静岡県牧之原市の相良城です。
相良城は幕府の側用人、老中を務めた田沼意次が12年の歳月を掛け、1780年に完成した平城です。
萩間川河口に立地し、城域は東西500m、南北450mに及ぶ、近世城郭でした。
しかし、天守は築かれず、代わりに本丸御殿や三重櫓が築かれました。
田沼意次が失脚すると、1788年に幕府の命令により廃城となりました。
現在では、本丸跡に牧之原市史料館が建てられ、田沼家の歴史に関する資料が展示されています。
また、二の丸には土塁、萩間川近くには仙台河岸と云われる石垣が残されています。
相良城・基本情報、アクセス
所在地:〒421-0522 静岡県牧之原市相良283
城 主:田沼氏
形 式:平城
文化財史跡:なし
日本100名城スタンプ:該当無し
相良城・御城印
相良城 御城印
相良城の御城印は、通常販売されていません。
田沼意次像建立記念などの特別な記念日に、牧ノ原市史料館の入場券を購入すると貰う事ができます。
相良城・縄張り
相良城は萩間川の西側に築かれた平城です。
本丸を萩間川に隣接する位置に配置し、北側には荒神曲輪、南には馬場、西側に蔵を配置しそれぞれに虎口を造っています。
蔵のある曲輪の西側には侍屋敷の大きな曲輪を配置する事で、西側の防備を強化しています。
相良城・駐車場
牧ノ原史料館の駐車場があるので、こちらの駐車場を利用すると良いでしょう。
100台程駐められる、無料駐車場です。
相良城・本丸
牧ノ原市史料館
相良城の本丸跡には牧ノ原史料館が建てられています。
相良城や田沼意次に関する資料が展示されているので、大変勉強になります。
史料館の外観もお城風になっているので、面白いです。
【牧ノ原市史料館】
所在地:〒421-0522 静岡県牧ノ原市相良275-2
入館料:大人220円・小人110円
拝観時間:9:00~16:00
休館日:月曜日(祝日の翌日)年末年始(12月28日~1月4日)
https://www.city.makinohara.shizuoka.jp/site/makinohara-life/1583.html
相良城の石碑
史料館の入口付近には、相良城の石碑があります。
文字が独特な書体で書かれていて特徴的です。
当時の本丸には本丸御殿が建てられていて、相良藩の藩政が取り仕切られていたと思われます。
田沼意次像
石碑の横には田沼意次像が建てられています。
田沼意次は1719年に8代将軍徳川吉宗の側近である、田沼意行の長男として生まれました。
16歳の時に徳川家重の小姓となり、1758年には美濃郡上での一揆を収めた事により、相良藩一万石として取り立てられました。
10代徳川家治の時に、側用人、老中を務め、外国貿易の拡大や貨幣の統一などの商業政策を行い、幕府の財政を改善しました。
天明年間になると、度重なる天災で財政が悪化や嫡男の意知が殺害されるなど不運が続き、1786年に失脚してしまいます。
田沼意次は悪いイメージがあるかも知れませんが、相良藩でも商業やインフラ整備を行い相良藩の発展に努め、牧ノ原市では名君として親しまれています。
相良城・二の丸
土塁と根上がり松
本丸の南西には二の丸の土塁と根上がり松があります。
二の丸土塁は高さが2m程あり、相良城でも貴重な城郭遺構となっています。
土塁の上の根上がり松は、強風や高潮から町を守る為に海沿いに植えられていたものです。
相良城・仙台河岸(牧ノ原市指定史跡)
相良城の東の萩間川沿いには、仙台河岸があります。
仙台河岸は、1767年に相良城と海の接続部に築かれた石垣で、仙台藩の伊達家から石材が寄進されたことから名付けられています。
仙台河岸の石垣は、切込接ぎの布積みで隙間なく綺麗に築かれています。
仙台河岸も相良城の貴重な遺構となっています。
史料館からは少し離れた場所にあるので、見落とさないように要チェックです。
最後に
相良城はお城の遺構はわずかにしか残されていませんが、本丸跡にある史料館や二の丸土塁、仙台河岸が見どころとなっています。
相良城では田沼意次の功績を知る事ができるので、イメージとは違った人物像が見えて来るかと思います。
牧ノ原市史料館ウェブサイト
https://www.city.makinohara.shizuoka.jp/site/makinohara-life/1583.html
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