山梨県北杜市の谷戸城(やとじょう)です。
平安時代末期に逸見清光が築城したとされています。
清光は多くの男子に恵まれ、甲斐国に勢力を広げ甲斐源氏の祖となります。
なかでも武田信義は平家討伐に功を上げ、戦国時代の武田家の礎を築きました。
流れ山といわれる小高い丘に城は築かれ、西には西衣川、東には東衣川が流れていて、自然地形を生かした立地となっています。
最高所の中心に一の郭、東側に二の郭、西側に三の郭、北側に四の郭が配され、一の郭の虎口、土塁、二の郭、三の郭の土塁や堀が見どころとなっています。
谷戸城・基本情報、アクセス
所在地:〒409-1502 山梨県北杜市大泉町谷戸2605
城 主:逸見氏、武田氏
形 式:平山城
文化財史跡:国指定史跡
日本100名城スタンプ:該当無し
谷戸城・駐車場
谷戸城の北側に谷戸城公園駐車場があります。
15台程駐められる無料駐車場です。谷戸城の南側にも無料駐車場があります。
谷戸城・大手口
谷戸城の北側に大手口があり、現在では北杜市考古資料館が建てられています。
北杜市考古資料館では、市内の出土品や谷戸城の模型などが展示されているので必見です。
【北杜市考古資料館】
所在地:〒409-1502 山梨県北杜市大泉町谷戸2414
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:火・水曜日、祝祭日の翌日、年末年始(12月28日~1月4日)
谷戸城・四の郭
大手口の先へ進むと、四の郭があります。
四の郭の外周部には低い土塁で囲まれています。
他の郭と比べると堀がなく土塁も低い為、未完成の郭であったとされています。
谷戸城・帯郭
虎口
四の郭の先には帯郭の虎口跡があります。
虎口の両側に土塁が残されていて、喰い違い虎口の形状になっていることがうかがえます。
郭内部、土塁
帯郭は四の郭と二の郭を繋ぐ細長い郭となっていて、外周部に土塁が巡らされています。
写真右側には二の郭の高い土塁が築かれていて、目を惹きます。
谷戸城・二の郭
虎口跡
二の郭の虎口は土塁の斜面を伝って左手に折れていて、喰い違い虎口になっています。
虎口に迫る敵に対して横矢が掛けられるように工夫されています。
いままでの虎口と比べて厳重になっていることが分かります。
堀、土塁
二の郭の外周部には堀と土塁が築かれています。
堀と土塁の高低差は3~4m程あり、南から北にかけて堀底が広くなっています。
二の郭内には細長い建物跡が3棟、正方形の建物跡が1棟確認されており、谷戸城の主要な郭であったと思われます。
谷戸城・三の郭
堀、土塁
二の郭の反対側(西側)に三の郭があります。
郭の外周部には堀と土塁が築かれています。二の郭より土塁が低いですが、一の郭の西側を守る郭であったとされています。
また、一の郭から投げ捨てられた土器類が出土しています。
谷戸城・一の郭
虎口跡
一の郭の虎口は喰い違い虎口ではなく平虎口となっています。
土塁の間に門を建てていたと考えられています。礎石は検出されましたが、確実な門の跡の確認はされていません。
一の郭の虎口だけあって、土塁が非常に高くなっています。
郭内部、土塁
一の郭は東側を二の郭、西側を三の郭で挟まれており、郭の外周部には高い土塁で囲まれています。
また、一の郭は谷戸城の最も高い場所に位置していて、郭の北側に直径20㎝ほどの穴の跡が30基検出されています。
北西側にも虎口があり、こちらは喰い違い虎口となっています。
まとめ
谷戸城は技巧的な縄張りではありませんが、堀と土塁が良好に残されているのが一番の魅力です。
特に一の郭、二の郭、三の郭の堀と土塁は迫力があり、見どころとなっています。
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