長野県佐久市にある龍岡城(龍岡城五稜郭)。
1863年に三河国奥殿藩の藩主である松平乗謨(まつだいら のりかた)は、分領である信濃国田野口に本領移転と陣屋の新築の許可を江戸幕府から得ました。
松平乗謨は西洋軍学に関心を持ち砲撃戦を意識した稜保式の縄張りを設計し、1864年に築城を開始しました。
1867年に西面、南西面の石垣部分以外は完成し、日本に2つしかない五稜郭(もうひとつは函館の五稜郭)が誕生しました。
廃藩後の1872年に御台所以外の建物は解体され、競売にかけられました。
現在でも堀やはね出しの石垣、御台所が残され、星形(五稜郭)の縄張りが残され見どころとなっています。
五稜郭の全景は田口城にある展望台から見る事ができます。
龍岡城・基本情報、アクセス
所在地:〒384‐0412 長野県佐久市田口3000‐1
城 主:松平乗謨
形 式:平城
文化財史跡:国指定史跡
続日本100名城スタンプ:五稜郭であいの館
龍岡城・駐車場
龍岡城の北にある五稜郭であいの館があり、こちらの駐車場を利用すると良いでしょう。
10台ほど止められる広さの無料駐車場で、トイレも完備しています。
龍岡城・御城印
龍岡城 御城印 1枚300円
龍岡城の御城印が販売されています。
五稜郭であいの館で1枚300円で購入する事ができます。
五稜郭であいの館
五稜郭であいの館では龍岡城に関する資料はもちろん、函館の五稜郭の資料も展示されています。
龍岡城の模型も展示されています。
続日本100名城のスタンプは入口の横に設置されています。
龍岡城の御城印もこちらで購入可能です。
【五稜郭であいの館】
所在地:〒384‐0412 長野県佐久市田口2975‐1
開館時間:9:30~16:00
入館料:無料
休館日:火曜日・年末年始
ウェブサイト:https://www.city.saku.nagano.jp/kanko/spot/meisho_shiseki/deainoyakata.html
龍岡城・五稜郭
大手門跡
龍岡城の北東に大手門があります。
橋の手前に龍岡城の縄張り図付きの説明板が設置されています。
大手門には橋が架けら堀を渡ると五稜郭の内部となります。
当時は橋を渡った先に門があり虎口を形成していたと思われます。
稜保の外周部には土塁が築かれていて一段高くなっていて、横矢が掛けられるようになっています。
石垣
龍岡城の石垣は周囲の山々で採れた溶結凝灰岩(佐久石)を使用しています。
大手門付近の石垣は接合面を削り隙間なく積む切込み接ぎと云われる工法で、横に目地が通る布積みとなっています。
石垣の高さは堀底から3.5m程で、勾配はほとんどなく垂直に近い形となっています。
堀幅は7m程で、大手門付近のみ9mあり厳重な防備となっています。
堀の中には鯉が泳いでいました。
西側の石垣は近くで見る事ができます。
石垣の頂部をせり出し敵が登れないようにする「はね出し」が設けられています。
また、布積みではなく亀甲積みに近い積み方がされていて、美しい石垣となっていて見どころです。
郭内部
稜保内部には田口小学校があります。2023年3月に閉校するようです。
当時は藩主が政務を執る御殿や藩士が詰める小屋や番屋、太鼓楼、火薬庫などが建てられていました。
1871年の廃藩により建物は入札払下げまたは、取り壊しとなりました。
御台所
龍岡城には取り壊しを免れた御台所が現存しています。
御台所は文字通り食事の調理が行われていたと思われ、本来あった位置より西側に移動しています。
実際に目にすると思っていてより大きく迫力があり、龍岡城の貴重な建築物で見どころです。
御台所は通常は内部を見学する事はできません。
しかし、5月の長期連休の数日に公開しています。また、事前予約(20名以上)する事でも見学できるようです。
黒門跡
五稜郭の北側には黒門跡があります。
土塁を欠き切通りとした門で、通路の両側には石垣が積まれています。
桝形門跡
龍岡城から北に200m程の所に桝形門跡があります。
桝形門跡は龍岡城の北の入口にあり、石垣で桝形が形成されています。
切込接ぎに近い形で積まれた石垣が残されていて、龍岡城の見どころのひとつとなっています。
当時は門が建てられていたのかも知れません。
龍岡城の五稜郭から少し離れた場所にあるので、見落とさないように要チェックです。
高札場(佐久市文化財)
龍岡城から東に300m程の所に龍岡藩高札場があります。
高札場は法度や掟などを書き領民に周知していた場所で、佐久市の文化財に指定されています。
また、周囲には白壁の土蔵や板塀などが建っている場所があり、趣のある通りとなっています。
五稜郭展望台
龍岡城から北に100m程の所に、五稜郭展望台への登山口があります。
五稜郭であいの館に分かりやすいマップがあるので確認すると良いでしょう。
登山口から展望台までは歩いて30分位掛かります。
展望台の北西方面から車で通れる山道を進んで行く方法もあるようですが、狭い道が続くので注意が必要です。
山道の途中には所々に展望台への案内板が設置されているので、迷うことはないと思います。
急な坂道となっている場所があるので、歩きやすい靴や飲み物は必須です。
山道を登り切ると未舗装の林道にでて右に行くと、五稜郭展望台へ残り100mの案内板が見えて来ます。
ここまで来れば展望台は目前です。
簡易的な手すりがある場所が五稜郭展望台です。
田口城跡に展望台が設置されています。
展望台から龍岡城五稜郭を一望する事ができます。
白い建物が田口小学校で周囲に堀があり、星形になっている様子が分かります。
展望台から見る五稜郭は綺麗な星形になっていて、見どころです。
函館の五稜郭と比べると小ぶりな五稜郭ですが、日本に2つしかない貴重な五稜郭です。
であいの館で展望台から見た五稜郭の写真が展示されていますが、やはり実際に見てみると良いと思います。
まとめ
龍岡城は稜保部分に切込接ぎで積まれた「はね出し」付きの石垣と堀、龍岡城の貴重な建築物である「御台所」が見どころです。
五稜郭展望台から見る星形の縄張りは壮観で、日本に2つしかない貴重な史跡を堪能する事ができます。
桝形門跡も忘れずに見学すると良いと思います。
龍岡城ウェブサイト
函館の五稜郭のページ
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