お城の紹介をします。
静岡県静岡市の丸子城(まりこじょう)です。
丸子城は南北朝時代~戦国時代に東海道の抑え、今川氏の駿府の西の防衛拠点として、標高136mの三角山に築かれました。
今川氏の家臣である斉藤加賀守が丸子城に入り、防備を固めていました。
1568年に甲斐の武田氏の駿府侵攻により、武田氏の支配下になると、山県昌景が入城し今川氏への備えとしていました。
この頃に丸子城は武田流築城技術により大改修を受け、現在残る三日月堀や横堀、堀切が築かれました。
1582年に徳川家康が駿府を攻略すると丸子城の守備に付いていた武将は退きました。
徳川家康は、松平備後守を入城させますが、関東移封により丸子城は廃城となりました。
現在でも、横堀や堀切、土塁が良好に残され、大手口の三日月堀や本丸、二の丸、三の丸、北の丸の北西に渡る長大な横堀は必見です。
丸子城・基本情報、アクセス
所在地:静岡県静岡市駿河区丸子3210
城 主:斉藤氏、山県氏、松平氏
形 式:山城、連郭式
文化財史跡:なし
日本100目城スタンプ場所:該当無し
丸子城・駐車場
丸子城の東側に駿府匠宿駐車場があります。
150台駐められる大きな駐車場で、1回200円で利用できます。
丸子城の登城口に最も近い駐車場です。
丸子城・登城口
駿府匠宿を少し越えた西側に、丸子城の登城口があります。
案内板の示す道を登る事になりますが、15分程で大手口に到着します。
大手口まではずっと登り道なので、息切れします。
丸子城・縄張り
丸子城は南に東海道を見下ろす、標高136mの三角山に築城されています。
尾根伝いに本丸、二の丸、三の丸などの曲輪群を直線的に並べた連郭式の縄張りで、各曲輪は堀切で遮断されています。
大手口にあたる東曲輪前面には、土橋の横に広大な三日月堀と土塁が築かれています。
本丸、二の丸、三の丸、北の丸の西側には、150mにもなる一直線の横堀と土塁が築かれ、防備を固めています。
丸子城・外曲輪
登城道を登ると最初に外曲輪があります。
小さな曲輪で、城内の兵が集結する為のスペースのようです。
丸子城・大手口(土橋、三日月堀)
大手口には土橋と三日月堀が築かれています。
人ひとり通れる程の傾斜のある土橋を残し、右手には深さ5m程の堀が築かれ、先の東曲輪には土塁が築かれています。
大手口はかなり力を入れて築城されている事が分かり、圧巻の一言に尽きます。
大手口・土橋
土橋の左側は絶壁で、右手は空堀です。
土橋を渡る敵には東曲輪土塁から、横矢を掛ける事ができます。
大手口・三日月堀
大手口の三日月堀は、堀底から東曲輪の土塁の比高は10mほどはあるかと思います。
だいぶ草で隠れてしまっていますが、現地を訪れると圧倒されます。
いきなり丸子城の見どころです。
丸子城・大手曲輪
大手口の土橋の先は大手曲輪(東曲輪)です。
山の斜面に築かれた曲輪で、丸子城主要部の最初の曲輪です。
大手曲輪・竪堀
大手曲輪の北側には竪堀が築かれています。
深さ2~3mほどの深さの堀が斜面に対して縦方向に築かれており、敵が斜面を横移動できないようにする効果があります。
丸子城・北曲輪
大手曲輪の先には北曲輪があります。
北曲輪は丸子城でも本丸に次ぐ大きな曲輪で、今川氏が支配していた時には本丸とされていました。
北曲輪・土塁
北曲輪の外周には土塁が一部残されています。
現在でも2m程の高さの土塁が残され、当時の姿を垣間見る事ができます。
北曲輪・堀切
北曲輪の北側には堀切が設けられています。
丸子城北側から、尾根伝いに迫る来る敵を防ぐ為に築かれています。
深さは4~5m程、幅は4m程はあるかと思います。かなり大規模な堀切で見応えがあります。
丸子城 西側の横堀
北曲輪の西側には横堀が築かれています。
この横堀は北曲輪、三の丸、二の丸、本丸の西側を一直線に築かれていて、長さは150mにも及びます。
丸子城最大の見どころと言えます。
丸子城西側の横堀は深さが2~3m、堀幅は2~3mあります。
横堀の外側には土塁が築かれ、丸子城西側の防備を強めています。
このような横堀が本丸まで続いているので圧巻です。
丸子城・二の丸
北曲輪の南には二の丸があります。
二の丸は北曲輪より一回り小さい曲輪です。
二の丸 西側の出丸
二の丸の西側の横堀の外側には、出丸が設けられています。
丸馬出のような形の小さな曲輪の周囲には堀が築かれ、西側への備えが強化されています。
二の丸の上から覗き込むと、出丸の形がよく分かります。
小さな馬出の様な曲輪です。
本丸と二の丸間の堀切
本丸と二の丸の間には堀切が築かれています。
堀切の深さは5~6m、幅は5m程あり丸子城でも最大規模の堀切で迫力があります。
丸子城は本丸、二の丸、三の丸、北曲輪の曲輪間に堀切を築くことを徹底されていて、驚かせられます。
丸子城・本丸
本丸・枡形虎口
堀切を登って行くと、本丸の入口は枡形虎口になっています。
土塁により四角く枡形の空間が造られ、本丸に近付く敵を撃退します。
現在でも枡形の形が分かるくらい良好に残されています。
大手口の三日月堀、主要曲輪西側の長大な横堀、各曲輪間の堀切ときて最後の最後に枡形虎口。
武田流築城技術、痺れます!
枡形虎口の先には本丸があります。
本丸は丸子城南の最深部に有り、最も広い曲輪となっています。
大手口の枡形虎口の他に、東側に平虎口、西側に喰い違い虎口が設けられています。
本丸・土塁
本丸内部から枡形虎口方面を見ると、土塁が築かれている事が分かります。
高さは2m程で、この土塁上から枡形虎口内部や堀切に迫ってきた敵を、攻撃する事が出来るようになっています。
本丸西側の横堀と竪堀
本丸の西側には馬出的な機能を持つ出曲輪が設けられており、周囲には横堀や竪堀が築かれています。
写真左側が横堀、右側の竪堀は丸子城で最も大規模なものです。
本丸西側は堀や土塁が幾重にも築かれており、厳重な防備となっています。
横堀と竪堀を東側から見ると二重に重なって見えるので、壮観です。
堀や土塁がこれだけ良好に残されていると嬉しくなります。
誓願時
丸子城は武田氏により大改修がされ、大手口の三日月堀と土橋、丸子城西側の長大な横堀、曲輪間の堀切など見どころが満載です。
土造りの山城としての魅力が満載なので、お城好きの人はオススメです。
また、丸子城南西にある誓願寺は、大坂の陣前に豊臣家を存続させる為に奔走した、片桐且元が滞在したお寺になります。
豊臣家と徳川家の間を行き来して、徳川家康になんとか会うために誓願寺に滞在した片桐且元の心境を思うと、居ても立ってもいられなかったでしょう。
丸子城とセットで訪れて見てはいかがでしょうか。
丸子城ウェブサイト
https://www.visit-shizuoka.com/spots/detail.php?kanko=474
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