お城の紹介をします。
岐阜県瑞浪市の小里城です。
1532年に土岐氏の支流である小里光忠が築いた山城です。
1572年に武田軍が美濃に侵攻し岩村城が落されると、小里氏は織田方となって上村で戦いますが、嫡男である光次が討ち死にしてしまいます。
1574年に武田勝頼が明智城を攻撃すると、織田信長は小里城の改修を命じ、池田恒興を配しました。
1575年に織田信忠を大将として武田方の岩村城を攻撃し落城したことにより、美濃から武田勢を追い払うことに成功しました。
1582年の本能寺の変後に小里氏は、東美濃を支配した森長可に従わず、徳川家康の元に向かい小里を離れました。
1600年の関ヶ原の戦いの戦功により、小里氏は丘陵を回復し、再び小里城を居城とする事が出来ました。
1623年に徳川幕府の命により小里氏は断家となった為、小里城は廃城となりました。
現在でも標高403mの山頂には天守台が残されていて、見どころとなっています。
また、麓には石垣で築かれた大手門の先には御殿場跡があり、小里氏の繁栄を垣間見る事ができます。
小里城・基本情報、アクセス
所在地:〒509-6103 岐阜県瑞浪市稲津町2718番地
城 主:小里氏
形 式:山城
文化財史跡:岐阜県指定史跡
日本100名城スタンプ:該当無し
小里城・御城印
小里城 御城印 1枚300円
小里城の御城印が「きなぁた瑞浪」で販売されています。
1枚300円で購入する事ができます。
御城印は商品棚に陳列されているので、レジまで持って行って購入します。
【きなぁた瑞浪】
所在地:〒509-6101 岐阜県瑞浪市土岐町6059
営業時間:9:00~18:00
定休日:火曜日
小里城・駐車場
小里城の北側に専用駐車場があります。
10台程駐められる無料駐車場です。なお、トイレはありません。
小里城・縄張り
小里城は標高403mの山頂に築かれた山城です。
山頂部の堅牢な詰めの城部分と、麓には平時に過ごす居館が築かれています。
居館の東側には独立した、東砦が備えられており、居館の曲輪と連携して敵の迎撃を行えるようになっています。
山頂部の本丸の周囲には二の曲輪、大手曲輪、腰曲輪、帯曲輪があり、全方向に備えられています。
小里城・登城口
駐車場から道路を挟んだ所に小里城の登り口があります。
駐車城の目の前で、看板や旗が建てられているので分かりやすいです。
登り口には早速石垣が現れます。
登城者を出迎えている石垣で、苔生しているのが良いです。
いきなり立派な石垣があるので、期待が高まりますね。
小里城・大手門
登り口を進むと大手門があります。
大手門は石垣造りで左に折れるように築かれています。
石垣はやや粗めの打込接ぎで積まれていて、高さは2m程あり迫力があります。
向かって右側(西側)は積み直されていますが、左側(東側)の石垣は当時の原形を留めています。
石垣造りで大手門としての威厳を保っており、小里城の見どころです。
小里城・御殿場(城主居館跡)
大手門の先には、平時に城主が過ごしたと思われる、御殿場があります。
御殿場は三段の曲輪となっていて、1600年に小里氏が旧領を回復した時に築かれた居館です。
発掘調査により、陶磁器片や金属片が出土しています。
また、建物の礎石や石組みの水路の遺構も確認されています。
当時は、本館や書院、長屋、厩等が立ち並んでいたと思われ、小里氏の繁栄を伺い知る事ができます。
小里城・本丸への登山道
御殿場の奥に本丸への登山道があります。
ここから本丸までは、山道を30分位登る事になりますので、飲み物を用意しておいた方が良いと思います。
登山道の途中には景色の良い場所があります。
視界が開けていて、瑞浪市の町並みが見えて良い景色です。
まだ、五合目位なので休憩場所に良いです。
登山道は距離がながいですが、要所要所に案内板が設置されていて、本丸までの距離が書かれているので、分りやすくありがたいです。
小里城・大手曲輪
登山道を登り本丸付近に近付くと、大手曲輪が見えて来ます。
大手曲輪は、山頂の曲輪群の最初にある曲輪で、主要部の入口です。
現在の大手曲輪は斜面になっていて、跡地といった感じです。
小里城・二の曲輪
大手曲輪の先には、二の曲輪があります。
二の曲輪は大手曲輪と本丸の間にある曲輪なので、防衛上重要な曲輪です。
大手曲輪よりも平坦部がしっかりと残されていて、ある程度の広さも確保されています。
小里城・本丸
天守台
登山道を登り切り本丸に入ると、天守台が目の前に現れます。
天守台は打込接ぎの乱積みで、高さは3~4m程あり存在感があります。
標高403mの山頂部に、これだけ立派な石垣造りの天守台があるとは驚きです。
天守台は小里城一番の見どころです。
天守台の左側に回り込むと入口があります。
天守台の石垣は安土城に類似している点があると言われていますが、後世に修復された形跡がある為、どのような意図で築かれたのか判明していません。
旗が立てられていると雰囲気があって良いです。
天守台の内部には城山神社のお社があります。
小さなお社ですが、石垣の上に建てられているのが、かわいいです。
小里城を守ってくれているのでしょうか。
天守台の上に天守が建てられなかったようです。
天守台は不等変多角形をしていて、石垣が苔生しているのが歴史を感じます。
ここまで登って来た甲斐があります。
内部
本丸は標高403mの山頂部に築かれています。
本丸の周囲には二の曲輪や帯曲輪、腰曲輪などの守られていて、厳重な防備となっています。
天守台の周囲には大きな石がゴロゴロとしていて、独特な雰囲気があります。
景色
本丸には四阿があり、休憩する事ができます。
四阿付近からは景色が良く、高い所まで登って来たんだなと実感します。
矢穴の跡が残る割石
天守台の周囲には大きな石がたくさんあります。
その中に矢穴の跡が残る割石が残されています。
石の中央に矢穴が4箇所あったと思われ、矢穴に沿って一直線にキレイに割られています。
小里城・帯曲輪
本丸の南東側には帯曲輪があります。
本丸の一段下にあり、小里城の搦手を守る為の曲輪です。
帯曲輪の南には、搦手道や小曲輪があるようですが道がなく急斜面であったので、確認する事ができませんでした。
小里城・腰曲輪
本丸の北東には腰曲輪があります。
本丸の北東に備えられた曲輪で、緩やかな斜面となっています。
小里城・東砦跡
東砦への道
麓の御殿場(居館)の東には、東砦があります。
大手門の手前に東砦への道の標識があるので、矢印の方向に進みます。
内部
3分程歩いて行くと、東砦があります。
東砦は発掘調査が行われていない為、いつ頃築かれたのか判明していません。
恐らく築城当時~戦国時代にかけて、築かれたと考えられています。
東砦は御殿場の東側にある曲輪で、御殿場横の尾根から本丸に行くことができないように築かれています。
また、御殿場を攻撃された際には、東砦から援護する事も可能です。
堀切
東砦の南側の尾根には堀切が築かれています。
堀切は深さが2~3m程あり、尾根を伝って本丸へ迫る敵を防いでいます。
石垣だけではなく、山城の基本的な防御機構である、堀切があるのも嬉しいです。
最後に
小里城は山頂に築かれた天守台と、麓の御殿場(居館)の大手門に築かれた石垣が見どころです。
山城で大規模な石垣が残されているので、お城好きにはたまらない場所です。
小里城ウェブサイト
https://www.city.mizunami.lg.jp/kankou_bunka/spot/1001286/1002181.html
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