静岡県榛原郡の小山城(こやまじょう)です。
戦国時代に今川氏が山崎砦を築いた事が、小山城の始まりです。
1568年に武田信玄が山崎の砦を攻略するが、徳川家康は松平真乗に周辺の領地を与え、1570年に山崎の砦を攻略する事に成功します。
1571年には武田信玄が大軍を率いて、山崎の砦を攻略し大熊朝秀を城主とすると、小山城と改名しました。
このころに、小山城は武田氏の大改修が行われ、城郭として整備されました。
武田信玄が無くなると、武田勝頼が跡を引き継ぎますが、長篠の戦いで大敗すると対局が一気に変わり、1582年に甲州征伐が始まると小山城兵は逃げ出し、廃城となりました。
現在では、模擬天守閣が建てられ「展望台小山城」として整備され、武田氏に関する品々が展示されています。
また、丸馬出や三日月堀が整備され、三重堀などの遺構も残されています。
小山城・基本情報、アクセス
所在地:〒421-0303 静岡県榛原郡吉田町片岡2519-1
城 主:大熊氏
形 式:平山城
文化財史跡:なし
日本100名城スタンプ場所:該当無し
小山城・御城印
小山城 御城印 1枚300円
小山城の御城印が販売されています。
「展望台小山城」(天守閣受付)と「しらすのまどぐち」(麓の駐車場横の売店)で1枚300円で購入する事ができます。
御城印が二つ折りの紙の入れ物に入っているのが、質感高くて良いです。
小山城・駐車場

小山城の南に吉田町営駐車場があります。
50台以上は駐められる大きな無料駐車場です。
小山城・本丸

駐車場から丘に登って行くと右手に本丸が見えて来ます。
本丸は現在なにもありませんが、丘の最東端に位置していて、西側には二の丸、三の丸が配置されていて、最深部となっていました。
小山城・二の丸
空堀

本丸と二の丸の間には、空堀が築かれています。
空堀の深さは1~2m、幅は2~3m程あり、現在は赤い橋が架けられていますが、当時は土橋となっていたと思われます。
丸馬出

本丸の虎口の前面には馬出が築かれています。
丸馬出形式となっていて、馬出の前面には弧を描いた土塁、更にその先には三日月堀が築かれています。
近年に再現されたものとなっていますが、丸馬出の形が分かりやすいのが良いと思います。
天守閣(展望台小山城)

二の丸には天守閣が建てられています。
実際に小山城に天守閣は築かれていないので、近年に建てられた模擬天守閣となっています。
内部は小山城に関する資料や甲冑、小山城の模型などが展示されています。
【小山城展望台】
開館時間:9:00~16:30(入場は16:00まで)
拝観料:大人200円・小人100円
定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)・12月28日~1月5日
展望台

展望台からは丸馬出と三日月堀の形がよく分かります。
写真右手が本丸なので、本丸の虎口に丸馬出が築かれている様子が一目瞭然です。
丸馬出は武田氏の特徴的な築城技術で、虎口の守りを固めると同時に、反撃する為の橋頭堡となります。
小山城・三の丸
空堀

二の丸と三の丸の間にも空堀が築かれています。
こちらの空堀は深さが1m、幅は1~2mほどとなっています。
二の丸側にはやや低いですが土塁もわずかに残されています。
三重堀

三の丸の西側には、三重堀が築かれています。
弧を描いた空堀が立て続けに三重に築かれていて、非常に珍しい遺構となっています。

空堀の深さは2~3m、幅は3~4mもあり、ひとつひとつが大きな堀となっています。
三重にも堀を築いてあるので、非常に堅固な守りとなっています。
実際に見るとかなりの迫力があり、この異様な遺構は小山城の一番の見どころとなっています。
勘助井戸

三重堀の横には勘助井戸があります。
詳細は不明ですが、武田信玄に仕えた軍師である山本勘助が関係しているらしい井戸跡です。
最後に

小山城は復元された丸馬出や、現存する三重堀があり、武田氏の築城技術を体感できるお城です。
メジャーなお城とは違って、観光客が多くはないので、のんびり散策するのにオススメです。
展望台小山城ウェブサイト
http://www.town.yoshida.shizuoka.jp/2350.htm
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