香川県高松市にある高松城(玉藻城)。
1587年に豊臣秀吉から讃岐一国を与えられた生駒親正が、翌年から築城した水城です。
縄張りは黒田孝高または、細川忠興と云われ、瀬戸内海の海水を堀に引き入れ、日本三大水城のひとつに数えられています。
1640年に生駒騒動と云われる御家騒動により、出羽国矢島に1万石に転封となりました。
1642年に松平頼重が常陸国下館から、東讃岐12万石の領主として入城しました。
松平頼重は徳川家康の孫で徳川光圀の兄にあたり、中国、四国地方の監視を担っていました。
松平氏が代々城主を務め、1869年の版籍奉還に伴い廃城となります。
現在でも外堀と内堀に海水が引き込まれていて、現存の三重櫓である月見櫓、艮櫓があり、見どころとなっています。
また、天守台や桜御門、鞘橋が復元され広大な水堀、石垣と合わせて当時の城郭を垣間見る事ができます。
高松城・基本情報、アクセス
所在地:〒760‐0030 香川県高松市玉藻町2‐1
城 主:生駒親正、松平頼重 等
形 式:水城(平城)、輪郭式
文化財史跡:国指定史跡、重要文化財(月見櫓、水手御門、渡櫓、艮櫓、披雲閣)
日本100名城スタンプ:高松城東門、西門
高松城・駐車場
高松城の東側に「玉藻公園専用駐車場」があります。
57台停められる無料駐車場です。トイレは高松城内(玉藻公園)にあります。
【玉藻公園専用駐車場】
利用時間:4月~9月 7:00~18:00
10月~3月 8:30~17:00
料 金:無料
高松城・御城印
高松城 御城印 1枚300円
高松城の御城印が販売されています。
高松城(玉藻公園)の東門の受付で、1枚300円で購入する事ができます。
また、西門の受付、披雲閣管理事務所窓口でも購入する事ができます。
【高松城・玉藻公園】
開園時間:東門 4月~9月 7:00~18:00
10月~3月 8:30~17:00
入園料:大人(16歳以上)200円・小人(6歳以上16歳未満)100円
休園日:12月29日~12月31日
ウェブサイト:高松城【玉藻公園】公式ウェブサイト
高松城・縄張り図
高松城は瀬戸内海に面する野原と呼ばれていた場所に築かれていて、内堀、中堀、外堀に海水を引き込んだ水城です。
現在は城の西側や南側が消失していますが、当時は本丸を中心に北側に二の丸、東側に三の丸、三の丸の北側に北の丸、東側に東の丸、本丸の西側に西の丸、南側に桜の馬場、桜の馬場の南側に外曲輪がある広大な城郭でした。
高松城・桜の馬場
旭橋、旭門
桜の馬場の東側には旭橋が架かり、橋の先には旭門があります。
かつては桜の馬場の南側の中央部に大手門がありましたが、1671年に藩主の住居である旧披雲閣が建てられた為、桜の馬場の東側に旭橋と旭門が建てられました。
旭門は高麗門形式で門のそばに玉藻公園(高松城)の受付があります。
桝形
旭門の先には大きな石材を使用した桝形が築かれていて、登城する人を圧倒させます。
かつては桝形の南側に太鼓御門があり、北側には埋門が現在でも残されています。
高松城でも最大級の石材を使用した桝形は迫力があります。
艮櫓(重要文化財)
桜の馬場の南東隅に艮櫓があります。
艮櫓は1677年に建てられた三重三階の現存の櫓で、かつては東の丸の北東隅に建てられていました。
水堀越しの石垣の上に建つ現存の艮櫓(三重櫓)は貴重で存在感があり、見どころです。
1965年から2年の歳月を掛けて、東の丸から桜の馬場の旧太鼓櫓跡に移されました。
艮櫓は外壁は全て白漆喰塗籠、初重に大きな千鳥破風があり、城外側の三か所には袴腰型の石落とし、各階には狭間が多数切られていて戦闘的な櫓となっています。
残念ながら基本的に内部の見学はできません。
高松城・三の丸
桜御門
桜の馬場から三の丸に入る入口には桜御門が復元されています。
当時の桜御門は1945年の高松空襲で焼失しましたが、2022年に再建された櫓門です。
三の丸の入口に堂々と立つ桜御門は、現在の高松城で一番大きな門で見どころです。
桜御門の2階部分は毎週土、日、祝日の9:00~16:00の間で公開されているので、必見です。
披雲閣(重要文化財)
三の丸の中心部に披雲閣があります。
披雲閣は1917年に建てられた和風建築物で、当時の披雲閣は2倍程の大きく藩の政庁と藩主の居住場所でした。
現在は会議や茶会、貸会場として利用されていて、正面の入口の右側に披雲閣管理事務所窓口があります。
陳列館
三の丸の南西側に陳列館があります。
