大阪府河内長野市にある烏帽子形城(えぼしがたじょう)。
南北朝時代に楠正成が築城した楠七城のひとつで、上赤坂城の支城です。
応仁の乱後は河内守護の畠山氏の城でした。
安土桃山時代はキリシタン大名であった甲斐庄正治が城主となり、一時期中村一氏の支城となります。
大阪の陣の際に甲斐庄正治の子正房が河内の道案内をした功により烏帽子形城主となりますが、1617年に廃城となります。
現在は烏帽子形公園として整備され、曲輪跡、横堀、堀切、土塁などが残され見どころとなっています。
烏帽子形城・基本情報、アクセス
所在地:〒586-0033 大阪府河内長野市喜多町725-1
城 主:楠氏、畠山氏、甲斐庄氏
形 式:山城
文化財史跡:国指定史跡
日本100名城スタンプ:該当なし
烏帽子形城・駐車場
烏帽子形城の南側に「烏帽子形公園駐車場」があります。
10台程停められる無料駐車場です。トイレは公園内にあります。
烏帽子形城・登城口
駐車場から主郭までは歩いて7~8分程で行くことが出来ます。
散策路は比較的整備されているので歩き易いです。
烏帽子形城・主郭
礎石建物跡
烏帽子形城は烏帽子形山の標高181mの山頂に築かれていて、主郭は一番高い場所に位置しています。
主郭からは高野街道や龍泉寺城、金胎寺城、高安山城、高屋城、飯盛城、若江城などを一望する事ができ、要衝に築かれている事が分かります。
主郭には烏帽子形城の説明板が設置されているので、分かり易くて良いです。
主郭には北側と南側に礎石建物跡があります。
礎石とは建物の柱を支える敷石で、柱が沈下や腐食しないようにするものです。
礎石建物跡からは瓦が出土しており、中世と近世城郭の過渡期の城であったことが分かっています。
横堀
主郭の西側には横堀が築かれています。
横堀は堀底から主郭までの高低差は10m程はあり、良好に残されています。
堀底を歩くと迫力が実感できるので、主郭西側の横堀は見どころです。
烏帽子形城・副郭
曲輪内部
主郭の東、南側に副郭(腰曲輪)があります。
主郭の一段下に位置していて、主郭に次ぐ大きな曲輪となっています。
横堀
副郭東側、南側に横堀が築かれています。
横堀は堀底から曲輪の頂部までの深さが10m程あり、大きなものとなっています。
この横堀は主郭の西側まで繋がっていて、発掘調査により曲がり角には2mの障壁が設けられている事が判明しています。
副郭から主郭まで続く巨大な横堀は壮観で、烏帽子形城の一番の見どころです。
土橋
副郭の東側の横堀の切れ間に土橋があります。
土橋は横堀を堀残す形で造られていて、人ひとりが通れる程の道幅となっていて、副郭の入口となっています。
土橋は当時の虎口の様子が分かる遺構となっています。
横堀と土塁
副郭の東側は斜面になっていて、横堀や土塁が築かれています。
横堀は深さが10m程あり、土塁の高さは2~3m程あるかと思われ、この一段下側にも同じ横堀が築かれています。
斜面に弧を描くように築かれた複数の横堀は良好に残されていて、見どころです。
堀切
副郭の北東側の尾根筋に堀切が築かれています。
堀切は深さが7~8m程、幅は底部で3~4m程あり、北東側から近づく敵を防いでいます。
堀切の北側は斜面を落ちて行って竪堀となっています。
烏帽子形古墳
烏帽子形城の北東には烏帽子形古墳があります。
6世紀後半から7世紀頃の円形の形をした円墳で、直径17m、高さ3mの大きさとなっています。
横穴式石室形式で棺を納める玄室と玄室に繋がる通路 羨道があります。
烏帽子形八幡神社
烏帽子形城の東側に烏帽子形八幡神社があります。
素戔嗚命を御祭神とする神社で、本殿は1480年に建立され重要文化財に指定されています。
桁行三間、梁間二間の入母屋造りで、屋根は檜皮葺きとなっていて、朱色の柱が特徴的です。
まとめ
烏帽子形城は主郭、副郭の周りに築かれた横堀、副郭東側斜面に複数築かれた横堀、土塁が見どころです。
散策路が整備されているので城跡だけではなく、古墳や神社も見学すると良いでしょう。
ウェブサイト:烏帽子形城 河内長野市観光スポット
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