滋賀県大津市にある三井寺(天台寺門総本山園城寺)。
7世紀に大友氏の氏寺として創建され、9世紀に天台寺門宗宗祖である円珍により再興されました。
10世紀頃から比叡山延暦寺との対立が激しくなり、度々比叡山の宗徒により焼き討ちにあう事がありました。
平安時代には朝廷や貴族はもちろん武家からも信仰され、源頼朝は三井寺を保護して復興を行いました。
戦国時代、1571年には織田信長が園城寺に本陣を置き、比叡山の焼き討ちを行いました。
1582年に本能寺の変を起こした明智光秀を山崎の戦いで破った豊臣秀吉は、園城寺で光秀の首実検を行ったと云われています。
一時豊臣秀吉と園城寺は不和になりますが、後に解消し伽藍の復興に尽力します。
江戸時代にも徳川家から保護され、寛永年間には寺領4619石が安著されます。
現在でも慶長年間に再建された国宝に指定されている金堂や、大門、釈迦堂、鐘楼、一切経蔵、唐院、毘沙門堂、観音堂などが残され見どころとなっています。
三井寺・基本情報、アクセス
所在地:〒520‐0036 滋賀県大津市園城寺町246
宗 派:天台寺門宗
本 尊:弥勒菩薩
拝観時間:8:00~17:00(受付は16:30まで)
入山料:大人600円・中高生300円・小学生200円
休業日:年中無休
三井寺・駐車場
三井寺の東側に専用駐車場があります。
350台停められる大きな駐車場で、1回500円で利用する事ができます。
トイレは境内にあります。
三井寺・境内
大門(重要文化財)
境内の入口には大門(仁王門)があります。
大門は元々は滋賀県湖南市の常楽寺の門で、豊臣秀吉により伏見城に移築されていました。
1601年に徳川家康により三井寺に寄進され、現在は重要文化財に指定されています。
大門は楼門形式で大きく特徴的な屋根はひのきの樹皮を重ねた檜皮葺きで、三井寺の表門に相応しい堂々とした立派な門で、見どころです。
金堂(国宝)
大門を真っ直ぐ進むと金堂があります。
金堂の創建は7世紀で、現在の金堂は1599年に豊臣秀吉の正室である北政所が再建したものとなっています。
金堂の大きな屋根は檜皮葺きで重層で迫力があり、内部を見学する事ができます。
安土桃山時代に再建され400年以上も時を経て、現在に見る事ができる金堂は大変貴重で、見どころです。
鐘楼(重要文化財)
金堂の近くには鐘楼があります。
鐘楼は1602年に建立されたもので、屋根は切妻造りの檜皮葺きとなっています。
内部には近江八景の「三井の晩鐘」で有名な大きな鐘が吊られていて、日本三名鐘のひとつに数えられています。
一切経蔵(重要文化財)
金堂の先の階段を登った先には一切経蔵があります。
一切経蔵は元々山口県の国清寺の経蔵でしたが、1602年に毛利輝元により移築されました。
内部には八角形の大きな輪蔵があり、たくさんの引き出しが設けられています。
唐院潅頂堂(重要文化財)
一切経蔵の隣には唐院潅頂堂(とういんかんじょうどう)があります。
唐院潅頂堂は慶長年間に再建されたもので、奥にある大師堂の拝殿や密教の奥義を伝える建物です。
入母屋造りの屋根は檜皮葺きで、中央には軒唐破風が設けられ平安時代の品格ある唐院潅頂堂は見どころです。
三重塔(重要文化財)
唐院潅頂堂の横には三重塔があります。
三重塔は元々、奈良県吉野比蘇寺にあったものを豊臣秀吉が伏見城に移築していて、1601年に徳川家康が三井寺に寄進しました。
高さは25mあり、縁には高欄が設けられていて、中世の仏塔の様子を見る事ができます。
唐院潅頂堂のそばに佇む三重塔は風情があり、見どころです。
毘沙門堂(重要文化財)
三井寺の南側には毘沙門堂があります。
毘沙門堂は1616年に三井寺五別所のひとつである尾蔵寺に建立され、一時三井寺の南院に移され、1959年に現在の地に移されました。
小ぶりのお堂ですが、全体が朱色で、屋根の下は彩色豊かな装飾が施され綺麗です。
観音堂(県指定文化財)
毘沙門堂横の階段を登ると観音堂があります。
観音堂は後三条天皇の病気平癒を祈願して1072年に建立されました。現在残されている観音堂は1689年に再建されたものとなっています。
観音堂は高台にあり、琵琶湖と大津市を一望することができる景勝地となっています。
まとめ
三井寺は国宝の金堂を初め、大門や一切経蔵、唐院潅頂堂、三重塔など安土桃山時代に建てらえた建築物が多数あり、見どころが豊富な寺院です。
境内にある三井寺文化財収蔵庫では、国宝の勧学院客殿の襖絵が展示されているのでオススメです。
また、境内にはカフェもいくつかあるのでゆっくりと散策する事ができます。
ウェブサイト:三井寺(園城寺)
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