愛知県北設楽郡設楽町にある津具城。
通称城の腰と呼ばれる標高756mの山頂部に築かれた山城です。
城主は後藤九郎左衛門善心と云われています。
1562年に今川氏の渡辺平内次が白鳥山城主の後藤善心を攻め降したと記されていて、この頃に築城されたと考えられています。
1569年に徳川家康に味方した名倉寺脇城の奥平信光が津具城を攻撃し、落城しました。
この時に城主の後藤善心と長男、次男は戦死、三男の政芳は城を脱出し信州へ逃れ、津具城は廃城となりました。
現在でも山頂部に曲輪跡があり、本曲輪の虎口跡、竪堀、北二の曲輪の虎口跡、空堀などが残され見どころとなっています。
津具城・基本情報、アクセス
所在地:〒441‐2601 愛知県北設楽郡設楽町津具
城 主:後藤信光
形 式:山城
文化財史跡:なし
日本100名城スタンプ:該当なし
津具城・駐車場
津具城の南側を通る県道427号線(JA愛知東津具支店の北側)に津具城への入口があります。
赤い案内板が設置されているので目印にすると良いです。
道は未舗装で轍の跡が車高が低い車だと擦ってしまうと思われます。
入口から未舗装の道を200m進むと少し開けた場所に着き、ここが駐車場です。
2~3台程停められる広さの無料駐車場です。トイレはないので事前に済ませて置きましょう。
駐車場から200m程歩いて登城口に行きます。
津具城・御城印
津具城 御城印 1枚300円
津具城の御城印が販売されています。
「道の駅したら」の2階設楽町観光協会事務所(セット売り、バラ売り)と1階売店清嶺市場(セット売りのみ)で1枚300円で購入する事ができます。
設楽町にある10の山城の御城印があり、特定の御城印のみ購入したい場合は2階設楽町観光協会事務所で購入可能ですが、平日しか空いていない(火曜日定休)ので注意が必要です。
「道の駅したら」2階設楽町観光協会事務所
所在地:〒441‐2302 愛知県北設楽郡設楽町清崎中田17番地7
営業時間:8:15~17:15
定休日:土日祝・年末年始
津具城・縄張り図
津具城は標高756mの山頂部に築かれています。
東側には寺沢の渓谷、西側には神明川まで比高80mの斜面が続き、南側は津具川(大入川)に囲まれた要害です。
本曲輪を中心に北側に主郭に次ぐ重要な北二の曲輪、南側に南二の曲輪を配置し、尾根には堀切、曲輪間には空堀や竪堀を築き、防御を固めています。
津具城・登城口
未舗装の車道を歩いて行くと左手に津具城の登城口の案内板が見えて来ます。
登城口を歩いて行き北帯曲輪の竪堀下部を横目に先へ進みます。
すると津具城の津具城西側の大手口に着きます。
津具城・腰曲輪
虎口跡
大手口の斜面を登って行くと腰曲輪の虎口跡らしき場所があります。
虎口の両側が少し土塁で高くなっている様子が分かります。
腰曲輪は北二の曲輪の西側にある細長い曲輪です。
腰曲輪は北側と南側に竪堀が築かれていて、防備を固めています。
腰曲輪の南側の竪堀は少し堀跡が残されています。
当時はもっと深く斜面を落ちて行き、大手口の横を通っていたと思われます。
津具城・北帯曲輪
北帯曲輪内部
北帯曲輪は北二の曲輪の北西にある曲輪です。
北帯曲輪も北側と南側に竪堀が築かれて、防備を固めています。
竪堀
北帯曲輪の北側の竪堀は現在でも0.5~1m程の深さがあります。
大手口に行く道の途中で下から見る事ができます。
空堀
北帯曲輪と北二の曲輪の北側に掛かるように空堀が築かれています。
空堀は深さが2m、北二の曲輪側だと高低差が5m位はあります。
空堀は先ほどの北帯曲輪の竪堀へと繋がっています。
北二の曲輪から見ると空堀の形状が良く分かります。
空堀は規模が大きく良好に残されていて、見どころです。
津具城・西帯曲輪
腰曲輪の南側(北二の曲輪の西側)に西帯曲輪があります。
北二の曲輪の東側を守る為の曲輪となっています。
津具城・北二の曲輪
北二の曲輪内部
腰曲輪の東の斜面を登って行くと北二の曲輪があります。
北二の曲輪は本曲輪の北側にある主要な曲輪で、井戸跡があります。
東虎口跡
北二の曲輪の東側には虎口跡があります。
虎口は南側は本曲輪の高い切岸、北側は土塁が築かれています。
虎口に迫った敵を本曲輪の高い場所から効果的に迎撃できるように工夫されていて、見どころです。
土塁
北二の曲輪の東側には土塁が残されています。
土塁は高さが1m程となっていて、かすかに遺構が分かる程度です。
津具城・本曲輪
虎口跡
北二の曲輪に本曲輪の虎口跡があります。
虎口の左手には北二の曲輪の東虎口、右手には竪堀が築かれています。
本曲輪の虎口は中々技巧的な縄張りとなっていて、見どころです。
竪堀
虎口の横にある竪堀は西帯曲輪の横まで斜面を落ちて行っています。
深さは1~2m、長さは10m位はあるかと思われ、本曲輪虎口と合わせて津具城一番の見どころです。
竪堀を下側から見ると遺構が良く分かり、迫力があります。
本曲輪や北二の曲輪から矢を射かけられたらひとたまりもありません。
本曲輪内部
本曲輪は津具城で一番高い場所、城の中心に位置しています。
本曲輪からは各曲輪の様子を一望する事ができます。
津具城・東帯曲輪
東帯曲輪内部
本曲輪の北東に東帯曲輪があります。
東帯曲輪は空堀と土塁で築かれた細長い曲輪で、本曲輪の北東側の防備を固めています。
空堀
空堀は深さが1m程ですが、空堀はそのまま東側の斜面へと落ちて行き竪堀となっています。
竪堀は東帯曲輪と南二の曲輪を遮断するものとなっています。
津具城・南二の曲輪
本曲輪の南側に南二の曲輪があります。
南二の曲輪は本曲輪の南側の防備を固める曲輪で、津具城の搦め手側と思われます。
本曲輪の切岸
南二の曲輪からは本曲輪南側の切岸を見る事ができます。
切岸は曲輪の斜面を削り、急勾配とする事で敵が斜面を登れないようにする防御機構です。
堀切
南二の曲輪の尾根筋には堀切が築かれています。
斜面の先に堀切が築かれている様子が分かり、尾根伝いに迫る敵を防いでいます。
本曲輪の南側の尾根にも堀切が築かれています。
こちらの堀切は深さが1m程あり、遺構が良く分かります。
津具城の各尾根には堀切や空堀が抜かりなく築く事で、堅牢な山城となっています。
まとめ
津具城は本曲輪の虎口跡、虎口横に築かれた竪堀、北二の曲輪の虎口跡、北二の曲輪の空堀が見どころです。
津具城は中世の土造りの山城ですが、現在でも遺構が良く残されていて、各所に案内板も設置されていて良い城跡です。
津具城ウェブサイト:https://www.kankoshitara.jp/experience/detail/174/
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