愛知県安城市にある本證寺。
鎌倉時代に慶円上人が創建したと云われています。
15世紀後半には本願寺の蓮如の教化により一向宗に転じ、上宮寺、小鬘寺(しょうまんじ)と共に三河三か寺と呼ばれました。
1563年には寺の不入権(租税免除、治外法権)の侵害が発端となり三河一向一揆が起こり、本證寺も他の三河三か寺と共に領主の徳川家康と戦いました。
徳川家康の家臣である本多正信、渡辺守綱、蜂屋貞次、夏目吉信などの有力家臣が一揆側に付く事態となり、三方ヶ原の戦い、伊賀越えと並ぶ家康三大危機のひとつとして数えられます。
翌年にはいったん和睦しますが、徳川家康から一方的に出された改宗命令を拒否した為、坊主衆は追放、建物は破却されてしまいます。
20年後に家康の叔母である石川妙春尼の尽力により一揆の罪は赦免され、1585年に寺内の住人の租税免除が認められました。
江戸時代には中本山と云われる地位を与えられ、末寺の取りまとめ役を担いました。
現在でも江戸時代に建てられた本堂、鼓楼、裏門、経蔵が現存しています。
特に堀に囲まれた境内の一角にそびえる鼓楼は城郭そのもので、見どころとなっています。
本證寺・基本情報、アクセス
所在地:〒444‐1165 愛知県安城市野寺町野寺26
宗派:浄土真宗 ・ 御本尊:阿弥陀如来立像
文化財史跡:国指定史跡
見学時間:9:00~16:00 ・ 拝観料金:無料
定休日:境内無休
本證寺・駐車場
本證寺の東側(総合食品すずき前)に5台ほど止められる駐車場があります。
しかし、基本的には山門をくぐった先の境内が本證寺参拝者の駐車場になりますので、こちらに駐車するようにしましょう。
トイレは境内にあります。
本證寺・御城印
本證寺城 御城印 1枚300円
本證寺城の御城印が販売されています。
庫裏で1枚300円で購入する事ができます。絵柄は2種類の中から選ぶことができます。
本證寺・境内
鼓楼(市指定文化財)
境内は現在でも水堀に囲まれていて、北東側に鼓楼が建てられています。
鼓楼は1760年に建てられたもので、太鼓を打ち鳴らして時を知らせたり、または物見櫓としての機能もあります。
水堀越しに建つ鼓楼は城郭そのものの景観となっていて、本證寺の一番の見どころです。
鼓楼の上階には花頭窓、下の階は下見板張りと白漆喰塗籠となっていて、見ていて飽きない意匠となっています。
1階の角には小さな屋根の付いた窓があるのが特徴的です。
山門
本證寺の東側に山門があります。
山門は近年に建てられたものと思われ、車で山門を通り中の広場に駐車する事ができます。
本堂(県指定文化財)
境内の中心に本堂があります。
本堂は1663年に再建された入母屋造り、本瓦葺きの建物となっています。
内部には阿弥陀如来立像、慶円上人坐像、聖徳太子立像が安置されています。
内堀
本堂の周りには内堀が残されています。
当時の本證寺は内堀と、外堀の二重の堀に囲まれていました。
本堂を中心に囲むものと、庫裏を囲むものが内堀、更にその2つの堀を囲む外堀がありました。
鐘楼(市指定文化財)
本證寺の南側には鐘楼があります。
鐘楼は1703年に建立され、牛久保の堂宮大工岡田五左衛門が建設に携わっています。
蟇股には龍や獅子、麒麟、虎などの彫刻が施されています。
経蔵(市指定文化財)
鐘楼の隣には経蔵があります。
経蔵は1823年に建立された寺の経典を保管する為の建物です。
下部の腰壁は平瓦を張り付け、白漆喰をかまぼこ状に盛り付けて目地を塞いだ海鼠壁となっています。
海鼠壁は耐火性に優れていて、蔵などに良く使われています。
裏門(市指定文化財)
境内の北側に裏門があります。
裏門は1700年代前半に建てられた薬医門形式の門です。
薬医門は2本の本柱と背後の控え柱に切妻屋根を載せたもので、水戸城や宇和島城の薬医門が有名です。
庫裏
裏門の先には庫裏があります。
庫裏は1830年に再建された建物で、客人をもてなしたり、住職が普段生活する場所でもあります。
本證寺城の御城印はこちらで購入する事ができます。
まとめ
本證寺は三河一向一揆の舞台となった城郭寺院で、水堀に隣接する鼓楼が見どころです。
本堂や鐘楼、経蔵、裏門など江戸時代に建てられた建築物が多数あるので、こちらも見どころとなっています。
本證寺ウェブサイト
https://www.aichi-now.jp/spots/detail/2745/
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