静岡県下田市にある下田城。
北条氏の水軍拠点として玉縄衆の朝比奈孫太郎が在城していました。
1588年天下統一を進める豊臣秀吉と小田原の北条氏との対立が深まると、箱根の山中城と下田城が防衛拠点として取り立てられました。
伊豆郡代の清水康英が下田城の大改修を行い、南伊豆の高橋氏や村田氏などが入城し秀吉の襲来に備えられました。
1590年、豊臣方の長宗我部元親、脇坂安治、九鬼嘉隆らが率いる1万にも及ぶ水軍が下田城を攻撃しました。
城将の清水康英率いる600名の城兵が50日におよび防戦しますが多勢に無勢であり、開城し下田城を去りました。
北条氏が滅亡し徳川家康が関東を支配すると戸田忠次が下田城主となり、子の戸田尊次の時に田原城へ転封となりました。
その後は徳川幕府の直轄領として下田町奉行が置かれると廃城となりました。
複数の入り江が点在する地形に城跡があり、主郭の天守跡や北条氏特有の障子堀、堀切が残されていて見どころとなっています。
下田城・基本情報、アクセス
所在地:〒415‐0023 静岡県下田市三丁目3‐1174
城 主:清水氏、戸田氏
形 式:海城
文化財史跡:市指定史跡
日本100名城スタンプ:該当なし
下田城・駐車場
下田城の北側に「下田公園駐車場」があります。
20台ほど止められる無料駐車場で、トイレも完備しています。
こちらが満車の場合は西隣に「下田市ペリーロード駐車場」がありますが、こちらは有料で1回600円となっています。
下田城・登城道
駐車場から下田城主郭への道があります。
坂道となっていて主郭までは歩いて10~15分程掛かります。
坂道が大変ですが、道の途中には開港記念広場や展望台などがあり景色が良いです。
道も良く整備されているので歩きやすいです。
下田城・主郭
石碑
主郭の下には鵜島城(下田城)の石碑があります。
石碑の近くに下田城の説明板が設置されているので、要チェックです。
奥の階段を登ると天守台跡です。
伝天守台跡
現在、天守台には何も残されていません。
天守が実際に建てられていたかはっきりとは分かっていません。
下田城でこの場所が一番高い位置となるので、天守を建てるには一番とは思われます。
堀切
主郭と二の郭の間には堀切が築かれています。
堀切は深さが6~7m程あるかと思われ、岩盤を削って造られており傾斜がかなり急になっています。
良好に残されているので下田城の見どころのひとつです。
空堀
主郭の南側に空堀が築かれています。
空堀は深さが2~3m、幅も2~3m、長さは8~9mほどあるかと思われます。
このあたりが一番お城の遺構が残されているので、ワクワクしてきます。
障子堀
空堀の先に障子堀が築かれています。
障子堀は深さが2~3m、幅も2~3、長さは10m以上はあります。
堀底には畝を堀り残して造られており、北条氏特有の築城技術となっていて珍しい遺構です。
この主郭南側に築かれている障子堀が下田城で一番の見どころです。
障子堀は下田城の他には山中城、河村城などでも見ることができます。
下田城・二の郭
空堀
主郭の南西側に二の郭があり、二の郭の南側には空堀が築かれています。
空堀は深さが2~3m、幅も2~3m、長さは30m以上はあるかと思われ、二の郭、三の郭まで続いています。
長大な空堀は迫力があります。
堀切
二の郭と三の郭の間には堀切が築かれています。
堀切は深さが5~6m、幅が6~7m程あり、良好に残されています。
堀切は尾根伝いに主郭に近づく敵を阻むもので、お城の基本的な防御機構です。
下田城・志太ヶ浦
展望台
下田城(下田公園)の南西に志太ヶ浦展望台があります。
展望台にはベンチが設置されているので、景色を見ながら休憩することができます。
志太ヶ浦展望台から見る太平洋は絶景です。
海側には視界を遮るものがないので、眼下に広がる太平洋を一望する事ができます。
下田城や下田公園に訪れた際は必見の場所です。
下田城・お茶ヶ崎
展望台
下田城(下田公園)の南側にお茶ヶ崎展望台があります。
お茶ヶ崎には当時物見櫓が建てられていたと云われており、直下の和歌の浦には船溜まりがありました。
下田城が海城であるという事を実感することができます。
お茶ヶ崎展望台からは太平洋と下田海中水族館が見えます。
こちらの展望台も景色が良く風が心地よいです。
ちなみに下田城の東側に馬場ヶ崎展望もあります。
まとめ
下田城は主郭の障子堀、空堀、堀切が見どころです。
障子堀は全国的に見ても数少ない貴重なお城の遺構なので、必見です。
また、志太ヶ浦、お茶ヶ崎などの展望台から見る太平洋は壮観で、こちらも見どころとなっています。
下田城ウェブサイト
https://www.city.shimoda.shizuoka.jp/category/100100midokoro/110769.html
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