お城の紹介をします。
静岡県藤枝市の花倉城です。
戦国時代に今川氏が標高297mの山頂部に築いた山城です。
花倉城が歴史の表舞台に出てくるのは、1536年の花倉の乱の時です。
1536年に今川氏の8代当主である氏輝が急死すると、今川義元の家督相続に異を唱えた玄広恵探が福島氏と共に花倉城で挙兵しました。
名軍師の太原雪斎が今川義元に付いていることもあるのか、戦いは今川義元の勝利に終わり9代当主の座に着くことになります。
花倉の乱の最終局面では、花倉城を義元側の岡部親綱が攻めると、玄広恵探は尾根伝いに逃亡し普門庵で自害しました。
現在では、本曲輪の堀切や二の丸の空堀が良好に残り、見どころとなっています。
花倉城・基本情報、アクセス
所在地:〒426-0205 静岡県藤枝市花倉勝谷
城 主:玄広恵探
形 式:山城 連郭式
文化財史跡:市指定史跡
日本100名城スタンプ場所:該当無し
花倉城・駐車場
花倉城に専用駐車場はありません。
花倉城の東側から車1台通れる程の山道を、案内表示を頼りに登って行くと登城口に辿り着きます。
かなり細い道で、軽自動車又は5ナンバーサイズの自動車でないと、かなりキツい道なので注意が必要です。
登城口に車1台ほど駐められるスペースはありますが、駐車場では無い為、自己責任でお願い致します。
なお、トイレはありません。
花倉城・縄張り
花倉城は駿府の西(現 藤枝市)の、標高297mの山頂部に築かれた山城です。
南北に並んだ本曲輪と二の曲輪が主要な曲輪となっており、曲輪間は堀切や空堀で尾根筋を遮断しています。
主要部の南北と東西には尾根が連なり、細長い曲輪が段々に築かれ、こちらも堀切で遮断され、敵の侵入を防いでいます。
縄張りは技巧的ではないですが、戦国時代の山城の姿を現代に伝えています。
花倉城・登城口
登城口には案内板があります。
比較的最近設置されたと思われる案内板の横には、文字がほとんど読めない古い案内板もあります。
ここから主要部までは、15~20分ほどは掛かります。
花倉城・土橋
登城口を入るといきなり土橋があります。
人ひとり通れる程の道幅で、両側は崖になっていて、大人数が襲来しても通れません。
いきなり土橋があるので、幸先良いスタートです。
土橋の先の登城道はかなり傾斜のキツい登り道です。
ふくらはぎ潰しの登り道で、山城の洗礼を受ける事になります。
しばらく登るとまた、土橋があります。
こちらの土橋は、最初の土橋と比べて少し遺構が分かりづらいです。
登って来た山道とさほど変わらない位です。
土橋の先には古道があります。
道が二手に分かれますが、どちらを進んでも直ぐ同じ場所に繋がるので、どちらでも大丈夫です。
花倉城・帯曲輪
山道を登り主要部に近付いて来ると、帯曲輪が見えて来ます。
帯曲輪は二の丸の東側下段に位置する細長い曲輪です。
帯曲輪を通っている間は、高所にある二の丸から側面攻撃を受けることになります。
また、帯曲輪自体が斜面になっているので進みづらく、最初の関門となっています。
花倉城・二の丸
帯曲輪の先へ進むと二の丸があります。
二の丸は本丸と同等程度の広さの曲輪で、花倉城の重要な曲輪となっています。
二の丸は本丸の下段にあり、本丸側には堀切、南側には横堀が築かれ防備を固めています。
土塁
二の丸の外周には土塁が築かれています。
特に東側の土塁が良好に残っており、現在でも1m程の高さがあります。
この土塁上から、先ほどの帯曲輪に来た敵に、射かける事が出来るようになっています。
景色
二の丸の南側の景色です。
藤枝市を眼下に見ることができ、坂道を登って来た甲斐があります。
ベンチもあるので休憩すると良いでしょう。
空堀
二の丸の南側には空堀があります。
空堀と表示がされていますが、堀切と思われます。
深さは1~2m、幅は3~4m程ですが、二の丸は高所に有るため、高低差はもっとあります。
空堀越しに二の丸の方を見ると、二の丸との高低差が分かります。
これだけの高低差があると、敵を防ぐ事が充分可能で、迫力があります。
空堀の両側は斜面へと落ちていきそのまま竪堀となっています。
これだけの防御施設が築かれている事を考慮すると、二の丸がいかに重要な曲輪であるか分かります。
二の丸 南の曲輪
二の丸の南側を進んで行くと細長い曲輪があります。
細長い曲輪の先には、堀切が築かれているようです。
景色
二の丸からの景色も良かったですが、こちらの景色はもっと良いです。
視界が開けているので、絶景です。
遠くには駿河湾が少し見えていて、爽快です。
本曲輪
堀切
二の丸と本曲輪の間には、堀切が築かれています。
深さが2~3m、幅が5~6mほどはあり、大規模な堀切です。
花倉城の一番の見どころとなっています。
二の丸より本曲輪の方が高所に位置している為、高低差がかなりあります。
また、二の丸横の帯曲輪の先がこの堀切に繋がっているので、登って来た敵は堀切内で二の丸と本曲輪の両側から挟み撃ちにされてしまいます。
ここの縄張りは技巧的になっていて、面白いです。
本丸の堀切も両側の空堀が斜面へと落ちていき、そのまま竪堀となっています。
斜面の横移動を防ぎ、二の丸と本曲輪間の堀切内へと誘導するようになっています。
ここの堀切は見応えがあります。
本曲輪内部
二の丸の北側に本曲輪があります。
花倉城でも最も高所で広い曲輪となっているので、二の丸と共に重要な曲輪です。
櫓台跡
本曲輪のやや北側には、櫓台と思われる跡があります。
少し土が高く盛られていて、櫓の様な建物があったのかも知れません。
本曲輪北側の尾根筋をしばらく進んで行った先には、堀切があります。
本曲輪北側からの敵の侵入を防いでいる堀切です。
道がかなり険しい為、あまり見に行くのはオススメしません。
最後に
花倉城は今川氏の後継者争いの舞台となった重要な山城です。
本曲輪と二の丸間の堀切や二の丸の空堀が良好に残っているので、一見の価値があります。
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