静岡県掛川市にある中村砦。
中村砦は武田方の城となっていた高天神城を攻略する為に、徳川家康が築城した砦です。
1574年に高天神城が武田方に奪われた徳川家康は馬伏塚城に拠点を置き、横須賀城を築き、高天神城に備えました。
徐々に高天神城の包囲網を狭めて行き、小笠山に小笠山砦を築きました。
1579年には三井山砦、中村砦を築き、更に翌年には獅子ヶ鼻砦、火ヶ峰砦、能ヶ坂砦を築きました。
中村砦、小笠山砦、能ヶ坂砦、火ヶ峰砦、獅子ヶ鼻砦、三井山砦を合わせて「高天神六砦」と呼ばれました。
六つの砦が築かれた事により高天神城は包囲され兵糧や弾薬などが不足し、更に甲州からの援軍も近づけないようになり、高天神城は落城します。
現在では物見台、兵糧庫、土塁などの遺構が残され、見どころとなっています。
中村砦・基本情報、アクセス
所在地:〒437‐1405 静岡県掛川市中
城 主:大須賀康高
形 式:砦(平山城)
文化財史跡:なし
日本100名城スタンプ:該当なし
中村砦・駐車場
中村砦に専用駐車場はありません。
中村砦の北側にある満勝寺の駐車場をお借りすると良いでしょう。
中村砦
入口
中村砦の南側に入口と説明板があります。
縄張り図付きの説明板なので、砦の全体像が把握できます。
物見台
中村砦の西側は物見台となっていました。
現在でも小高い丘になっていて、神社が建立されています。
堀切跡
入口の正面には堀切跡があります。
中村砦は海抜30m程の丘に築かれていて、丘の物見台のある西側と兵糧庫や腰曲輪がある東側を隔てています。
現在残る堀切跡は近年に改変されたものと思われます。
虎口跡
中村砦の東側には虎口跡があります。
虎口は登り坂になっていて、現在は車が通れるように整備されているようです。
兵糧庫跡
虎口の先には兵糧庫跡(駐屯地)があります。
当時の中村砦の南側には入り江が入り組んでおり、海運により兵糧や弾薬が運搬されていました。
この場所は運ばれてきた兵糧や弾薬を保管していた場所と思われます。
土塁
兵糧庫跡の北側には土塁があります。
土塁は高さ6~8mあり、兵糧庫の北側一帯に渡り築かれています。
土塁は中村砦で一番良好に残されている遺構で、見どころです。
物見台
中村砦の中心には物見台があります。
物見台は中村砦の最高所に位置していて、土塁と合わせて兵糧庫をコの字に囲むような形となっています。
中村砦は高天神城の南東側に近づく武田軍を監視するには絶好の場所をなっています。
獅子ヶ鼻砦
入口
中村砦の北東には獅子ヶ鼻砦が築かれています。
獅子ヶ鼻砦も高天神城を攻略する為に築かれた砦のひとつです。
駐車場は蓮池公園の駐車場を利用すると良いでしょう。
曲輪跡
入口から階段を登って行くと獅子ヶ鼻砦の曲輪跡があります。
獅子ヶ鼻砦は堀や土塁などの遺構は残されておらず、丘の頂上に曲輪跡があるのみです。
夏場は草が生えていて見学するにはキツイ状況となっています。
まとめ
中村砦は兵糧庫跡にある土塁が見どころです。
砦なので遺構はそこまで残されていませんが、高天神城を攻める際に築かれたと砦と実感できる良い遺構です。
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