静岡県焼津市にある方ノ上城(かたのかみじょう)。
永正年間(1504~1521年)に今川家の武将が西側の備えとして築城したと云われています。
今川家の跡目争い「花倉の乱」の舞台となった城として有名です。
1536年に今川家の当主今川氏輝が急死し、後継者であった弟彦五郎も亡くなってしまいました。
氏輝の2人の弟は出家しており、栴岳承芳(後の今川義元)と玄広恵探との間で跡目争いが勃発しました。
栴岳承芳は駿府館、玄広恵探は花倉城、方ノ上城を拠点としており両軍は駿府で激突しますが、北条氏綱の援軍を得ていた栴岳承芳が勝利し、方ノ上城も落城しました。
玄広恵探は逃げ落ちましたが、普門菴で自刃し方ノ上城もほどなく廃城となりました。
現在でも高草山の中腹にある城跡には、狼煙台や堀切、曲輪跡、幻の池などが残され見どころとなっています。
方ノ上城・基本情報、アクセス
所在地:〒425‐0007 静岡県焼津市策牛
城 主:今川氏
形 式:山城・連郭式
文化財史跡:ー
日本100名城スタンプ:該当なし
方ノ上城・駐車場
方ノ上城の南側に山の手会館があり、その南側に公園の駐車場があります。
5台程止められる広さの無料駐車場です。山の手会館にトイレがあります。
方ノ上城・登城口
山の手会館の北側に方ノ上城への入口があります。
案内板に従って進んで行きます。
50m程進むと方ノ上城への案内板が設置されている、分かれ道が見えて来ます。
そのまま直進すると方ノ上城の北側の登城口に着きますが、とんでもない回り道になってしまいます。
右に行くと最短距離で方ノ上城の先端部にある狼煙台に行くことができます。
分かれ道を右に500m程進むと方ノ上城への登城口が見えて来ます。
ここから本格的な山道になります。
登城口から方ノ上城狼煙台までは30分程掛かります。
1/3位まではそれなりに整備された道ですが、それ以降は道と云うよりただの山の斜面です。
斜面はかなり急で登山に慣れた方で、且つ登山の装備をして行く事を推奨します。
方ノ上城・狼煙台
斜面を登り切ると狼煙台があります。
狼煙台には大きな石があり、ここで狼煙を上げて周囲に連絡をしていたようです。
狼煙台周辺は視界が開けていて、簡易的なベンチも設置されています。
毎年11月3日に地元有志の山の手未来の会により狼煙が揚げられています。
詳細は不明ですが、狼煙台には経塚と云われる石で丸く囲まれた所があります。
景色
狼煙台からは駿河湾と焼津の町並みを一望する事ができます。
苦労して山を登って来た甲斐があります。
方ノ上城・尾根上の曲輪跡
堀切
狼煙台の奥に進んで行くと堀切があります。
堀切は深さが2~3m程で、現在でも良好に残されています。
方ノ上城は尾根上に築かれた細長いお城なので、堀切が複数築かれています。
複数ある堀切でも狼煙台に一番近い堀切が深く、方ノ上城の見どころです。
曲輪跡
堀切の先には曲輪跡と書かれた案内板が設置されています。
現在は草で覆われている為、曲輪の全容は分かりませんが尾根上に築かれた細長い曲輪です。
堀切
曲輪の先へ進むと掘割と書かれた案内板が設置されています。
掘割=堀切の事だと思われます。
堀切の深さは1m程と浅くなっていますが、しっかりと遺構が確認できます。
堀切
堀切の先に進むと更に堀切があります。
こちらの堀切も1m程と浅くなっていますが、当時はもっと深かったのかも知れません。
先ほどの堀切の先にも堀切が築かれています。
こちらの堀切は先ほどよりはやや深く、1.5m程はあるかと思います。
現代に改変されたものかも知れませんが、堀切内の道が折れています。
幻の池
最後の堀切の先に進むと谷間になっている場所に出ます。
谷間には幻の池と云われる場所があります。
幻の池は雨が降った後にできる水溜まりと思われます。
あまりきれいではないですが、方ノ上城の貴重な水となっていたのかも知れません。
雨が降った後にしか見れないので、見れたらラッキーです。
方ノ上城・登城口②
幻の池の先へ進むと北側の登城口に着きます。
北側の登城口には方ノ上城の説明板が設置されています。
隅に寄せれば車1台程は止められるスペースがあるので、ここまで車で来るのもいいかも知れません。
まとめ
方ノ上城は狼煙台からの景色や尾根上に築かれた堀切、幻の池が見どころです。
城郭と云うよりは監視や連絡をする為の砦のような機能を持った城と思われます。
方ノ上城ウェブサイト
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