奈良県奈良市にある旧柳生藩家老屋敷。
柳生藩の家老である小山田主鈴の隠居宅で、現在は奈良県指定文化財となっています。
小山田主鈴は柳生藩の財政再建を成し遂げ、柳生藩主柳生俊章から与えられた土地に屋敷が建てられています。
1841年に尾張の石工が築いたと云われる石垣が積まれており、1848年に建物が完成しました。
現在は柳生藩と小山田主鈴、山岡荘八に関する資料が展示されています。
切込接ぎの高石垣や長屋門、主屋が残されていて見どころとなっています。
旧柳生藩家老屋敷・基本情報、アクセス
所在地:〒630‐1237 奈良県奈良市柳生町155‐1
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
入場料:大人350円・小中学生170円
休館日:12月27日~1月4日
ウェブサイト:https://narashikanko.or.jp/spot/museum/kyuyagyuhan-karoyashiki/
旧柳生藩家老屋敷・駐車場
旧柳生藩家老屋敷の南東300m程の所に、奈良市立柳生観光駐車場があります。
20台ほど止められる大きさの駐車場で、1回600円で利用する事ができます。
柳生藩家老屋敷までは歩いて10分程で行くことができます。
旧柳生藩家老屋敷・見どころ
高石垣
旧柳生藩家老屋敷は高石垣の上に建てられています。
高石垣は1841年に尾張の石工が築いたと刻まれていたそうです。
高石垣は切込接ぎと云われる工法で積まれています。
積み石の接地面を綺麗に削り、石と石の間に隙間がないように積まれています。
高さは5~6m程はあり、家老屋敷は城と云っても良いほどの迫力があります。
旧柳生藩家老屋敷の高石垣は見どころです。
長屋門(表門)
家老屋敷の入口には長屋門があります。
江戸時代に建てられた門の一部が残されていて、当時は右側の長屋と門左側の塀が付属していました。
長屋門に付けられている提灯が趣があり、江戸時代の雰囲気を感じます。
長屋門は江戸時代の貴重な建築物で見どころです。
主屋
長屋門をくぐると主屋が正面にあります。
主屋の周りには納屋、米蔵、物置などの跡があり、当時の生活の一部を垣間見れます。
主屋内部の見学は左側の入口から入ります。
柳生藩家老屋敷は柳生藩1万石の家老である小山田主鈴の旧邸です。
小山田主鈴は現在の福島県で生まれ、1806年(25才の時)に江戸の柳生藩邸に仕えて才能を認められ重役に取り立てられました。
1826年(45才の時)に国家老として奈良に移り、柳生藩南都屋敷を預かり大阪堂島の米相場で利益を得て、藩の財政を立て直しました。
1846年(64才の時)に家督を養嗣子にゆずり隠居、この屋敷を建てました。
主屋は1964年に作家山岡荘八の所有となったこともあり、現在は柳生藩や小山田主鈴、山岡荘八が書き下ろした小説、大河ドラマ「春の坂道」に関する資料が展示されています。
主屋は江戸時代の武家屋敷のほぼ完全に近い形に残されているので、見どころです。
庭園
主屋の隣には庭園があります。
庭園は大阪の茶人木津宗詮(官休庵流 紀州藩出仕)の指導を受けたと云われ、24基の灯篭が配置されていました。
主屋から見える庭園は風情があり、落ち着いた雰囲気となっています。
現在はありませんが当時は庭園の中央に渡り廊下があり、別屋敷と乾蔵が接続していました。
山岡荘八もこの庭園を見ながら執筆活動をしたのでしょうか。
水槽と井戸
主屋の西側には水槽と井戸が残されています。
当時は井戸の水を樋で水槽に貯めて生活に使用していたようです。
水槽の横には浴室があったと思われ、当時の生活の様子が伝わってきます。
まとめ
旧柳生藩家老屋敷は主屋や長屋門、高石垣が見どころです。
それぞれ江戸時代に築かれたものが現代まで残されていて、貴重な文化財となっています。
柳生藩の様子を知ることができるかけがえのない場所となっています。
旧柳生藩家老屋敷ウェブサイト
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