愛知県豊田市にある寺部城。
文明年間(1469~1487年)の間に鈴木重時により築かれました。
1533年に鈴木重教は松平清康と岩津城外で戦い、今川氏に服属しましたが、織田信長が台頭すると織田家に属しました。
1558年に鈴木重辰は松平氏と戦いました。子の重政は今川氏に属しますが、桶狭間の戦いにより今川氏と共に衰退しました。
1566年に織田家臣の佐久間信盛により攻められ、落城しました。
その後、寺部鈴木氏は松平氏の配下となりました。
1618年に尾張徳川家の家老である渡辺守綱が1万4千石で入封し、明治時代まで代々渡辺家が城主となりました。
現在では曲輪跡に江戸~明治時代の建物跡があり、付近には家老職を務めた松本家の旧松本家長屋門、重臣の家柄の遊佐家長屋門が残され見どころとなっています。
寺部城・基本情報、アクセス
所在地:〒471‐0017 愛知県豊田市寺部町1丁目
城 主:鈴木氏、渡辺氏
形 式:平城
文化財史跡:市指定史跡
日本100名城スタンプ:該当なし
寺部城・駐車場

寺部城の専用駐車場はありません。
寺部城の東にある守綱寺の駐車場を利用するのが良いかと思います。
ただし、住宅街にあり道が狭いため、注意が必要です。
寺部城・本丸
入口

寺部城の東側に入口があります。
入口には寺部城の説明板が設置されています。
井戸跡

寺部城には井戸が3箇所あったとされています。
籠城に備えて造られていたと考えられています。
土蔵跡

寺部城の奥には土蔵跡が2ヵ所あります。
どのような建物であったのか詳しい事は分かりませんが、食料や武具などが保管されていたのでしょうか。

建物があった場所にコンクリートで枠が造られているので、なんとなくのイメージはし易いかと思います。
書院跡

土蔵跡の隣には書院跡もあります。
こちらもどのような建物であったのかは詳細は不明です。
寺部城・旧松本家長屋門(市指定文化財)

寺部城の東には旧松本家長屋門があります。
松本家は寺部城主2代渡辺重綱の時から使えた家老、普請奉行を務めた家柄です。
旧松本家長屋門は三の郭の東隅にあり、江戸時代末期の貴重な寺部城に関する建築物となっています。
寺部城に訪れた際はこちらも見学すると良いでしょう。
【旧松本家長屋門】
所在地:〒471‐0017 愛知県豊田市寺部町2丁目39‐15
開館日、開館時間:土曜日、日曜日・10:00~17:00
入館料:無料
休館日:祝日・年末年始
ウェブサイト:https://www.city.toyota.aichi.jp/shisetsu/bunka/bunkasonohoka/1013462.html
寺部城・遊佐家長屋門 附土塀(市指定文化財)

旧松本家長屋門の北側に遊佐家長屋門があります。
遊佐家は初代渡辺守綱が幕府から賀茂郡五千石を加増された1613年から仕える重臣で、代々普請奉行を務める家柄でした。
遊佐家長屋門は三の郭の北東隅にあり、江戸時代末期の貴重な寺部城に関する建築物となっています。
まとめ

寺部城は遺構はほとんど残されていませんが、城の東にある「旧松本家長屋門」と「遊佐家長屋門」が残されていて見どころです。
また、近くには守綱寺や守綱神社があるので、合わせて巡ると良いでしょう。
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