高知県高知市にある高知城。
南北朝時代に大高坂山に城が築かれたのが始まりです。
1588年に長宗我部元親が岡豊城から大高坂山城に居城を移しますが、治水に悩まされ3年で浦戸城へ移ります。
関ヶ原の戦いの功により山内一豊が土佐に入封し、1601年から高知城の築城を始めました。
山内一豊は百々越前守安行を総奉行に命じ築城しますが、工事は難航し完成は10年後の二代藩主忠義の時でした。
1727年には大火によりほとんどの建物が焼失し、1749年に天守が、1753年に他の建物が再建されました。
1873年の廃城令により二の丸御殿や三の丸御殿などの建物が破却されました。
現在でも天守や本丸御殿等が現存し、本丸の建築物が全て残されているのは高知城のみで見どころです。
他にも追手門や詰門などの建築物、本丸、二の丸、三の丸の高石垣が残され見どころとなっています。
高知城・基本情報、アクセス
所在地:〒780‐0850 高知県高知市丸の内1-2-1
城 主:山内氏
形 式:平山城
文化財史跡:国指定史跡、重要文化財15件(天守、本丸御殿、追手門、詰門など)
日本100名城スタンプ:本丸御殿入口
高知城・駐車場
高知城の東側に「高知公園駐車場」があります。
65台停められる広さの有料駐車場で、トイレも駐車場に完備しています。
【高知公園駐車場】
営業時間:7:30~18:30
料 金:1時間まで370円・30分延長毎110円
定休日:年中無休
高知城・御城印
高知城 御城印 1枚300円
高知城の御城印が販売されています。
本丸御殿の入口受付で1枚300円で購入する事ができます。
高知城歴史博物館
高知城の東側に「高知城歴史博物館」があります。
「高知城歴史博物館」では高知城の紹介ビデオを初め、高知県の歴史に関する資料が多数展示されているので高知城に訪れた際は必見です。
【高知城歴史博物館】
所在地:〒780‐0842 高知県高知市追手筋2丁目7‐5
開館時間:9:00~18:00(日曜日は8:00~18:00)入館は30分前迄
入館料:企画展開催中 個人700円・企画展がない場合 個人500円
休館日:12月26日~12月31日
ウェブサイト:高知城歴史博物館
高知城・三の丸
追手門(重要文化財)
高知城の大手(入口)には追手門があります。
追手門は1664年に再建された櫓門で、櫓門の前は石垣と土塀で桝形の空間が造られています。
現存の重層な櫓門と天守を一度に見る事ができる追手門は見どころです。
石樋
追手門を潜り石段を登って行くと石垣に石樋が設置されているのが分かります。
高知県は雨が非常に多い地域の為、石垣が崩れないように排水をする為に石樋が設けられています。
石樋は高知城で16ヵ所確認されていて、高知城ならではのものとなっています。
石垣
三の丸には石垣が築かれています。
石垣は自然石を使用した野面積みで積まれ、隅部は長辺と短辺を交互に積む算木積みとなっています。
三の丸の石垣は高さが13mにも及ぶ壮大なもので見どころとなっています。
三の丸の北側にも巨大な石垣が築かれています。
こちらの石垣は割石を使用した打込み接ぎと云われる積み方で、隅部は綺麗に成形された算木積みとなっていて圧巻です。
ここら辺は人が少なく、石垣の表面が苔生していることもあり、落ち着いた雰囲気となっています。
鉄門跡
三の丸の入口には鉄門跡があります。
鉄門は石段を登り切った所に小さな桝形が築かれ、入口の石垣の間には櫓門が建てられていました。
櫓門の扉には鉄板が貼り付けられていた事から鉄門と呼ばれ、当時は桝形には番所があり番人と足軽が詰めていました。
長宗我部期石垣
三の丸には長宗我部期の石垣が残されています。
三の丸は南北85m、東西54mで高知城で最も広い郭で、当時は大書院が建てられていました。
