お城の紹介をします。
静岡県湖西市の宇津山城です。
1506年~1527年に掛けて、今川氏が浜名湖の西岸に築いた山城です。
今川氏は浜名湖の水運と遠江と三河の国境を見張る為に築かれたお城で、1560年の桶狭間の戦いにより今川義元が討ち死にすると、徳川家康の侵攻を防ぐ為に山頂部に曲輪が改修されました。
徳川氏と今川氏の宇津山城をめぐる攻防が行われ、1569年に徳川方の酒井忠次の攻撃により落城しました。
1571年に武田氏の脅威が迫ると改修整備されましたが、1575年の長篠の戦いにより武田氏が敗れると、宇津山城の重要性がなくなりました。
現在では、正太寺の背後に曲輪群が残されていますが、ほとんどが私有地となっています。
その中でも、西側山頂部の曲輪跡や、土塁内側に築かれた石垣が見学する事ができ、見どころとなっています。
宇津山城・基本情報、アクセス
所在地:〒431-0411 静岡県湖西市入出800
城 主:今川氏、徳川氏
形 式:山城 連郭式
文化財史跡:湖西市指定文化財
日本100名城スタンプ場所:該当無し
宇津山城・駐車場
正太寺横の坂道を登って行くと、頂上付近に車が駐められるスペースがあります。
特に表示が無いため、宇津山城の専用駐車場ではなさそうなので、自己責任でお願いします。
宇津山城・縄張り
宇津山城は、浜名湖の西岸に突き出た半島を利用した山城です。
北、東、南側は湖で陸続きなので西側のみとなっていて、自然の地形を最大限に利用したお城となっています。
案内板の②曲輪群が山頂に位置していて、①の曲輪群は浜名湖に向けてなだらかな尾根続きとなっています。
なお、①の曲輪群は住宅地、私有地となっているため、見学できません。②の曲輪群のみ見学可能となっています。
宇津山城・(1)の曲輪 土塁
②の(1)の曲輪の土塁です。
土塁は曲輪と曲輪の間に築かれていて、高さは2m程となっていて、良好に遺構が残されています。
高く築かれた土塁は迫力があり、宇津山城の見どころのひとつです。
(2)の曲輪内部から見た土塁です。
土塁により、曲輪間の虎口が狭められていて、縄張り図とみると堀切も築かれていたので、厳重な防備となっていたと思われます。
(1)の曲輪の西側には、散策コースと書かれた案内板があります。
宇津山城・(5)の曲輪 石垣
散策コースを進んで行くと、(5)の曲輪の石垣が見えて来ます。
石垣の高さは1m程で高くはありませんが、曲輪の外周に沿って20m程続いています。
戦国時代初期の山城にこれだけの長大な石垣が築かれ、残されているとは驚きです。
宇津山城の見どころです。
(5)の曲輪の外側に行き、石垣が築かれた土塁を見てみると、不思議なことに石垣が築かれていません。
曲輪の内側にだけ石垣が築かれているので謎ですが、土留めの為に築かれたのでしょうか。
宇津山城・(5)の曲輪 土塁
(5)の曲輪の先端部まで行くと、土塁が残されています。
草に覆われていて分かりづらいですが、土塁は1m程の高さがあります。
整備したらもっと良く遺構が見えると思いますが・・・。
正太寺
宇津山城跡には、正太寺が建立されています。
正太寺は曹洞宗のお寺で、境内には弘法大師八十八箇所巡りを模した霊場があります。
正太寺の境内からは、浜名湖を眼下に見ることができます。
浜名湖と空の青が綺麗で、右側の電灯がノスタルジックな雰囲気となっています。
なんともいえない独特な景色です。
最後に
宇津山城は主要部に築かれた、石垣と土塁が見どころです。
また、正太寺から見える浜名湖の景色は爽快で、リフレッシュできます。
宇津山城ウェブサイト
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