千葉県野田市にある関宿城。
室町時代に古河公方の重臣である簗田氏が築城した事に始まります。
戦国時代、北条氏康は「この地を抑えるという事は、一国を獲得する事と同じである」と評し、関東の重要な拠点でありました。
戦国時代末期、上杉氏と北条氏の間で争奪戦が行われ、第一次関宿合戦、第二次関宿合戦、第三次関宿合戦が行われた舞台となり、簗田氏も上杉氏と共に戦いました。
1590年の小田原征伐後に徳川家康が関東に入封されると、家康の異父弟である松平康元が入城し、関宿藩が興ります。
江戸時代は小笠原氏、北条氏、牧野氏、板倉氏、久世氏と城主が入れ替わり、明治維新を迎えます。
藩主の中には幕府の老中や、京都所司代、寺社奉行などの務めた者が城主となり、幕府の重要な藩であった事が伺えます。
現在では、城跡の付近に「千葉県立関宿城博物館」が建てられ、関宿藩や利根川に関する展示がされ、見どころとなっています。
関宿城・基本情報、アクセス
所在地:〒270‐0206 千葉県野田市関宿町1475
城 主:簗田氏、松平氏、小笠原氏、北条氏、牧野氏、久世氏
形 式:平城
文化財史跡:ー
日本100名城:該当なし
関宿城・駐車場
関宿城博物館の南側に専用駐車場があります。
100台程停められる大きさの無料駐車場で、トイレは駐車場内や博物館内にあります。
関宿城・御城印
関宿城 御城印 1枚300円
関宿城の御城印が販売されています。
関宿城博物館と駐車場の間にある「関宿城博物館休憩所(売店)」で1枚300円で購入する事ができます。
御城印は関宿城についての説明が書かれた紙が同封されています。
関宿城・城跡
関宿城博物館
博物館の入口には城門と橋が架けられていて、お城雰囲気があります。
しかし、史実に基づくものではなく、当時の関宿城の本丸は500m程南に位置しています。
城門を潜ると御殿風の建物が建ち、博物館の入口は唐破風となっていて面白いです。
博物館は1Fは関宿藩の水運として利用され経済の礎となった利根川に関する展示、2Fは企画展示室(関宿藩の歴史)、4Fは展望室となっています。
【千葉県立関宿城博物館】
所在地:〒270‐0201 千葉県野田市関宿三軒屋143-4
開館時間:9:00~16:30
入館料:一般200円・大学、高校生100円・中学生以下、65才以上無料
休館日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)・年末年始(12月28日~1月4日)
ウェブサイト:千葉県立関宿城博物館
博物館の入口の横には船と蛇籠(じゃかご)が展示されています。
船は利根川や江戸川で川漁として利用された1~2人乗りの船で、竹棹で操作されました。
蛇籠は竹を亀甲状に編み、中に石を入れて川に沈める事で、川の流れを止めたり、緩やかにするために利用されました。
4F展望室からは利根川や江戸川を見る事ができます。
関宿城は逆川を背後にして本丸を置く後ろ堅固な城郭で、平地が広がる東側に二の丸や三の丸、天神曲輪、発端曲輪が築かれています。
周囲は平地が広がっていて関東平野の広さを実感し、意外と地方に住む人には見慣れない光景です。
日本庭園
博物館の北側には日本庭園があります。
日本庭園は無料で入ることができ、入口は門や竹の塀があり、中々雰囲気があります。
日本庭園内は綺麗に管理されていて四阿があり、落ち着いた場所となっています。
日本庭園内から天守閣を見る事ができ、天守閣の説明板も設置されています。
天守閣
博物館の東側からは土塀越しに天守閣を見る事ができます。
鉄筋コンクリートの天守閣ですが、三重の白い天守閣と塀は綺麗で見どころです。
関宿城の天守閣は1671年に江戸城の富士見櫓を模して再建され、1874年に頃に取り壊されてしまいます。
現在に天守閣も江戸城の富士見櫓を模して建てられていて、幕府の外城としての誇りが垣間見えます。
関宿城・移築門
茨木県坂東市にある逆井城跡公園には、関宿城の門が移築されています。
久世氏が関宿城主を務めていましたが、明治2年の廃藩置県により久世氏は藩知事になり、明治6年には城は大蔵省の管轄となり廃城となりました。
この門はその際に民間に払い下げられたものの一つで、鶴見栄助氏の邸宅にあったものをこの場所に移築されました。
関宿城の移築門は貴重な城郭建築物で見どころです。
まとめ
関宿城は江戸城の富士見櫓を模した天守閣(博物館)や日本庭園が見どころです。
市内や県外に関宿城の城門が複数移築されているので、移築門を巡るのも良いかと思います。
ウェブサイト:千葉県立関宿城博物館
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