石川県小松市にある小松城。
1576年に一向一揆方の若林長門守により築かれたと云われています。
織田信長の軍により攻められた後は村上頼勝が城主となり、1598年には丹羽長重が城主となります。
1600年の関ヶ原の戦い後は前田家の城となりますが、1615年の一国一城令により廃城となります。
1639年に加賀藩2代藩主の前田利常は小松を隠居地と定め、幕府に特別の許可を得て大改修を行いました。
改修は1658年まで行われ、堀に囲まれた様子は「浮島」と云われ城域は金沢城よりも大きいものとなりました。
前田利常の死後は加賀藩前田家の支城となり城番により管理され、明治維新を迎えました。
現在は三の丸が芦城公園となり、本丸跡の小松高等学校には天守台が残され見どころとなっています。
また、市内の来生寺には小松城内にあった城門が移築されています。
小松城・基本情報、アクセス
所在地:〒923‐0903 石川県小松市丸の内町
城 主:若林長門守、村上頼勝、丹羽長重、前田利常
形 式:平城
文化財史跡:市指定史跡
日本100名城スタンプ:該当なし
小松城・駐車場
小松城(芦城公園)の南側に来庁者専用駐車場があります。
100台程停められる無料駐車場で、市の施設を利用する人の為の駐車場となっています。
トイレは公園内にあります。
小松城・御城印
小松城 御城印 1枚300円
小松城の御城印が販売されています。
市内の那谷寺の門前にある花山亭で、1枚300円で購入する事ができます。
通常版と桜の絵柄が入ったものと2種類あります。
小松城・三の丸
芦城公園
小松城の三の丸は芦城公園となっています。
三の丸は小松城の南東に位置し、当時は南側に虎口が設けられ、侍屋敷が立ち並んでいたと考えられています。
二の丸は三の丸の北側にあり、現在は小松高等学校となっています。
小松市立博物館
三の丸跡には「小松市立博物館」があります。
博物館内には小松城の模型や北前船、九谷焼などの展示があり、小松の歴史を知ることが出来ます。
【小松市立博物館】
所在地:〒923‐0903 石川県小松市丸の内公園町19番地
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般300円
休館日:水曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日、年末年始(12月29日~1月3日)
ウェブサイト:小松市立博物館
前田利常公像
三の丸跡には前田利常公の像があります。
前田利常公は加賀藩祖 前田利家公の四男で加賀藩3代藩主となります。
徳川家康の孫娘珠姫を妻に迎え、加賀百万石の礎を築きます。
また、あやめ池や庭園、茶室などがあり、春には桜、秋には紅葉を楽しむ事ができます。
小松城・本丸
天守台(本丸櫓台石垣)小松市指定文化財
現在本丸は小松高等学校のグラウンドとなっていますが、天守台が残され見学する事が可能です。
天守台の石材は戸室石や蓮台寺、長谷、鵜川から切り出した石を利用し、石と石の隙間が無いように加工して積む切り込み接ぎという工法となっています。
小松城の周辺は沼地となっていますが、天守台の周囲は砂州の西端にあり安定した場所なので、反りがなくほぼ垂直に石垣が積まれています。
天守台は幅が南北20m、東西21m、高さが6mあり、存在感があります。
戸室石を使用した色鮮やかで緻密に積まれた天守台は、小松城一番の見どころです。
天守台の上に登ることができます。
当時の天守台には楼閣風の御三階櫓が建てられていました。
天守台からは北側は日本海、南東方向には遠くに白山を望むことが出来ます。
堀石垣
本丸の西側には堀跡があります。
堀には石垣が残されていて、地上から2mの高さとなっていますが、地下には3.5m程の石垣が埋まっていると推測されています。
石垣は手前の窪んだ所が長さ10m程、奥側の凸部は20m程残されていて、手前の階段横の石垣は近年に積まれたものとなっています。
小松城・移築門
小松城から北東に700m程の所にある来生寺には、小松城の門が移築されています。
城門は長屋形式となっていて、敵の攻撃を防ぐ太い格子窓や、門の内側には番所の住まいが確認できます。
来生寺の移築門は小松城の貴重な建築物で見どころのひとつとなっています。
まとめ
小松城は本丸の戸室石を使用した緻密に綺麗に積まれた天守台(本丸櫓台石垣)や来生寺に移築された城門が見どころです。
実際に三の丸(芦城公園)から本丸の天守台まで歩いてみると、小松城の広大さが実感できて隠居城とは思えないほどの大城郭であった事が分かります。
ウェブサイト:小松城跡 小松市ホームページ
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