長宗我部期の石垣は高さが2.7m、延長13mあり、現在は一部が見学できるようになっています。
高知城・二の丸
詰門(重要文化財)
本丸と二の丸の間には詰門が建てられています。
詰門は2階建ての門で、1階は東側と西側の扉がずれていて筋違いとなっていて敵が用意に突破できないように工夫されています。
詰門の2階は二の丸から本丸に行くための通路となっていて、内部は畳敷きとなっている部屋があり家老、中老、平侍と詰める場所が分かれています。
詰門は1階と2階の出入り口が違う方向になっている珍しい現存建築物で見どころです。
築山と池
二の丸は本丸の北側、三の丸の西側に築かれています。
三の丸より8m高い場所にあり、当時は二の丸御殿が建てられていて、藩主が政務を行う表御殿と日常の生活を行う奥御殿が連なっていました。
二の丸には築山と池が造られていて、藩主が風雅を楽しむ場所であったと思われます。
高知城・本丸
本丸御殿(重要文化財)
詰門、廊下門を通ると本丸御殿(懐徳館)が正面に現れます。
本丸御殿は日本全国の城郭でも高知城と川越城にしか現存していない貴重な建築物で、書院造りの格式高い場所となっています。(城郭で他に現存している御殿は、二条城、掛川城のみで共に二の丸御殿)
数少ない貴重な本丸御殿は見どころで、内部には上段の間、二の間、武者隠しなどの部屋があります。
納戸蔵(重要文化財)
本丸御殿には納戸蔵が付属しています。
納戸蔵も現存している建築物で、本丸御殿と共に内部を見学する事ができます。
天守(重要文化財)
本丸御殿奥に天守があります。
天守は四重六階の望楼型で、最上階の高欄は徳川家康の許可を得て造られたと云われています。
創建当初の天守は1727年に焼失し、現在の天守は1747年に再建されたものとなっています。
外観は白漆喰、一階には石落とし、屋根は入母屋屋根、千鳥破風、唐破風、更に高欄や突上戸もあり、表情豊かで魅力的です。
一階の下部には全国的にも珍しい忍び返しが付けられています。
掛川城の天守閣にも忍び返しが付いていますが、復元する際に高知城の天守を参考にしたので、こちらがオリジナルで当時の忍び返しが現存している事になります。
日本に十二基しか現存しない天守は貴重で、見どころです。
天守の内部には高知城を築城するときのジオラマを初め、様々な資料が展示されています。
天守の最上階は廻縁が付いているので、外に出て景色を楽しむ事ができます。
天守から本丸の現存建築物を見ると壮観で、良くこれだけ残されているなぁと感心します。
西多聞(重要文化財)
本丸の西側外周部には西多聞があります。
西多聞も江戸時代中期に建てられた現存の建築物で、本丸の西側を守っています。
内部は部屋が2つあり、外壁は分厚い漆喰で火災や風雨から守っています。
東多聞(重要文化財)
本丸の東側には東多聞があります。
東多聞は天守と廊下門の間にあり、西多聞同様に江戸時代に建てられたものとなっています。
内部は3つの部屋があり、本丸の東側を守っている建築物です。
黒鉄門(重要文化財)
本丸の南側の虎口には黒鉄門が建てられています。
黒鉄門は1730年に建てられた現存の建築物で、本丸の南側を守っています。
扉には黒く塗られた鉄板が張り付けされていて、堅固な門となっています。
黒鉄門は右側の矢狭間塀と合わせて厳重な虎口を形成していて、見どころです。
まとめ
高知城は現存する天守を初め、本丸御殿、詰門、廊下門、西多聞、東多聞、黒鉄門などが見どころで、本丸の建築物が完璧に残されている光景は圧巻です。
本丸以外でも重厚な追手門、三の丸の高石垣、石樋などが残されていて、見どころがたくさんある魅力的な城郭となっています。
高知城ウェブサイト:高知城公式ホームページ
高知県のオススメのお城:岡豊城
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