群馬県高崎市にある高崎城。
高崎城が築城される以前には、平安時代に和田義信が築城した和田城がありました。
室町時代や戦国時代には和田氏は上杉氏や武田氏、北条氏などに属し乱世をくぐり抜けますが、小田原征伐の際に和田城は落城します。
1590年の徳川家康が関東に移封されると家臣の井伊直政は箕輪城に入城しますが、1597年に高崎城を築城し、翌年に高崎城へ移ります。
関ヶ原の戦い後に井伊直政は近江国佐和山城へ移封となると、高崎城は諏訪氏や酒井氏、戸田氏、藤井松平氏と目まぐるしく城主が変わります。
1619年に安藤重信が城主となると3代77年の歳月を掛け、近世城郭へと大改修を行います。
1873年に廃城令により在城となり、第3師官官内分営所、歩兵第15連隊の駐屯地が置かれ、城内の建物は破却や移築されます。
現在城跡には、二重櫓の乾櫓や東門が現存、堀跡や土塁が残され見どころとなっています。
高崎城・基本情報、アクセス
所在地:〒370‐0829 群馬県高崎市高松町
城 主:井伊直政、諏訪氏、酒井氏、戸田氏、藤井松平氏、安藤氏など
形 式:平城・輪郭梯郭複合式
文化財史跡:市指定史跡(三の丸外囲の土居と堀)、県指定重要文化財(乾櫓、東門)
日本100名城スタンプ:該当なし
高崎城・駐車場
高崎城(本丸)の南側に「城址第二地下駐車場」があります。
391台停められる大きな有料駐車場です。トイレも駐車場内にあります。
【城址第二地下駐車場】
営業時間:平日7:30~22:30 日曜、祝日9:00~22:30
料 金:最初の1時間 160円/30分、以降150円/30分
ウェブサイト:城址第二地下駐車場
高崎城・御城印
高崎城 御城印 1枚300円
高崎城の御城印が販売されています。
高崎城の本丸乾櫓から東に歩いて3分の所にある「文開堂書店」で、1枚300円で購入する事ができます。
高崎城以外にも和田城や根小屋城、井伊直政などの御城印が販売されています。
高崎城・縄張り図
高崎城は西側に流れる烏川の淵と崖を利用した後ろ堅固な城郭です。
烏川を背後にして本丸、本丸を取り囲むように二の丸、さらに二の丸を囲むように三の丸が配置されています。
城内の2/3を三の丸が占めていて、土塁に矩形の出枡が設けられているのが特徴的です。
高崎城・三の丸
土塁
三の丸の南東側には土塁と堀が残されています。
土塁は高さが4~5m程あり、三の丸の外周部に築かれています。
現在城址公園のある所は、凸部の形とする事で出枡が造られていて、横矢を意識していることが分かります。
水堀
三の丸の土塁の外側には水堀が残されています。
水堀は7~8m程あり、土塁と合わせて強固な防衛線となっています。
本丸や二の丸の土塁、堀は残されていないので、当時様子を伝える貴重な遺構となっています。
乾櫓(県指定重要文化財)
三の丸の東側には乾櫓があります。
当時の本丸には天守に相当する三重櫓があり、土塁上の四隅には二重櫓が建てられていました。
本丸北西にあった二重櫓がこの乾櫓で、現在は三の丸に移築され現存しています。
乾櫓は梁間二間(3.6m)桁行三間(5.4m)の大きさで、屋根は本瓦葺き、壁は白漆喰塗籠、初層と上階の大きさが変わらない重箱櫓となっています。
乾櫓は高崎城に残る貴重な城郭建築物で、見どころです。
残念ながら内部の見学はできないので、外から見るだけです。櫓下の石垣と横の塀は模擬となっています。
東門(県指定重要文化財)
乾櫓の隣には東門があります。
当時の高崎城には16の門があり、この東門が唯一現存している門となります。
乾櫓と同様に農家に払下げられていましたが、この場所に移築されています。
東門は1798年と1843年の火災により焼失している為、火災後に建てられたものとなっています。
築城当初よりはだいぶ低くなっているとされ、乗馬のままでは通れない様になっています。
東門も乾門と同様に高崎城の貴重な建築物となっていて、見どころです。
石碑
乾櫓の横には高崎城の石碑と説明板があります。
石碑の横には石垣がありますが、当時から残る石垣ではないような印象を受けます。
石垣の上には「飛龍の松」が植えられています。
まとめ
高崎城は三の丸に移築現存している乾櫓と東門が見どころです。
乾櫓は群馬県に現存する貴重な城郭建築物なので必見で、三の丸の土塁や堀も残されているので、当時の様子を垣間見る事ができます。
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