熊本県熊本市にある熊本城。
1588年に加藤清正が肥後北半国19万5千石を拝領し、隈本城に入ります。
1599年に茶臼山に新城である熊本城の築城を開始し、1607年に完成します。
1611年に加藤清正は死去し、息子の忠広が2代藩主となります。
1632年に加藤氏は改易となり、細川忠利が入国しすると、城内外の改修、修理を行い二の丸に藩校「自習館」を開きます。
明治維新後は本丸に熊本鎮台本営が置かれ、1877年に西南戦争が起きると開戦直前に天守や本丸御殿などが焼失します。
西郷隆盛率いる薩摩軍が熊本城を攻撃しますが、政府軍の谷干城が城を守り切ります。
1955年に国の特別史跡に指定された後に、天守閣や本丸御殿、戌亥櫓、未申櫓、太鼓櫓、南大手門などが復元されます。
2016年に発生した熊本地震により天守閣や宇土櫓、本丸御殿などの建築物、石垣などが被害を受けますが、2021年に天守閣が復興し特別見学通路が設けられ城内を見学できるようになりました。
3重6階地下1階の大天守、3重4階地下1階の小天守や二様の石垣、未申櫓、監物櫓、長塀が見どころとなっています。
熊本城・基本情報、アクセス
所在地:〒860-0002 熊本県熊本市中央区本丸1-1
城 主:加藤氏(加藤清正、加藤忠広)、細川氏(細川忠利など)
形 式:平山城、梯郭式
文化財史跡:国特別史跡、重要文化財13件(宇土櫓、田子櫓、監物櫓、長塀など)
日本100名城スタンプ:南口券売所、北口券売所、二の丸券売所、わくわく座券売所
熊本城・駐車場
熊本城の二の丸に「二の丸駐車場」があります。
210台程停められる広さの有料駐車場です。普通車は2時間まで200円で以降30分毎に100円となっています。
二の丸の北側には三の丸第1駐車場、第2駐車場もあり、それぞれ123台、231台停められて、料金は二の丸駐車場と同じです。
熊本城の南側には「城彩苑駐車場」があります。
58台程停められる広さの有料駐車場です。普通車は2時間まで200円で以降30分毎に100円となっています。
熊本城・南口
長塀(国指定重要文化財)
熊本城の南側、行幸橋、清正公像付近からは長塀を見る事が出来ます。
長塀は坪井川に沿って建てられている全長242mのとても長い塀です。
加藤氏時代には塀の中央付近に花畑屋敷へ行くため橋がありましたが、細川氏の時に撤去され、一直線の長い塀となりました。
長塀は熊本城の特徴的な建築物で、長さに圧倒されるので見どころです。
熊本城・桜の馬場
桜の馬場には城彩苑と呼ばれるエリアがあります。
城彩苑には多数のお土産店や飲食店があり、熊本城観光の拠点となる場所です。
また、熊本城ミュージアムわくわく座では、体験型の展示施設で楽しく熊本城を知る事が出来ます。
【熊本城ミュージアムわくわく座】
熊本城・奉行丸
未申櫓
奉行丸の南西隅には未申櫓があります。
未申櫓は明治時代に解体されますが、2003年に木造で復元された二重三階の櫓です。
打ち込み接ぎの石垣の上に建つ未申櫓は迫力があり恰好良いです。
熊本城・数寄屋丸
数寄屋丸御二階広間
数寄屋丸には数寄屋丸御二階広間があります。
2016年に起きた熊本地震により数寄屋丸御二階広間下の石垣が崩れていて、建物もひびが入り痛々しい姿となっています。
数寄屋丸では茶会が催されたと考えられ、数寄屋丸御二階広間は1989年に木造で復元された建物となっています。
熊本城・竹の丸
連続桝形
竹の丸から飯田丸に行くための通路は、石垣で連続した桝形虎口が形成されています。
連続桝形は6回も折れ曲がり、当時は西竹の丸五階櫓や元札櫓門と札櫓門で遮られる非常に厳重な虎口となっています。
連続桝形は熊本城の堅固さを象徴するような場所で、見どころとなっています。
熊本城・飯田丸
二様の石垣
特別見学通路のからは飯田丸を見る事が出来ます。
飯田丸は本丸の南西側に位置する郭で、南西隅には飯田丸五階櫓がありましたが、地震の被害を受けて解体されています。
また、特別見学通路からは本丸南側の二様の石垣を見る事が出来ます。
二様の石垣は右側が加藤清正が築いた石垣で、左側は細川忠利が築いた石垣と云われています。
(近年の研究では新しい方の石垣は加藤忠広が築いたと考えられています。)
最初は緩やかで上になるほど急勾配になっていく武者返しが美しく、二様の石垣は見どころです。
熊本城・東竹の丸
田子櫓、七間櫓、十四間櫓(国指定重要文化財)
東竹の丸には国指定重要文化財の平櫓が連続して建てられています。
北から源之進櫓、四間櫓、十四間櫓、七間櫓、田子櫓が連続して建てられ、全てが国の重要文化財に指定されています。
