三重県亀山市にある鹿伏兎城(かぶとじょう)。
正平年間(1346~1370年)に鈴鹿川一帯を支配した、関氏六代盛政の四男である四郎盛宗により築かれました。
初めの頃は牛谷城と呼ばれましたが、鹿伏兎氏七代定好の時に鹿伏兎城と呼ばれるようになりました。
鹿伏兎定好の子、定長が将軍足利義晴に白鷹を献上すると白鷹城と呼ばれるようになりました。
1583年に九代定義は豊臣秀吉と戦いますが敗れ、鹿伏兎城を去ります。
現在でも標高264mの山頂に城跡があり、主郭の虎口跡や石垣、土塁、井戸が残され見どころとなっています。
鹿伏兎城・基本情報、アクセス
所在地:〒519‐1122 三重県亀山市加太市場1718
城 主:鹿伏兎氏
形 式:山城
文化財史跡:県指定史跡
日本100名城スタンプ:該当なし
鹿伏兎城・駐車場
鹿伏兎城の南東に加太駅があるので、こちらの駐車場を利用すると良いでしょう。
10台ほど止められる広さの無料駐車場です。トイレは駅にあります。
神福寺
鹿伏兎城の説明板
鹿伏兎城の麓に神福寺があります。
神福寺は臨済宗東福寺派、御本尊は薬師如来です。
奈良時代に行基上人がこの地に訪れた際に薬師如来を安置した事に始まります。
山門
1384年に鹿伏兎定俊が東福寺の禅僧を招いて、鹿伏兎氏の菩提寺としました。
境内には鹿伏兎氏の墓石が残されています。
本堂
1381年に創建されたと云われ、1645年に改築されました。
玄関上の2階部分に並んだ花頭窓と玄関横にある鐘が特徴的です。
鹿伏兎城・登城口
登城口の石碑
鹿伏兎城に登城する道は神福寺から斜面を直登するルートと、西尾根から登って行くルートがあります。
神福寺から直登ルートは道は整備されておらず、危険なため避けた方が良いです。
西尾根から登るルートが良く、加太駅から南西に500m程行った所(駅空直ぐ南側の国道25号線)に石碑があり、この奥が登城口となっています。
石碑の奥の道を進むと線路が見えて来ます。
線路は遮断機はなく電車が通過する事があるので渡る際は注意が必要です。
線路の奥の道が登城道になります。
登城道
鹿伏兎城の登城道には案内板はない為、尾根上にある三十三観音を頼りに登って行きます。
また、携帯でグーグルマップを立ち上げ鹿伏兎城を検索して、自分が今どこにいてどちらの方向に行ったらよいか見ながら行くと良いです。
登城口から鹿伏兎城主郭までは20~30分程掛かります。
鹿伏兎城・主郭
石垣
山道を登って行くと主郭の南側にたどり着きます。
主郭の南側には石垣が積まれていて、登って来た安心感とワクワク感が沸き上がってきます。
高さ2~3mの石垣が主郭南側の側面に10m以上に渡り築かれています。
石材は自然石を利用して目地を通さない乱積みと云われる技法で積まれていると思われます。
主郭南側の石垣は良好に残されている為、鹿伏兎城一番の見どころです。
虎口跡
石垣の先へ進むと主郭の虎口跡があります。
虎口跡には鹿伏兎城の説明板が立てられていますが、神福寺にあった内容とほぼ同じです。
虎口は両側と奥側に土塁が設けられ、直進した後右に折れて主郭内部に入る事ができます。
虎口は現在でも良好に残されていて、形状が良く分かります。
折れを設ける事で敵に横矢が掛けられるように工夫されていて、立派な虎口となっています。
主郭の虎口は力を入れて築かれている事を感じ取ることができ、鹿伏兎城の見どころのひとつとなっています。
主郭内部
主郭は東西に細長い郭で、標高264mの山頂に位置しています。
主郭南側には高い土塁、北側にはやや低い土塁が築かれています。
土塁
主郭の南側には高い土塁が築かれています。
土塁は高さが3~4m程あり、主郭の南側全体に渡り築かれています。
石垣や虎口、土塁は全て大手口のある南側に築かれていて、南側の防備に力を入れている事が伺えます。
土塁は良好に残されているので、見どころです。
鹿伏兎城・副郭
副郭内部
主郭の東側に副郭があります。
主郭同様に東西に細長い郭となっていて、広さも主郭と同じ位です。
井戸
副郭には井戸が残されています。
井戸の内側は石積みとなっていて、鹿伏兎城の貴重な水源となっていたようです。
私が訪れた時は草があり確認できませんでしたが、現在でも水をたたえているようです。
まとめ
鹿伏兎城は主郭南側の石垣、折れのある虎口跡、土塁が見どころです。
登城道があまり整備されていない為、時間に余裕をもって登山の装備で見学すると良いと思います。
鹿伏兎城ウェブサイト
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