滋賀県米原市にある鎌刃城です。
築城された時期は不明ですが、鎌倉時代に土肥元頼が鎌刃城主であった記録が残されています。
応仁・文明の乱(1467~1477年)頃に国人である堀氏が本拠地としていました。
戦国時代になると堀氏は浅井氏に従いますが、織田氏が近江に侵攻すると織田氏に降伏しました。
1574年に堀氏は追放され、鎌刃城は織田氏の支配する所となりますが、まもなく廃城となります。
鎌刃城は江北と江南の境目に位置し、標高384mの山頂に築かれた山城です。
現在でも、尾根上に主郭、北郭、南郭、西郭跡があり、主郭の枡形虎口や北郭の大堀切、大石垣などが見どころとなっています。
鎌刃城・基本情報、アクセス
所在地:〒521-0025 滋賀県米原市番場
城 主:土肥氏・堀氏
形 式:山城・連郭式
文化財史跡:国指定史跡
続日本100名城スタンプ場所:Cafe&Gallery源右衛門
鎌刃城・駐車場
鎌刃城の西側に専用駐車場があります。
6~7台ほど駐められる無料駐車場です。トイレがないので事前に済ませておくと良いでしょう。
また、鎌刃城の南側の山道を登った青龍の滝付近にも駐車スペースがありますが、道が狭くあまりオススメはできません。
鎌刃城・スタンプ、御城印
鎌刃城 御城印 1枚300円
麓にある駐車場あら南に5分程歩いて行くと左手に、Cafe&Gallery源右衛門が見えて来ます。
ここに続日本100名城のスタンプと御城印、パンフレットがあります。
御城印は1枚300円・パンフレットは1枚100円で購入する事ができます。
鎌刃城・登り口
鎌刃城への登り口は複数ありますが、駐車場横の道を左に行き、彦根43番ガードから行くのが良いかと思います。
ここから43番ガードまでは歩いて10分程掛かります。
鎌刃城までは50~60分ほど掛かるので、登山の装備で行きましょう。
夏場には山ヒルが出るため、虫除けスプレー、肌を露出しない服装が必須です。
冬期に登城するのが一番オススメです。
彦根43番ガードには害獣対策の為、フェンスがチェーンで固定されています。
自分でチェーンを解き、中に入ったらチェーンを巻き付け固定しましょう。
43番ガードを進むと鎌刃城の大手口跡があります。
ここから本格的な登山となります。山道の途中に熊よけの鐘があるので、鳴らして行くと良いでしょう。
大手口からつづら折れの山道を20~25分程登って行くと、分かれ道があります。
右に行くと鎌刃城で、ここまで来れば後残り半分ほどで鎌刃城の北郭に着きます。
鎌刃城・北郭
大堀切
山道を登り終わると最初に大堀切があります。
大堀切は北郭の先端部に築かれていて、深さは9m、堀幅は25mもあり鎌刃城で最大級の堀切となっています。
鎌刃城の大手口、北側を守る為に築かれていて、他の堀切とは力の入れ具合があきらかに違いことが容易に分かります。
長い年月により堀切の斜面が緩やかになってしまっていますが、それでも圧倒的な大きさを誇っています。
大櫓跡
北郭に入ると大櫓跡があります。
大櫓が建っていた場所は窪みがあり、礎石が残されていることが確認されています。
7間×7間の半地下式の大櫓が建っていたと考えられています。
北郭の端には簡易的な展望台が建てられています。
展望台からは伊吹山、小谷城、横山城を見る事ができ、鎌刃城が街道付近の要所に築かれていることがうかがえます。
※簡易的な展望台なので登るのには注意が必要です。
枡形虎口
北郭の東側には枡形虎口の跡があります。
石積みで四角い枡形が形成されていて、礎石が発見されていることから薬医門があった事が分っています。
枡形虎口を採用していることから、北側の防備に力を入れていた事がうかがえます。
大石垣
北郭の西側の斜面には大石垣が築かれています。
大石垣は高さ3mほどの野面積みの形式で積まれています。
そこまで急勾配ではないので、土留めか見せる為の石垣だったのかも知れません。
鎌刃城は土造りの山城と思っていましたが、これだけの石垣が築かれていたとは驚きです。
石垣の表面は苔生していて長い年月を感じます。
展望台
北郭の西側にも簡易的な展望台が設置されています。
展望台からは琵琶湖、彦根城、佐和山城を見るとができ、やはり鎌刃城は交通の要所に築かれていることが分かります。
※簡易的な展望台なので登るのには注意が必要です。
鎌刃城・主郭
枡形虎口
北郭の南側に主郭があります。
主郭の北側には石垣で枡形虎口が築かれ、防備を固めています。
枡形虎口の中程には礎石があり、こちらも薬医門が建てられていたことが判明しています。
枡形虎口の石垣は野面積みで、高さは1~2m程あります。
石灰岩を使用し石と石の間に粘土を詰めて固めています。
戦国時代の早い段階でこれだけの石垣を築き、枡形虎口を形成しているとは驚きます。
石垣
枡形虎口の周りにも石垣が築かれています。
石垣の高さは1mくらいですが、主郭の前面10m程に渡って築かれているので見応えがあります。
郭内部・鎌刃城石碑
主郭は鎌刃城で最も広い郭で、尾根の最高所にあります。
主郭の三方向に尾根が延びていて、北郭、南郭、西郭が連なり防備を固めています。
また、主郭の南側には土塁も残されています。
鎌刃城・南郭
堀切①
主郭の南側に南郭があります。
南郭の中間地点には堀切の跡があります。
こちらの堀切は浅いですが、それでもハッキリと遺構が分かります。
堀切②
南郭の先端部には土塁と堀切が築かれています。
鎌刃城の南東から延びた尾根伝いに迫る敵を防ぐ為のもので、かなりの急勾配となっています。
この先は青龍の滝へ続く尾根で堀切が7箇所築かれています。
まとめ
鎌刃城は主郭の枡形虎口、北郭の大堀切、枡形虎口、大石垣、南郭の堀切が見どころです。
交通の要所に築かれた鎌刃城には遺構が良く残されていて、どれも見応えがあります。
西郭の畝状竪堀群や、青龍の滝へ続く尾根の堀切は別のページで紹介したいと思います。
【鎌刃城サブページ】
鎌刃城のウェブサイト
https://www.city.maibara.lg.jp/soshiki/kyoiku/rekishi/shokai/kunishitei/shiseki/2857.html
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