大手門脇堀跡

二の丸と松の丸の間には堀跡があります。
堀の幅は60mに及ぶ場所もあり、大規模なものであったと推定されています。
また、城の時期によっては水堀であった可能性もあると云われています。
二の丸大手

二の丸南側の大手口の先に行くと二の丸内部となります。
二の丸は城内でも最大規模の広さを持つ曲輪で、南側に大手口があります。
大手口は福岡城が築城される際に改修され、桝形を持った虎口に変更されました。
二の丸東側

二の丸の東側は堀により区切られていた時期がありました。
堀の間に門跡も確認され西側よりも一段高くなっていて、門の先には主殿の機能を持つ掘立柱建物跡が確認されています。
土塁

二の丸の東側には土塁の展示があります。
土塁は福岡城の普請の際に築かれたもので、高さ1.9m、幅6.5mの規模と推定されています。
土塁の種類や築き方の展示がされていて、面白い展示方法となっていて良いです。
九戸城・本丸
空堀

本丸と二の丸の間には空堀が築かれています。
空堀は本丸の南側と東側に築かれていて、深さ6~7m、幅は10m以上はあるかと思われ当時の城の姿が垣間見れます。
本丸と二の丸の間の空堀はお城の雰囲気が感じられ、見どころです。
石垣

本丸の南側の空堀には石垣が残されています。
石垣は1591年の九戸一揆の跡に蒲生氏郷により築かれたと伝わり、自然の石を使用した野面積みとなっています。
石垣は隅石がなくV字型に崩れている為、1636年の廃城の際に破却されたと考えられています。
本丸南側の石垣は東北地方では珍しく貴重な遺構で、見どころとなっています。
本丸南虎口跡

本丸の南側に虎口跡があります。
虎口は土塁により東西20m、南北15m程の桝形が形成されていて、石垣も一部残されています。
発掘調査により本丸側に櫓門の礎石が確認されていて、厳重な虎口であった事が分かります。
本丸南虎口は桝形跡があり、本丸に入る為の重要な虎口となっていて、見どころです。
本丸内部

本丸は城内で最も高所にあり、東西100m、南北100m程の広さを持つ曲輪です。
発掘調査により福岡城時代の城主が生活した礎石建物跡や、政務を行う掘立柱建物跡、井戸跡などが確認されています。
南東隅や北西隅などには櫓が建てられていた事が分かっています。
本丸追手門跡

本丸東側には追手門跡があります。
追手門は土塁によりクランクしていて、当時は堀に木橋が架けられていました。
南側の虎口と合わせて本丸と二の丸を繋ぐ重要な虎口であったと思われます。
九戸城・石沢館(外館)

二の丸の東側には石沢館跡があります。
石沢館や若狭館などは福岡城以前からの曲輪で、九戸城当初の遺構となっています。
二の丸と石沢館の間には搦手口があり、堀底道を通り石沢館や若狭館、三の丸などに移動する事が出来ます。
まとめ

【九戸城の見どころ】
・本丸南側の空堀に残る東北で珍しく蒲生氏郷が築いたと伝わる石垣
・本丸の東側と南側に築かれている折れを伴う空堀
・本丸南側の石垣が残る土塁で桝形が形成されている虎口跡
ウェブサイト:岩手県二戸市九戸城跡|岩手県二戸市
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