陳列館では高松城や高松藩主の資料が多数展示されている資料館で、天守の写真を見る事ができます。
公園の入園料のみで追加料金等はないので、見逃さないようにしましょう。
披雲閣庭園(名勝)
披雲閣の北側には庭園があります。
庭園は1917年頃に造営された枯山水式庭園で、名勝に指定されています。
大きく立派な松が多数あり、武家らしく豪快な庭園となっています。
高松城・北の丸
月見櫓・水手御門・渡櫓(全て重要文化財)
北の丸の西側には月見櫓、水手御門、渡櫓があります。
月見櫓は1676年に建てられら三重三階の現存の櫓で、船の監視と藩主が江戸から船で帰られるのを見た事から着見櫓とも云われています。
水手御門と渡櫓も現存の城郭建築物で月見櫓と並ぶ姿は高松城一番の見どころです。
月見櫓には続き櫓が付属していて、毎週日曜日に月見櫓の内部見学をする事ができます。
当時は櫓の外側は海となっていて、水手御門から船で行き来がする事ができました。
高松城が日本三大水城のひとつに数えられている事が感じられる場所となっています。
時報櫓
北の丸、三の丸の北側には時報櫓があります。
時報櫓は1653年に藩主松平頼重が城下の人々に時を知らせる為に、大阪で造らせた櫓です。
小学校や玉藻公園に移されながら、1890年に現在の場所に移築されました。
高松城・二の丸
水門
当時の高松城は内堀、中堀、外堀と三重の堀で囲まれていましたが、明治時代の埋め立てにより外堀が消失しています。
現在では水門から国道30号の地下を通り海と繋がっていて、潮の干潮により堀の水位が変化します。
水門では城船体験が有料であり、内堀に出て天守台を水堀から真近に見る事ができます。
鉄門
二の丸と三の丸の間には鉄門跡があります。
鉄門は石垣上の上に渡る櫓門形式で、鉄門の名前の通り鉄張りの門となっていました。
高松城・本丸
鞘橋
二の丸と本丸の間には鞘橋が架けられています。
築城当時の鞘橋はらんかん橋と云われ屋根が無い形式でしたが、江戸時代に改修が行われ屋根付きの橋となりました。
また、大正時代に橋脚が木製から石製に変更されています。
地久櫓跡
本丸の南西には地久櫓跡があります。
「高松城下図屏風」によると地久櫓は二重二階の瓦葺き、外壁は黒色で天守に次ぐ重要な櫓と考えられています。
残念ながら地久櫓は明治時代に解体されてしまいました。
天守台
本丸の東側に天守台があります。
天守台は高さ13mの石垣で造られていて、隅部はきれいな算木積みとなっています。
天守台は2006年から解体修理が行われ、2013年に一般公開されています。
水堀越しに見る天守台は想像していた以上に高く、迫力があり見どころです。
かつて天守台には南蛮造り(最上階が下の階より大きく張り出している)の三重五階の天守が建てられていました。
松平頼重が生駒氏時代の天守を改築した残されていましたが、1884年に老朽化により解体されてしまいます。
当時の天守の高さは28.6m、天守台と合わせると41.6mとなり四国最大の天守を誇っていました。
高松城・東の丸
香川県立ミュージアム
東の丸には香川県立ミュージアムがあります。
香川県立ミュージアムでは香川県の原始~近代までの歴史や高松松平家の歴史、弘法大師空海の生涯などの展示があり、見応えがあります。
【香川県立ミュージアム】
所在地:〒760‐0030 香川県高松市玉藻町5‐5
開館時間:9:00~17:00(最終入館は16:30まで)
入館料:一般個人410円・高校生以下無料
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日火曜日)
ウェブサイト:香川県立ミュージアム
石垣
高松藩主となった松平頼重は寛文年間(1661~1672年)から延宝年間(1673~1680年)にかけて高松城を改修し東の丸や北の丸が拡張されました。
現在、東の丸はほとんど遺構が失われていますが、石垣が残されています。
東の丸の北東には艮櫓跡の石垣が残されていて、この場所に現在桜の馬場にある艮櫓が建っていました。
まとめ
【高松城の見どころ】
・北の丸にある現存の三重櫓の月見櫓と付属する水手御門と渡櫓
・桜の馬場にある現存の三重櫓で戦闘的な艮櫓
・本丸に堂々とそびえる高さ13mの天守台
・三の丸の入口に77年ぶりに再建された桜御門
ウェブサイト:高松城【玉藻公園】公式ウェブサイト
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