神奈川県横浜市にある大塚・歳勝土遺跡。
大塚遺跡は弥生時代中期の環濠集落で、1972年港北ニュータウンの開発時に発見されました。
弥生時代の大規模な環濠集落がほぼ完全な形で発見された貴重な遺跡で、国の史跡に指定されています。
歳勝土遺跡は大塚遺跡に住んだ人々の墓地で、方形周溝墓群が確認されています。
現在は大塚・歳勝土遺跡公園として整備され、竪穴住居7棟や高床式倉庫、木橋などが復元され見どころとなっています。
大塚・歳勝土遺跡・基本情報、アクセス
所在地:〒224‐0028 神奈川県横浜市都筑区大棚西1
開館時間:9:00~17:00
入場料:無料
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
ウェブサイト:大塚・歳勝土遺跡公園|横浜市歴史博物館
大塚、歳勝土遺跡公園・駐車場
大塚・歳勝土遺跡公園に隣接する横浜市歴史博物館に「タイムズ横浜歴史博物館」があります。
19台停められる有料駐車場で、料金は30分100円となっています。
大塚・歳勝土遺跡公園へは歩いて5~7分程で行くことが出来ます。
【タイムズ横浜歴史博物館】
営業時間:8:00~18:00
料 金:土日祝 30分100円(最大料金800円、月~金の場合は500円)
大塚遺跡・内部
環濠(堀)
大塚遺跡の外周には環濠(堀)が築かれています。
環濠の深さは1~2m程で外側の土塁の上には木の柵が立てられていて外敵から集落を守っています。
城の原型とも云うべき姿となっています。
木橋
大塚遺跡の入口の横には木橋が再現されています。
環濠の北西部に二対になった4つの穴が確認されていて、橋の跡であったと推定されています。
この木橋が再現された場所からは遺構は見つかっていませんが、歳勝土遺跡に通じる橋があったと考えられています。
竪穴住居発掘調査時の姿
木橋の横には竪穴住居跡が保存されています。
この場所に在った住居は2回の建て替えが行われていて、住居の先に延びる道は当時の通路となっています。
竪穴住居①
環濠の中には多数の竪穴住居が復元されています。
住居の屋根や壁面は茅葺きとなっていて、内部に入ると多数の木が渡されていて縄で縛られています。
環濠内に多数復元された竪穴住居は弥生時代のムラを体感する事ができ、見どころです。
高床式倉庫
環濠内には高床式倉庫も復元されています。
高床式倉庫は収穫した稲などを保管する建物で、湿気から守るために床を高くしています。
また、柱には円盤の板(ネズミ返し)が付けられていて、ネズミの侵入を防いでいます。
丁寧に復元された高床式倉庫は様々な工夫が見られて面白く、見どころです。
竪穴式住居②
環濠に復元された竪穴住居は中に入る事も出来ます。
中に入るとひんやりとしていて、土器や火を起こした跡などもあり、面白いです。
歳勝土遺跡・内部
方形周溝墓
大塚遺跡に隣接した場所に歳勝土遺跡があります。
歳勝土遺跡は大塚遺跡に住んだ人々の墓地で、四方の溝と中央に盛られた土があり、盛った土の中央に埋葬されていたとされています。
また、中央だけではなく溝の部分からは子供用の土器や棺が見つかっていて、溝の部分にも埋葬されていたと考えられています。
方形周溝墓内部
方形周墓の中央には四角い穴が見つかっていて、棺が納められた跡と推定されています。
水分の多い低地に築かれた方形周墓では木の棺が腐らずに残っていることがあり、歳勝土遺跡でも木の棺であったと考えられています。
都筑民家園
旧長沢家住宅(市指定有形文化財)
歳勝土遺跡の東側には都筑民家園があります。
都筑民家園には旧長沢家住宅があり、江戸時代に建てられた民家で主屋と馬屋からなっています。
現在の建物は200年程前の部材を使用して当時の姿を復元したもので、大きな茅葺き屋根や畳敷の部屋、土間などがあり、趣があります。
茶室 鶴雲菴・輪亭
旧長沢家住宅の横には茶室 鶴雲菴・輪亭があります。
茶室は地域住民の寄付により横浜市に寄贈されたもので、日本の伝統文化を多くの人々に親しんでもらいたいとの願いがあります。
茶室では様々な行事が行われていて日本の文化が伝えられています。
まとめ
【大塚・歳勝土遺跡、都筑民家園の見どころ】
・環濠内に7棟復元された弥生時代を感じる事が出来る竪穴住居
・竪穴住居の横に復元された高床式倉庫
・江戸時代の姿が復元された大きな茅葺き屋根が特徴的な旧長沢家住宅
ウェブサイト:大塚・歳勝土遺跡公園|横浜市歴史博物館
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