お城の紹介をします。
愛知県岡崎市の山中城です。
山中城と云えば日本100名城に選定されている、静岡県三島市の山中城が有名ですが、こちらの山中城もオススメです。
岡崎城主である西郷信貞が自身の居城として、標高196mの山頂に築いた山城です。
1524年に松平清康の攻撃を受け、山中城は落城した為、岡崎城も松平氏が領有する事になりました。
1548年に小豆坂の戦いの際には、医王山と呼ばれ今川氏の重要拠点とされました。
1560年の桶狭間の戦いの際には、徳川家康が奪取し、徳川の支城として機能しました。
現在城址は丁寧に整備され、主郭や二の郭、馬出などの曲輪群はもちろん、土塁や堀切、竪堀のなどの遺構が良好に残されていて、見応えがあります。
山中城・基本情報、アクセス
所在地:〒444-3514 愛知県岡崎市舞木町
城 主:西郷氏、松平氏
形 式:山城 連郭式
文化財史跡:岡崎市指定史跡
日本100名城スタンプ場所:該当無し
山中城・駐車場
山中城の東側、県道324号線に面した場所に山中城址駐車場があります。
駐車スペースは小さいですが、3~4台は駐められることができます。
山中城専用の駐車場があるのは、ありがたいです。
山中城・縄張り
山中城は標高196mの山頂に築かれた山城です。
山頂の東、西、北に延びる尾根伝いに主郭、二の郭、東郭などの曲輪群が連なっています。
各曲輪の間には堀切、山の斜面には竪堀が要所に築かれ、防備を固めています。
東郭の東には小規模ながらも馬出が築かれ、舞来口や北側から迫る敵に対して横矢が掛かり、強固な縄張りとなっています。
山中城・登城口
山中城址駐車場から歩いて3分程で登城口に着きます。
山中城の登り口には多数の資料が掲示されています。
山中城の概要や縄張り図がありますので、要チェックです。
入口には害獣防止柵があり、扉にフックがあるので外して中に入ったら、フックを忘れずに掛けます。
山中城の登城道は、きれいに整備されているので歩き易いです。
主要部へ行くには、ハイキング程度のラフな感じで登城できます。
山中城・舞木口曲輪①
登城道を歩いて行くと、最初に左手に曲輪があります。
山中城で一番東側に位置する独立した曲輪で、出丸的な機能のある曲輪です。
登城道より高所にある曲輪で、舞木口から迫る敵に対して頭上から横矢が掛けられる様になっています。
山中城・舞木口曲輪②
先ほどの曲輪から先に進むと、曲輪があります。
かなり大きな曲輪で、ここから山中城の主要部と云えます。
こちらの曲輪も舞木口から迫る敵に対して、横矢が掛けられる様になっています。
堀切
舞木口曲輪②の背後には、堀切が築かれています。
堀切はかなり良好に残されていて、深さは1~2m、幅は2mほどあるかと思います。
曲輪間をしっかりと堀切で遮断しているので、守りが堅い印象です。
山中城・舞木口曲輪③
舞木口曲輪②の先にも曲輪があります。
この曲輪は舞木口曲輪②と同等規模の大きさがあります。
ここも、横矢が掛かるように縄張りされております。
山中城・馬出
舞木口曲輪③の先には、馬出があります。
規模が小さいですが、馬出の曲輪跡や土塁が良好に残されていて、山中城の見どころです。
馬出は舞木口や北の尾根から迫る敵に対して備えて築かれていて、強固な防衛拠点となっています。
馬出の外周部には土塁の跡が残されています。
中世山城の中腹に馬出が築かれているとは珍しく、舞木口方面から来る敵に対して、徹底的に横矢が掛かるように設計されています。
丸馬出いいですね~。
山中城・東郭
馬出の先には東郭があります。
東郭は主郭の直下にある重要な大きな曲輪で、外周部には土塁の跡が残されています。
東郭の先端に立つと馬出が見えるので、東郭からでも援護できるようになっています。
東郭の外周部には土塁跡が残されています。
写真ではほとんど分かりませんが、かすかに土塁の高まりが見受けられます。
山中城・腰郭
東郭の先には腰郭があります。
腰郭は主郭の南側に位置する、小規模な曲輪です。
写真の右側は主郭なので、ここでも頭上から横矢掛かりです。本当に徹底されていて、舞木口から攻略するのは無理ではないでしょうか。
腰郭の回りは木が伐採されているので、視界が良いです。
山中城の南側を一望する事ができて、良い景色です。
山中城・主郭
腰郭の先が主郭です。
主郭は山中城で最も高所にある曲輪で、お城の中心地です。
