岐阜県山県市にある大桑城。
1221年に逸見義重は承久の乱で功があり大桑郷を領地とし、子の大桑又三郎が大桑城を築城しました。
守護の土岐成頼の三男である土岐定頼が改修し、その後土岐頼純、頼芸が居城としました。
1509年に守護代の斎藤氏が台頭してきたことにより、川手城福光館、枝広館に移ります。
1535年の長良川の洪水により枝広館が流された為、大桑地区に守護所を移し城下町や大桑城を整備しました。
1547年に斎藤道三が侵攻すると土岐頼純は討ち死に頼芸は逃亡し、大桑城は焼かれました。
現在でも標高408mの古城山に曲輪跡があり、主郭付近の山頂にミニチュア天守閣、尾根部に切井戸、番所跡、堀切、石垣が残され見どころとなっています。
大桑城・基本情報、アクセス
所在地:〒501-2101 岐阜県山県市大桑
城 主:土岐氏
形 式:山城
文化財史跡:山麓の「四国堀」は市指定史跡
日本100名城スタンプ:該当なし
大桑城・駐車場(大桑城新登山口、はじかみ林道コース)
大桑城の東側の林道に「大桑城新登山口駐車場」があります。
15台程停められる無料駐車場で、トイレも完備しています。
ここから主郭までは20~30分程かかります。
中腹まで車で来れるため、こちらが時間がかからずオススメです。
大桑城・駐車場(古城山登山口、けんきゃくコース)
大桑城の南側に「古城山登山口駐車場」があります。
30台以上は停められる無料駐車場で、トイレも完備しています。
ここから主郭までは60~90分程かかります。
大桑城・御城印
大桑城 御城印 1枚200円
大桑城の御城印が販売されています。
1枚200円で購入する事ができ、「南泉寺」「十五社神社」「インディアンビレッジ・TWO-SPIRITS」「四国山香りの森公園カフェ・ハーブランド」で購入する事ができます。
十五社神社の場合はお賽銭箱の横に置いてあり、200円を収めて御城印を頂く方式です。
「南泉寺」販売時間:日の出~日没・定休日:なし
「十五社神社」販売時間:日の出~日没・定休日:なし
「インディアンビレッジ・TWO-SPIRITS」販売時間:9:30~19:00 定休日:水曜日
「四国山香りの森公園カフェ・ハーブランド」販売時間:9:00~17:00 定休日:火曜日、12月29日~1月3日
大桑城・縄張り図
大桑城は標高408mの古城山に築かれた山城です。
山頂部に主郭があり、主に南西に延びる尾根上に曲輪が連なっています。
尾根上には堀切や竪堀はもちろん、所々に石垣が築かれていて土岐氏の力が伺えます。
大桑城・登城口
大桑城の登城口は2ヵ所あり、はじかみ林道コースがアクセスし易く、主郭までは20~30分で行くことができます。
登城口には大桑城のパンフレットが設置されているので、ありがたいです。
登城道はロープが張られていて整備されていますが、足場が悪い場所もあるので注意が必要です。
所々に案内板も設置されているので迷う事はありません。
途中にあるマムシ注意の看板が面白いです。正にマムシ注意です。
大桑城・伝猿馬場
曲輪内部
大桑城の南東部の尾根に伝猿馬場があります。
伝猿馬場は細長い曲輪で、帯曲輪や馬ならし場があったと考えられています。
石垣
伝猿馬場の近くに石垣が残されています。
石垣は自然の石を使用した野面積みで、現在は2、3段のみ残されています。
大桑城は石垣が残されている場所に案内板が設置されているので、石垣を探すのが楽しいです。
大桑城・伝台所
曲輪内部
主郭の一段下に伝台所跡があります。
伝台所は700~800㎡の広さがある大きな曲輪で、斜面には補強用の石垣が残されています。
石垣
伝台所から帯曲輪に行くことができ、石垣を見ることができます。