現在は熊本地震により被害を受けて、白漆喰が剥がれてしまっています。
熊本城・本丸
本丸御殿
本丸には本丸御殿が復元されています。
本丸御殿は1610年に加藤清正が建てた政庁機能を持つ建物で、細川忠利の時に増改築されました。
2008年に復元されましたが、熊本地震により被害を受け内部の見学は出来ない状態となっています。
闇り通路
本丸御殿の下には闇り通路があります。
本丸御殿は2つの石垣の上に建っているため、闇り通路と呼ばれる地下通路が設けられています。
闇り通路は全国的に見ても珍しい構造の地下通路で、見どころとなっています。
天守閣
本丸には天守閣が建てられています。
天守閣は1877年の西南戦争の直前に焼失し、1960年に再建され熊本地震により被害を受けました。
2021年に新たな耐震補強が施されて再建され、公開されています。
【熊本城】
所在地:〒860‐0002 熊本県熊本市中央区本丸1‐1
開館時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)
入場料:高校生以上800円、小中学生300円、未就学児無料
休園日:年末(12月29日~12月31日)
ウェブサイト:【公式】熊本城
天守閣の内部は熊本城の資料が多数展示されていて見応えがあります。
大天守は三重六階地下一階、小天守は二重四階となっていて、大天守に小天守が繋がっている連結式となっています。
階下部は黒の下見板張り、階上部は白漆喰で多数の付上げ戸や狭間が切られ、小天守下部には忍び返しと云われる鉄串を備える戦う為の天守閣となっています。
四重六階の大天守の二重四階の小天守が連結される、漆黒の武骨な天守閣は見どころです。
熊本城・平左衛門丸
宇土櫓(国指定重要文化財)
平左衛門丸の北西隅には宇土櫓があります。
宇土櫓は熊本城に現存する三重五階地下一階で、大天守、小天守に次ぐ第三の天守とも呼ばれている櫓です。
他の城郭では天守に匹敵する程の大きな櫓で、江戸時代から残る貴重な建築物となっています。
残念ながら現在は熊本地震で被災し、解体修理中となっています。
空堀
西出丸と本丸(平左衛門丸)の間には空堀が残されています。
空堀は幅が50mもある大規模なもので、江戸時代の絵図によると水の無い空堀でした。
熊本城・西出丸
西大手櫓門、元太鼓櫓跡
西出丸には北大手門、西大手門、南大手門の3ヵ所があります。
西大手門は正門にあたり西大手櫓門は最大規模で格式高い門となっています。
2003年に木造で復元されていましたが、熊本地震の被害により撤去されています。
熊本城・櫨方会所
加藤神社
本丸北西側にある櫨方会所跡には加藤神社があります。
加藤神社は加藤清正を主神とする神社で、境内には太鼓橋や大手水鉢、清正公の旗立て石などがあります。
また、加藤神社からは天守閣や宇土櫓がきれいに撮影できる、絶好の場所となっています。
熊本城・二の丸
監物櫓(国指定重要文化財)
二の丸の北側には監物櫓があります。
監物櫓は熊本城の北側の入口となる新堀御門そばにある平櫓で、国の重要文化財に指定されています。
監物櫓は熊本城に残る貴重な現存の櫓で、見どころです。
熊本城・三の丸
熊本博物館
熊本城の北西に三の丸があります。
三の丸には熊本博物館があり、熊本の古代から現代までの歴史と熊本の自然や動物の展示がされています。
また、細川家が参勤交代の時に使用した御座船「波奈之丸」が展示されていて豪華な御座所は必見です。
【熊本博物館】
所在地:〒860‐0007 熊本県熊本市中央区古京町3‐2
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
入館料:一般400円、高校生・大学生300円、小・中学生200円
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
ウェブサイト:熊本博物館
まとめ
【熊本城の見どころ】
・三重六階地下一階の大天守と二重四階地下一階の小天守が並ぶ大きく武骨な天守閣
・何度も折れ曲がり複数の桝形が形成され堅固さを象徴する連続桝形
・加藤氏時代と細川氏時代の反りが美しい二様の石垣
・本丸御殿下に設けられた全国的にも珍しい闇り通路
・二の丸気北側の国の重要文化財に指定されている監物櫓
・242mにも及ぶ坪井川に沿って建てられている長大な長塀
ウェブサイト:【公式】熊本城
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