主郭の東側にはベンチがあり休憩できます。
また、主郭には山中城の縄張図付きの案内板も設置されています。
主郭と二の郭の間には、謎の石積みがあります。
いつからあるのか、何の目的で造ったのか謎ですが、絶妙なバランスですね。
山中城・二の郭
主郭に隣接しているのが、二の郭です。
二の郭は山中城で最も広い郭で、外周部には土塁が築かれています。
こちらからは羽栗口から迫る敵に対して備えられています。
土塁
二の郭の外周には土塁が残されています。
現在でもハッキリと土塁の形が分かる位、良好に残されています。
なかなか見応えがあり、良いです。
二の郭の南虎口からは、羽栗口方面や物見曲輪へと行くことができます。
山中城・腰郭
二の郭の南側には腰郭があります。
小規模な曲輪ですが、羽栗口から迫る敵に対して、攻撃できるようになっています。
堀切
腰郭の前面には堀切が築かれています。
こちらの堀切は深さが1~2mほどあるので、ハッキリと遺構が分かります。
堀切(大)
先ほどの堀切の先には、大きな堀切があります。
かなり大規模な堀切で、山中城でも最大級となっています。
深さは3~4m、幅は6~7m程はあり、大迫力です。
羽栗口方面での最大の防衛施設で、敵を寄せ付けません。
これだけ落差が大きいと斜面をよじ登れないですね。
それにしても、山中城は曲輪や遺構の看板が多数立てられていて、良く整備されていて助かります。
山中城・物見曲輪
堀切
二ノ郭南側の腰郭の先に進んで行くと、物見曲輪があります。
物見曲輪へと行く道の途中に掘切があります。
こちらの堀切も良好に残されていて、良いです。
竪堀
堀切の先には竪堀があります。
うっすらとですが、竪堀の跡が見受けられます。
竪堀を築く事によって、山中城の北側から迫る敵に対して横移動を制限したり、堀底に誘導して狙い撃ちにする効果があります。
物見曲輪
山中城の北西にあるのが、物見曲輪です。
文字通り物見をする曲輪ですが、北西の先端に位置しているので、前線基地でもありますね。
物見曲輪からは、山中城の北側を見る事ができます。
多少手前側に木々がありますが、なかなかの景色です。
山中城・北東方面の曲輪①
馬出のあった場所を北側に進んで行くと、北東方面に築かれた曲輪群があります。
北東方面最初の曲輪で、他の曲輪と比べるとうっそうとした草木に囲まれています。
竪堀
北東方面の曲輪①の西側には、竪堀が築かれています。
竪堀は深さが1m程あり、斜面へと落ちていく様子が分かります。
この曲輪の南側には主郭があるので、斜面を伝って主郭に向かうのを防いでいるようです。
山中城・北東方面の曲輪②
北東方面の曲輪①の先には、もう一つ曲輪があります。
比較的広く、北東方面の主要な曲輪と思われます。
土塁
北東方面の曲輪②の外周には、土塁が築かれています。
草に覆われ分かりにくいですが、1m程の土塁が残されています。
縄張り図を見ると、当時はこの曲輪の外周全てに土塁が築かれ、強固な拠点であったことが分かります。
堀切(大)
北東方面の曲輪②の先には、大きな堀切が築かれています。
羽栗口の堀切と同じくらいの大規模な堀切で、深さは3~4m、幅は6~7m程あるかと思います。
山中城は要所に必ず堀切が築かれているので、山城のお手本と云ったような印象を受けます。
これだけ遺構がきちんと残されていると、嬉しいです。お城好きにはたまらないです。
竪堀
堀切の西側にも竪堀が築かれています。
こちらの堀切も深さが1mほどで、斜面へと落ちて行くのが分かります。
東側には築かれていないのは、東側の斜面を移動して行っても、馬出にたどり着く為、馬出で迎撃できるという意図があるのでしょうか。
山中城は本当に良く考えられた縄張りとなっています。
最後に
山中城は表示板が要所にあり良く整備されていて、ほとんどの遺構が良好に残されていて、お城好きにオススメのお城です。
特に馬出が必見で、他にも要所に必ず築かれている堀切、横矢が掛けられるように考えられた縄張りなど見どころが多数あります。
島田市の山中城はもちろん良いですが、この岡崎市の山中城も負けていない名城です。
山中城(岡崎)ウェブサイト
https://okazaki-kanko.jp/point/471
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