こちらの石垣も野面積みで2、3段のみ残されています。
大桑城・主郭(伝天守台)
主郭内部
古城山の山頂部に主郭(伝天守台)があります。
主郭は伝台所よりも狭い曲輪で、頂上からは岐阜城を見る事ができます。
天守閣
山頂部には天守閣が建てられています。
天守閣は高さが3m程でミニチュア天守閣となっています。
天守閣は地元住民により大桑城のシンボルと建てられた模擬天守閣です。
天守閣と眼下の景色を一望する事ができ、ミニチュアとはいえカッコ良いです。
天守閣は大桑城の一番の見どころです。
庭園跡
主郭の北側には庭園があります。
庭園は岩がむき出しで松がある風景となっています。
足場が悪いので転落しないように注意が必要です。
大桑城・曲輪群
伝切井戸
南西の尾根上に曲輪群が築かれてます。
曲輪群は斜面に小さな曲輪が段々になって連なっています。
曲輪群の近くに伝切井戸への道があります。
伝切井戸への道は急斜面で、ロープを掴みながら降りて行かなければいけません。
切井戸は岩盤を幅1m、奥行き1m、深さ1.6mにくり抜いた井戸で、土岐頼芸が落ち延びる時に金鶏をこの井戸に隠したと云われています。
朝に切井戸から鶏の鳴き声を聞いた者は長生きできると云う伝説があります。
石垣
切井戸近くの斜面には石垣が残されています。
こちらの石垣も数段残されていて、斜面を補強するものと考えられます。
竪堀
曲輪群近くの斜面には竪堀が築かれています。
竪堀は深さが2~3m程で斜面を落ちて行っています。
かなりの急斜面で落ちて行ったらひとたまりもありません。
石垣
曲輪群から南西に行った尾根上に石垣が残されています。
石垣は比較的小さいですが、3m以上に渡り築かれています。
南西の尾根にはもう一カ所石垣が残されている場所があります。
堀切
南西の尾根には堀切が築かれています。
堀切は尾根上に堀を築き、敵が尾根を伝って来れないようにする防御機構です。
当時この場所には木橋が架けられていたと考えられています。
大桑城・伝馬場
曲輪内部
南西の尾根の端に伝馬場があります。
伝馬場は伝台所と同じくらいの広さがある曲輪で、馬ならし場があったと考えられています。
堀切
伝馬場の北西に延びる尾根には堀切が築かれています。
堀切の深さは1~2m程で、中央部を堀残し土橋としています。
堀切と土橋の様子が良好に残されていて、見どころです。
堀切の端部は斜面を落ちて行き竪堀となっています。
土橋を渡り尾根の先から堀切を見ると迫力があります。
大桑城・番所跡
伝岩門
伝馬場の南側に番所跡があります。
岩門には巨石がゴロゴロとしていて、他の場所とは雰囲気が異なります。
岩門は巨石で区画された大桑城の出入り口で、登城する者を監視しています。
岩門横の斜面にも石垣が残されているので、見逃さないようにしましょう。
番所跡の看板にはQRコードが掲載されていて、岩門の発掘調査の様子を動画で見る事ができます。
番所跡、岩門は巨石が残され雰囲気が他とは違い見どころです。
大桑城・四国堀(市指定史跡)
大桑城から南に1㎞程離れた場所に四国堀があります。
四国堀は土岐頼芸が斎藤道三との戦いに備え、越前、尾張、伊勢、近江の四ヶ国の軍勢の加勢を受けて築いたと云われています。
堀は深さが5m、幅は8m、長さは100mに渡り良好に残されていて、見どころです。
まとめ
大桑城は主郭に建てられている天守閣、各所に残る石垣、番所跡(岩門)、四国堀が見どころです。
土岐氏の居城として築かれた大規模な山城で、斎藤道三との戦いも行われた戦国時代が好きな人にはお勧めの場所です。
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