お城の紹介をします。
静岡県掛川市の小笠山砦です。
高天神城の北へ4㎞の標高250mの小笠山山頂に築かれた山城です。
1568年に徳川家康が、掛川城の今川氏真を攻める時にこの小笠山に陣を敷きました。
1581年の高天神城攻めの際には小笠山に砦を築き、利用しました。
現在でも笹峰御殿という曲輪跡が残されており、堀切が良好に残されています。
小笠山砦・基本情報、アクセス
所在地:〒437-1438 静岡県掛川市入山瀬852
城 主:徳川氏
形 式:山城 連郭式
文化財史跡:なし
日本100名城スタンプ:該当無し
小笠山砦・駐車場
小笠山砦の南東を通る県道251から山道を北上して行くと、終点に小笠山砦の駐車場があります。
7・8台程駐められる、無料駐車場です。
小笠山砦・縄張り
小笠山砦は標高250mの山頂付近に築かれた砦です。
東西、南に延びる尾根に曲輪や堀切、横堀、土塁を築いて掛川城や高天神城を攻める際の陣城としています。
一時的な陣城の為か、縄張りはそれほど技巧的ではありません。
小笠山砦・登城道
駐車場の横に小笠山砦への登城口があります。
小笠神社の先に小笠山砦があるのですが、小笠神社への階段が地味に疲れます。
小笠神社
お社
階段を登って先に小笠神社があります。
詳細は不明ですが、山の上に立派なお社が建てられています。
景色
小笠神社からは周囲の山々を見渡す事ができます。
小笠山砦の北へ4㎞ほど先には掛川城、南へ4㎞ほど先には高天神城があり、どちらからもほどよい位置に立地しています。
小笠山砦・笹峰御殿
横堀
小笠神社の横を抜け、先は進むと右手に横堀が見えて来ます。
横堀の深さは1~2m程あり、良好に残されています。
意外と見落としがちなので、注意して歩いて行くと良いでしょう。
堀切
横堀を先へ進むと、笹峰御殿の手前に小笠山砦の標識があります。
標識の横には豪快な堀切が築かれていて、見どころです。
堀切の深さは2~3m、幅は2~3m程で笹峰御殿に迫る敵の侵入を防いでいます。
笹峰御殿側の土塁が高くなっていて、高低差が設けられているので、迫力があります。
内部
堀切の先には笹峰御殿跡があります。
笹峰御殿跡は小笠山砦の南東側に築かれていて、この場所に徳川家康が滞在していたと思われます。
現在は曲輪跡のみで御殿等はありませんが、当時は簡易的な建物が建てられていたのでしょうか。
土橋
笹峰御殿跡の先は両側が切り立った崖になっていて、土橋が築かれています。
土橋の幅は2m位で、現在はフェンスが建てられているので、安心です。
道幅が狭く、大人数が一斉に攻め込む事が出来ない為、重要な防御地点であったと思われます。
多門神社
土橋の先に進んでいくと、多門神社があります。
案内板によると戦国~江戸時代に建立されたみたいです。
小笠山砦・馬出
多門神社の南側には馬出があります。
ハッキリと形は分かりませんが、やや半円状の曲輪のようにも見えなくはないです。
この場所に馬出があったとすれば南西側の尾根から迫る敵に対して、横矢が掛けられるようになっていたと思われます。
小笠山砦・二重堀切
馬出の背後には二重堀切があります。
二重堀切は西側へ延びる尾根に対して築かれていて、それぞれの堀の深さは1~2m程あり、良好に残されています。
小笠山山頂
危険な道
二重堀切のあった先の尾根(北西)の先へ進んでいくと、小笠山山頂があります。
しかし、山頂に行く途中の道がかなり危険で、両側が断崖絶壁で特に右側がかなりえぐれています。
いつ崩落してもおかしくないので、危険と思ったら引き返すのが賢明です。
山頂
小笠山山頂は標高が257mあります。
山頂は少し開けた空間があり、更に先へ進んでいくと六枚屏風という場所があります。
最後に
小笠山砦は徳川家康が掛川城や高天神城を攻略する際に築いた砦で、笹峰御殿手前に築かれた堀切が見どころです。
それぞれの遺構箇所に表示板がないので、お城の遺構なのか自然地形なのかが分かりにくいのが残念んですが、これだけ大規模な砦は見てみる価値はあると思います。
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