滋賀県野洲市にある小堤城山城。
15世紀末頃に近江守護の佐々木六角氏の家臣である、永原氏が築城した山城です。
永原氏は野洲郡東部を拠点としており、平地には永原城がありました。
三上山の北東に連なる標高286mの城山の山頂部に築かれ、自然石を使用した石垣が多数築かれています。
現在でも主郭跡や主郭の東側の曲輪に残る石垣、堀切などが残され見どころとなっています。
小堤城山城・基本情報、アクセス
所在地:〒520‐2314 滋賀県野洲市小堤
城 主:永原氏
形 式:山城・連郭式
文化財史跡:ー
日本100名城スタンプ:該当なし
小堤城山城・駐車場
小堤城山城の南西側に希望が丘文化公園の駐車場があります。
200台以上は停められる有料駐車場です。普通車1回500円、自動二輪車、原付機付自転車は1回200円となっています。
トイレは公園内にあり、公園の東側にも駐車場があるので駐車場に困ることはありません。
【希望が丘文化公園駐車場 西側】
小堤城山城・縄張り図
小堤城山城は三上山の北東に連なる、標高286mの山頂に築かれた山城です。
主郭は山頂よりやや低い場所にあり、北西側の尾根に多数の段状の曲輪が築かれ、大手口となっています。
南東側の尾根が山頂でこちら側にも多数の曲輪が連なっていて、主郭などの主要な曲輪には石垣が築かれています。
小堤城山城・登城口
希望が丘文化公園の北東側にある草野球場とフィールドアスレチックの間にある道から、登城口に続く道があります。
道の途中には伊勢道、城山と書かれた案内板があるので→の方向へ進みます。
案内板の先へしばらく進むと左手に城山東枯沢登山口の案内板があり、ここが小堤城山城の登城口となっています。
小堤城山城・曲輪24
石垣
山頂である曲輪24の南東側には石垣がのこされています。
石垣は曲輪の隅部に築かれていて、直角ではなく緩やかな鈍角の石垣となっています。
山頂部に連なる尾根上の曲輪では規模が大きい石垣となっています。
山頂
曲輪24が小堤城山城が築かれている城山の山頂となっています。
曲輪24は主郭よりも標高が高い場所にあり、小堤城山城の南側の中心部となっています。
景色
城山山頂からは三上山、通称近江富士を一望する事が出来ます。
三上山は標高432mあり、きれいな稜線の姿は近江富士と云われています。
三上山の手前には希望が丘文化公園があり、高い場所に登ってきた実感が湧きます。
小堤城山城・曲輪15
石垣
主郭の東側にある曲輪15には石垣が多数残されています。
曲輪15の西側の石垣は高さが2~3mあり、全長20m程に渡り残されています。
曲輪15の西側の石垣は、小堤城山城で一番大規模に残る石垣で見どころです。
石段
曲輪15の南西側に石段が残されています。
石段は曲輪15に入る為のもの(虎口跡)と思われ、このような石段は主郭の南側にある曲輪16でも見受けられます。
石垣
曲輪15の北西側にも石垣が残されています。
石垣の高さは2m程で、曲輪15の北西側一面に築かれていた様子があります。
曲輪15の南東側にも少し石垣が残されています。
小堤城山城・曲輪14
堀切
曲輪14と曲輪16の間には大規模な堀切が残されています。
堀切の深さは4~5m、幅は10m程あり、小堤城山城で最も大規模で良好に残されています。
曲輪14と曲輪16の間に築かれている堀切は大きく、迫力があり見どころです。
石垣
曲輪14の北西側隅部には石垣が残されています。
石垣の高さは2~3m程あり、自然石を使用した荒々しい雰囲気があります。
曲輪14の北西側に築かれている石垣は良好に残されていて見どころです。
堀切
曲輪14の北西側には堀切が築かれています。
堀切は深さが3~4m、幅は8~9m程あり、尾根伝いから迫る敵を防ぐ為に築かれていることが分かります。
小堤城山城・主郭
主郭内部
主郭は城山山頂の北側にあります。
主郭は山頂よりも低い場所にありますが、小堤城山城で最も広い曲輪となっています。
石垣
主郭の北西側に石垣が残されています。
石垣は現在見えている所だと、2~3段程積まれている様子が分かります。
大手口にから登って来た敵に備えて築かれていて、防備とともに見せる石垣でもあったかも知れません。
曲輪群
主郭の北西側に延びる尾根には段状の曲輪群が築かれています。
曲輪は大手道の両側に段状に築かれていて、攻める側は非常に厄介な場所であったと思われます。
まとめ
【小堤城山城の見どころ】
・曲輪15の西側に築かれている高さ3m、長さ10m程の石垣
・曲輪14と曲輪16の間に築かれている深さ5m、幅10m程の大規模な堀切
・曲輪14の北西隅に築かれている豪快な石垣
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